横浜テクノスケープ探訪・その1:JR鶴見線 海芝浦駅
気がつけば、1か月以上noteの更新が止まっていました・・・
さて、コロナ禍以降初めて、つまり4年ぶりの東京訪問です。インバウンド急増のあおりで東京の宿泊料金はどこも高く、宿は横浜で取りました。せっかくなので、横浜をちょっとブラブラと。
1日目に東京で用事を済ませ、翌日は長らくご無沙汰していたあるマニアックな場所へ足を運びます。
「テクノスケープ」って?
1日で無駄なく周遊しようと、まずはJR鶴見線の海芝浦駅へ向かいました。実は、10年ほど前に一度訪れています。近畿大学理工学部・岡田昌彰先生の著書『テクノスケープ』で、紹介されてたのを見たのがきっかけだったかな。
京浜工業地帯の埋立地で、京浜運河がすぐ横に迫っている「限りなく海に近い」景観は、かなりのインパクトがありました。
ちなみに、「テクノスケープ」という言葉はあまり馴染みがないと思いますが、「工場萌え」(学術的には工場景観といいます)のような、工場やコンビナートなどの建築物で構成された景観は有名ですね。
工場以外にも、倉庫、空港、トンネル、ダム、煙突、航空機といった、人間が作り出した産業的な要素で構成される空間を、広い意味でテクノスケープと呼んでいいと思います(下の表をご参照ください)。
話はそれましたが、JR鶴見線・海芝浦支線の終着駅となる海芝浦駅は、東芝エネルギーシステムズの敷地内にあるため、従業員など関係者以外は駅から一歩も出られない、チョット変わった場所でもあります。なお、駅名は東芝の前身である「芝浦製作所」に由来しています。
『せっかく終点まで行って、外に出られないなら意味ないやん!』
そんなツッコミがあちこちで起こりそうですが、どうしても行きたい衝動に駆られるのが、鉄ちゃんの性なんです。🚊
10年前と景観は同じでも・・・
鶴見駅のホームです。10年前もほぼ同じアングルで撮影していましたが、特に何も変わっていませんでした。大阪の南海電鉄・汐見橋線よりも乗客は多いです(そりゃ当たり前か)。
海芝浦駅に着くとこんな感じです。ホームのすぐ横はホントに海!(っていうか運河です)。残念なことに梅雨明け前の曇天で、イマイチ映える写真じゃないので、偶然前に同じ場所で撮影した写真を下に載せておきます。
この駅、テレビ番組や小説で取り上げられたり、映画のロケ地になったりと、それなりの知名度はあるようですが、鶴見つばさ橋や横浜ベイブリッジを望むことができる、景観抜群で海に一番近い駅という理由で「関東の駅百選」にも選定されています。
駅名標の左側に縦長のプレートが!よく見ると、「関東の駅百選認定駅」と書いてあった。実は、撮影してる時にまったく気づいてなかったんだよなぁ。💦
来訪者の憩いの場
ホームを端まで進むとICカードのタッチ端末機があり、「出場」して右手に進めば東芝エネルギーシステムズの敷地へ。でも、最初にお話ししたとおり、ここへ入ることはできません。
『えっ、じゃあその先はどうすればいいの??』
安心してください、楽しむ場所はあります!
タッチ端末機の奥には「海芝公園」という、誰でも立ち入ることができる空間が用意されていまして・・・。1997年に東芝が所有地を一部開放、細長い敷地にベンチやいろんな植栽を配置し、景観を楽しめるようにしてくれたのです。
何と、元旦には初日の出を拝む来訪者のために、始発電車の到着時に開園するというサービスぶり。それだけの人が集まるほど、知名度があるという証拠ですね。
公園自体に特筆すべきものはないんですが、帰りの電車の出発時間まで過ごすには、ちょうどいいスケール感で。もっと一人の時間を楽しみたければ、ベンチでゆっくり佇むのも良し!
ですが、私は次の予定があったので、早々に引き上げました。それにしても、梅雨時の散策は空がどんよりしていて写真映えしないし、暑くてテンションが上がりませんねぇ。😵💫 しょうがないので、10年前の清々しい写真をアップすることにします。
今回の散策と全く関係ありませんが、海芝浦駅のホームに迫っている京浜運河の対岸は、横浜・川崎両市にまたがる「扇島」という埋立地で、扇島ができる前は、現在の島北岸辺りに防波堤がありました。
京浜運河を開削した際、浚渫(水底の泥をさらって深くすること)された土砂を防波堤の沖側に投棄していたそうですが、その土砂が次第に堆積して扇状の砂州となり、1930(昭和5)年頃から「扇島海水浴場」として営業が始まったとか。10年余りで延べ169万人の来場者があったというから、戦前でいう夏のレジャー施設だったんでしょうね・・・。
それにしても、工場の煙突を眺めながら沖で泳ぐなんて、なんか違和感あるなぁ。🏭
さあ、次はどこへ行くのでしょうか?
まだまだ横浜テクノスケープの散策は続きます!🤖