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上肢の筋カード (起始・停止・支配神経)

効率のよい学習ツール Anki で使える筋肉カードあります(マガジン)

1 上肢帯

棘上筋

棘上筋(supraspinatus)
棘上筋(supraspinatus)

棘上筋
【起始】棘上窩
【停止】大結節
【支配神経】肩甲上神経
【作用】肩関節 外転


棘上筋は肩甲骨の棘上窩から起こり、外側に走り上腕骨大結節につきます。上腕骨を外転させます。棘下筋とともに肩甲上神経により支配されます。

棘下筋

棘下筋(infraspinatus)
棘下筋(infraspinatus)

棘下筋
【起始】棘下窩
【停止】大結節
【支配神経】肩甲上神経
【作用】肩関節 外旋


棘下筋は肩甲骨の棘下窩より起こり、外方に走り上腕骨大結節につきます。上腕を外旋させます。棘上筋とともに肩甲上神経により支配されます。

小円筋

小円筋(teres minor)
小円筋(teres minor)

小円筋
【起始】肩甲骨外側縁
【停止】大結節
【支配神経】腋窩神経
【作用】肩関節 外旋


小円筋は棘下筋におおわれて肩甲骨外側縁から起こり、外方に走り上腕骨大結節につきます。上腕を外旋させます。三角筋とともに腋窩神経に支配されます。

三角筋

三角筋(deltoid)

三角筋
【起始】肩峰・肩甲棘・鎖骨外側1/3
【停止】三角筋粗面
【支配神経】腋窩神経
【作用】肩関節 外転・屈曲・伸展


三角筋は肩関節を外側よりおおう三角形の強大な筋で、鎖骨の外側部1/3、肩峰、肩甲棘から起こり、集まって上腕骨体外側面の三角筋粗面につきます。前部線維は上腕を屈曲、中部線維は上腕を外転、後部線維は上腕を伸展させます。小円筋とともに腋窩神経により支配されます。

肩甲下筋

肩甲下筋(subscapularis)

肩甲下筋
【起始】肩甲下窩
【停止】小結節
【支配神経】肩甲下神経
【作用】肩関節 内旋


肩甲下筋は肩甲骨肋骨面のつくる肩甲下窩より起こり、外方に向かって上腕骨小結節に停止します。上腕を内旋します。大円筋とともに肩甲下神経に支配されます。

大円筋

大円筋(teres major)

大円筋
【起始】肩甲骨 下角
【停止】小結節稜
【支配神経】肩甲下神経
【作用】肩関節 内旋・内転


大円筋は小円筋の下方で肩甲骨下角より起こり前外方に向かい、上腕骨小結節稜につきます。上腕骨を内旋・内転します。肩甲下筋とともに肩甲下神経の支配を受けます。

2 上腕の筋

■ 上腕の屈筋群

烏口腕筋

烏口腕筋(coracobrachial)

烏口腕筋
【起始】烏口突起
【停止】上腕骨体
【支配神経】筋皮神経
【作用】肩関節 屈曲・内転


烏口腕筋は肩甲骨の烏口突起から起こり、上腕骨体の内側に停止します。筋の表面は上腕二頭筋の短頭におおわれます。肩関節を屈曲・内転します。上腕の屈筋群の中で最も筋腹が腋窩に近接しています。腋窩で腕神経叢から分かれた筋皮神経は、烏口腕筋を貫ぬき、同筋を支配しつつ、上腕二頭筋や上腕筋へと至ります。

上腕二頭筋

上腕二頭筋(biceps brachii)

上腕二頭筋
【起始】長頭:関節上結節, 短頭:烏口突起
【停止】橈骨粗面
【支配神経】筋皮神経
【作用】肘関節 屈曲, 前腕 回外


上腕二頭筋は“力こぶ”の筋として有名で、肘関節の屈曲と前腕の回外をさせます。起始は長頭と短頭の2頭からなります。長頭は、肩関節腔内にある肩甲骨の関節上結節から起こり、滑膜におおわれて上腕骨頭の上を横断します。その後、上腕骨小結節の外側縁を滑車のように利用して下方に向きを変え、結節間溝を下行します。短頭は烏口突起から起こり、その起始腱は烏口腕筋の表面を走ります。  

筋を収縮させると上腕部に筋腹が隆起して、肘窩の中央には停止腱がより明瞭になります。停止腱は肘関節をまたいで橈骨粗面につくほか、一部は腱膜として前腕内側の皮下にある前腕筋膜に癒合します。この腱膜は前腕を回外する際に、二頭筋の収縮力を前腕筋膜に伝える作用があります。上腕二頭筋に力を入れながらわずかに肘を曲げると、この腱膜が肘窩の内側の皮下に明確に触れ、その深層には肘窩に向かう上腕動脈や正中神経が通っています。  

