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生傷の絶えない人生を送ってきました

 こうして書くとめっちゃ深刻な話みたいだけどもっと単純な話で、おもちはよく怪我をする。
 どこでぶつけたかわからんアザもよく作るし(毎回心当たりはある)、足首もよく捻り、よくこける。
 先般も、酔った勢いで正面から転び、膝を擦りむいた。(酔っていたので本人は全く深刻に捉えていなかった)
 その場に居合わせ、人間が正面から転ぶところを目撃した先輩に先日、「そういえば膝どうした?」と言われた。
 ちなみにこの先輩は直属の中間管理職みたいな先輩(おもちはボスと呼んでる)が正面から転ぶところも目撃している。上司部下が揃って人体ではあまり起こり得ない正面から転がる場面を目撃した希少な人物である。というかうちの部署の人間こけすぎでは?
 閑話休題。おもちは膝掛けをぺろっと捲りつつ、「右は綺麗になったけど左はまだ絆創膏がいるんです」と説明した。もはやおもち自分の体に執着なさすぎて見ないと傷の状態すらわからんのだよ。
 それから先輩はやや考え込んでから、

「それこないだの飲み会の傷だよね?」
「え、その話じゃないことある??私逆にそれ以外怪我してましたか?」
「お前いつも怪我してんじゃん」
「それはそう」

 ぐうの音も出なかった。ぐう。
 とこんな会話が発生する程度には生傷が多い。
 原因は、まあなんか色々ある。多分一番はおもち、歩くのが下手。本当に。体のバランスが悪いのだと思う。
 正直現存する最古の記憶を辿ってみても馬鹿でかい公園でおたまじゃくしを追いかけて正面から転んだ記憶になる。正面からいくな。
 ちなみに飲み会で正面から行った件は整体でもしこたま叱られ、「足の施術増やそうね〜^^」とまんまと営業された。いいけど!やりたいから!やるけど!

 あとは多分距離感が人より馬鹿なのだと思う。物理的な距離感測る機能ちょっと壊れてる。

 おもち、一歩歩かせれば机の角に腕をぶつけ、棚を開かせれば扉に衝突する。先輩が出しっぱなしにしたまま離席した椅子に正面からぶつかりにいくし、机の下に溜め込んでる仕事の資料を引っ張り出すために下に潜り込むと出てこようとする時に頭をぶつける。ドジっ子とかじゃなくて、物理的距離感ぶっ壊れ人間
 多分注意力が足りてない。危機管理能力が低い、生き延びようとする生存本能みたいなものがない。要は己に執着がない。あと正常性バイアス強め。
 これ多分、一回体調壊してからますます酷くなっている。前々からよく怪我はしていたけど、椅子にぶつかりに行くとかはまさに3年くらい前からで最近回避率が低すぎる。単に歳のせいな可能性もあるけど。
 別に死んだらラッキー✌️くらいの気持ちだったから、気にしてなかったんだろうなと思う。多少回復した今やなんとか生き残る程度には思考は回復したけど、一度手放した危機管理能力は戻ってこないみたいで未曾有の生存ヘタクソ人間が残った。
 弊害として己の情報開示も躊躇いがなくなった。いや、嫌いな人にはしないけど。ある程度好きな人には神経すり減らして情報を制限するムーブを忘れてしまう。距離感ガバガバやないかい。

 それでも生き残れているので周りの人に恵まれているなあと思う。こないだ転んだ時も色々心配してもらったし。
 こういうとき、可愛い後輩ムーブ役に立つなと思うけど、これこそまさに若いうちだけだから、この猶予時間で生存方法を確立しなくてはと思っている。整体やジムもその一環を兼ねている。

 とりあえずおもちはまだ死にたくないのだ、まどマギの新作観るまでは。

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