台湾再訪:小さな島の、小さな国の物語
あれは今年、2023年の2月下旬、まだ冬の寒さに包まれた日本を離れ、ユーラシア大陸の東端に浮かぶ南洋の島、台湾に私は向かいました。
台湾に行けば、この寒さは和らぎ、そして台北から南下して台南高雄まで行けば、さらに気温は上がり、半袖短パンといった夏の格好で過ごすことができる、そんな狙いもあり、春着のような衣服を何枚か重ねて着て、自宅から空港までの道中をやり過ごそうとしたのです。
台湾のLCC航空会社タイガーエアの片道切符を用意しました。アジア周遊バックパック旅行をするつもりだったので、1ヶ月の台湾滞在の後、タイ王国バンコク行きの航空券に、同じくタイガーエア便を予約しました。
その時は、日本の帰国が3ヶ月以上先になるとは知らずに、いつものように時間の制約を感じない気ままな旅がしたかったのです。
そしてバンコクを拠点にしてラオスのルアンバハーンに向かおうと、あまり旅の詳細を決めることなく大まかな旅程を考えていました。
2020年1月の台湾旅行からちょうど3年、再び台湾を訪れることができました。当時は数ヶ月で、あるいは1年ほどでこの感染症騒動も収束するだろうと、楽観的に考えていました。
今回の旅行では、人々の一般的な往来がコロナ禍によって制限されたこの3年の間に、台湾は、ひいてはアジアはどのように変わったのか、自分の五感で確かめたかったのです。
1ヶ月もあれば、台湾中をぐるっと見て回ることもできる、しかしそれは甘い見通しでした。結局西海岸の大きな街は訪れることができましたが、台湾東海岸の町、台東ー花連ー宜蘭、そして海の玄関口、港街基隆には行けませんでした。
台湾滞在中に感じたのは、3年間のいわば鎖国状態の中で、台湾の文化に内在する中華民族の古い文化ー日本統治時代より以前のものーが、以前より強く表に現れているということでした。
多くの人と出会い、そして多くの人と再会することもできました。今振り返れば、もっとぶらぶらできる心の余裕があればよかったかもしれません。
また近く台湾に行こうと、航空券の安い日取りを探しているところです。