【廃用症候群】作るも無くすも看護師次第
『廃用症候群』
看護師ではない方でもこの言葉を1度ぐらい耳にしたことがあるのではないでしょうか?
廃用症候群とは
安静状態が長期に渡って続くことにより起こる
様々な心身の機能低下などを指します
ちょっと抽象的ですが、ざっくり言えば安静臥床によって【呼吸機能】 【循環機能】【認知機能】【消化管機能】など様々な機能が低下しますってことで間違いないと思います。
そして、実はこの廃用症候群を【看護師】が無意識のうちに作り出していたとしたらどう思いますか?
僕はかつてこの廃用症候群を無意識のうちに作り出していた看護師でした。(当時看護していた患者さんには、本当に申し訳ないです、、)
なので今回は過去の自分を振り返りつつ、廃用症候群について少し触れていこうと思います。
実はこの廃用症候群、多くの場合が急性期治療中に発生しているんです。 もっと言うと、治療中の安静によって発生しています。なので、決して急性期治療に限った話ではないですが、頻度としてはやはり急性期治療中に発生することが多いと個人的には思います。
僕自身急性期で働いていた頃は
【治療のために安静を】
という考え方が無意識のうちに擦り込まれていたし、実際に患者さんの安静を保っていました。
確かに絶対安静が必要な状態や時期は存在すると思います。 例えば、脳卒中や虚血性心疾患の急性期、腎血流量を抑えなくてはならない場合や呼吸不全がみられる重篤な肺炎の場合など、、、このような場合は安静を優先しなくてはならないと思います。
しかし、軽症な肺炎、脳卒中や虚血性心疾患の亜急性期の状態では、基本的に安静は必要ないです。むしろ、離床を促し廃用症候群を予防するため 【看護の力】を発揮する最大のチャンスだと個人的には思っています。
ご存知の通り安静臥床により筋力は1日で約1〜3%、1週間で約10〜15%、3〜5週間で約50%低下すると言われています。筋力が50%も落ちた状態では、もとの生活に戻ることができないのは容易に想像できると思います。 特に高齢者は落ちた筋力を戻すのに時間がかかるため、その分入院期間が伸びます。そして、入院期間が伸びるとことで認知機能が低下したり認知症が進行する可能性が高くなります。
もう負のスパイラルですよね、、、
このような状態に陥らないためにも、
できるだけ安静にしない
安静は最小限に止める
という認識を、
日本中すべての看護師の方々
が持つことができれば、【看護の力】で廃用症候群を今よりも減らすことができるのではないかと思っています。
この考え方に少しでも共感してもらえた方は