釣った魚は最後まで
生死を彷徨ったおもちは海に行った
その節はご心配をおかけしました、おもちです。
軽い気持ちで。吐き出す程度に書いたのに思ったより心配されてありがとうございます。小泉花陽を壁に張り出した時点で割と元気だったのですがおもちはバグることで有名なので、それすらバグなのではと疑われて笑いました。存在そのものがバグ。
そんなわけで今日は楽しい話!釣りに行きましたよ話します。
釣りに行く
そんなわけで色々あって釣りに行きました。
なんで釣りがしたいかという話になると実は前から興味自体はあったんですよね。おもちは神奈川県横浜市の中でも田舎の方で暮らしてきていて(この神奈川県の田舎という表現、神奈川の人には伝わるのですが地方に出てから一切信用されなくて笑います。摩天楼だと思われてるぞ、神奈川)、今の実家が海の近くになってからずっとやりたかった。
あと釣りバカ日誌小さい頃、密かに好きでそれもあって、釣りには漠然とした憧れを抱いてきた。ちなみに好きだけどあんまり記憶はなくてたまちゃんが出てた回が主な記憶である。記憶容量がザルすぎる。
それとあつ森とかモンハンとかぼくなつで永久に釣りするタイプなのもあります。ぼくなつ2は名作。虫相撲と釣りだけで一生遊べる。
閑話休題。釣りに行くにあたり、ど素人おもちはひとまず情報収集をすることに。意気揚々とGoogleの検索窓に「釣り 初心者」とか打ち込み。
【釣りに行くにはこの服装で!】【さびき釣りの基本!】【釣りのマナー!】【魚の締め方!!!】
情報社会の恐ろしさに震えました。取捨選択むずすぎるだろ。
そんなわけでおもちは職場の先輩に釣り好きらしいと聞いていた上司に話を聞くことに。
「実は釣りを始めようと思ってて」「海???川?????終わったら竿はちゃんと洗うんだよ???」
話が早すぎるだろ。
飽和する電子情報と勢いのある上司のおかげでなんとか情報収集に成功。
とりあえず釣竿に関してはセールの竿を買ったので大丈夫そうです。釣り餌も買ったので。
装備はどうやら動きやすいものがいいらしいので結局新調した。寝巻きか通勤用の服しか持ってなかった。極端。
あと海に落ちて死ぬと他の釣り人さんの迷惑になりそうなので簡単な救命胴衣も買いました。それとカバンとクーラーボックス。
ウキウキおもちはピカピカのカバンに釣竿とか餌とかタオルとかありったけの夢を詰めて、あとクーラーボックスを抱えて、ついに海へ。
事前に上司に教えてもらっていた釣り場は幸いにも、バスで行けそうなところにあるようで、運転にあまり自信がない上、まだまだお散歩したいおもちはウキウキでそこに向かうこととしたのであった。
ちなみに有給を合わせて取った彼氏がオトモ。そんなわけで緊急海釣りクエストが開幕しました。
☆2 新鮮な豆アジを求めて
緊急クエストが幕をあけ、武器ではなく釣竿を手にしながらバスに乗り、Googleマップと睨めっこをしながら彷徨い歩くうちに日は高くなっていく。
漂う潮の匂いが少し強くなったあたりで視界は開け、日差しはさらに強くなる。眩しい日差しに焼かれながら少し進めば汗が滲む、そんな気候に怯みながら前を見れば、そこは一面の青、青、青。空と海の境界線が消えて無くなりそうなほどの青であった。
胸いっぱいに潮の匂いを吸い込みながら心は踊る。越してきてから久しく見ていなかった海にテンションはあがる。
目的の桟橋は海が見えてからさらに歩いて、ようやく見えてきた。海に向かってまっすぐ伸びるコンクリートのそれにはぽつり、ぽつりとまばらに人が見える。
海風に吹かれながら水面に近づくと太陽の光を反射して水面はキラキラと輝いている。頭に流れる井上陽水。あ〜おぞらにのこさ〜れた〜。
水は想像以上に澄んでいた。光る水面の奥に揺らぐ海藻、地面の岩肌までよく見える。
地面に突き刺された看板に残された「人と距離を開けましょう」という最近よく見る注意喚起に従って、距離を開けつつ陣地をとって、糸を垂らすことにした。
サビキはヤバい(確信)
さびき釣りをすることにしていた。理由は色々あるのだけど、ぼくくんがやってたからというのが一番でかい。行動原理が大体ぼくなつの日である。
カゴに餌を詰め、海へ放る。餌の煙幕を作ればいい。脳内シュミレーターは完璧だ。
そして、竿の扱いが全くわかっていないおもちは勢いよく水中にオキアミをぶちまけた。
餌の幕どころかこれではただの餌やりだ。
そんな愚かな人類を嘲笑うように澄んだ水面から見える水中ではわらわらと豆アジたちが集まっていた。
屈辱に顔を歪めながらもう一度糸を放る。集まる魚たち。どうしたらいいか分からず固まるおもち。
すると指先にくい、と重たい感触が。慌てて竿をあげる。
糸の先には頭に針を突き刺した哀れな豆アジが。
「馬鹿だコイツら!」
馬鹿(人類)VS馬鹿(魚類)、開幕。
クーラーボックスに豆アジを詰め込んで。
とはいえおもちはこれでも人類の端くれなので、竿の操作さえ分かれば魚類を騙すくらいはできた。
糸を垂らすだけで集まる魚たちが針にかかる。引き上げ、針から魚を外し、クーラーボックスにぶちこむ。やがて魚の数は70を回っていた。
「帰ろうか」
餌を一袋使い切ったあたりで我々は引き上げることにした。これからこの魚を捌かないといけないのかぁ、という思いを抱きながら「釣った魚に餌をあげられないなら食べないとなぁ」とぼんやり考えていた。
海風に髪をべたべたにしながら道具をまとめて、帰る道中。ふと、岩場に目を向けると黒い何かが蠢いていた。
丸いフォルムに触覚らしき二本。ぼんやりしながら脳裏に浮かんだ言葉を口にする。
「ウミウシ……?」
その瞬間、彼氏が振り返り、叫ぶ。
「ウミウシ!?!?!?!?」
なんで今日一テンション上がってんだお前。
魚は唐揚げと南蛮漬けになりました。ビールうまかったです。おわり!
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