上腕筋

上腕筋(brachialis)

上腕筋
【起始】上腕骨前面の下半部
【停止】尺骨粗面
【支配神経】筋皮神経
【作用】肘関節の屈曲

上腕筋は上腕二頭筋の深層にあるので体表からは観察しにくいが、発達した幅広い筋腹を持ち、肘関節を強力に屈曲します。肘関節の屈曲には常にこの筋が強く作用します。

■ 上腕の伸筋群

上腕三頭筋

上腕三頭筋(triceps brachii)

上腕三頭筋
【起始】長頭:関節下結節, 外側頭:上腕骨外側面, 内側頭:上腕骨後面
【停止】肘頭
【支配神経】橈骨神経
【作用】肘関節の伸展


上腕三頭筋は上腕後面にある強大な筋で、長頭、内側頭、外側頭の3頭からなります。長頭は肩甲骨の関節下結節から、外側頭は上腕骨外側面から、内側頭は上腕骨後面から起こり、3頭が合して尺骨肘頭に停止します。肘関節を伸展します。橈骨神経により支配されます。

肘筋

肘筋(anconeus)

肘筋
【起始】外側上顆
【停止】尺骨上部後面
【支配神経】橈骨神経
【作用】肘関節の伸展


肘筋は上腕骨外側上顆から起こり、下外方に向かい、尺骨上部後面に停止します。上腕三頭筋の働きを助け肘関節をのばします。橈骨神経により支配されます。

3 前腕の筋

■ 前腕の屈筋群

<前腕浅層の屈筋群>

円回内筋

円回内筋(pronator teres)

円回内筋
【起始】上腕頭:内側上顆, 尺骨頭:鈎状突起
【停止】橈骨中部の外側面(円回内筋粗面)
【支配神経】正中神経
【作用】前腕の回内と肘関節の屈曲


円回内筋は2頭をもち、上腕頭は上腕骨の内側上顆から、尺骨頭は尺骨の鈎状突起から起こり、両頭合して橈骨中部の外側面(円回内筋粗面)につきます。前腕を回内させ、肘関節を屈曲します。正中神経により支配されます。円回内筋上腕頭と尺骨頭の間を正中神経が通ることも大切です。

橈側手根屈筋

橈側手根屈筋(flexor carpi radialis)

橈側手根屈筋
【起始】内側上顆
【停止】第2・3中手骨底
【支配神経】正中神経
【作用】手関節の屈曲・外転(橈屈)


橈側手根屈筋は上腕骨内側上顆から起こり、下外方に向かい第2・3中手骨底に停止します。手関節の屈曲・外転(橈屈)させます。正中神経による支配を受けます。

長掌筋

長掌筋(palmaris longus)

長掌筋
【起始】内側上顆
【停止】手掌腱膜
【支配神経】正中神経
【作用】手関節の屈曲

長掌筋は内側上顆から起こり、細長い腱となり、屈筋支帯の浅層を通過した後、手掌にて扇状に広がり、手掌腱膜をつくります。手関節の屈曲させます。正中神経による支配を受けます。

浅指屈筋

浅指屈筋(flexor digitorum superficialis muscle)

【起始】上腕尺骨頭:内側上顆・尺骨粗面, 橈骨頭:橈骨上部の前面
【停止】第2〜5中節骨底
【支配神経】正中神経
【作用】第2〜5指のMP関節およびPIP関節を屈曲


浅指屈筋は円回内筋、橈側手根屈筋、長掌筋、尺側手根屈筋の4筋におおわれ、上腕尺骨頭は内側上顆と尺骨粗面の内上側から、橈骨頭は橈骨の上部前面から起こり、合して長掌筋の下層を下り4腱に分かれて、第2~第5指の中節骨底の掌側面につきます。第2~第5指のMP関節およびPIP関節を屈曲します。正中神経の支配をうけます。

尺側手根屈筋

尺側手根屈筋(flexor carpi ulnaris)

【起始】上腕頭:内側上顆, 尺骨頭:尺骨上半部の後縁
【停止】豆状骨・第5中手骨底
【支配神経】尺骨神経
【作用】手関節の屈曲と内転(尺屈)


尺側手根屈筋はは上腕頭と尺骨頭からなり、前者は内側上顆から、後者は尺骨上半部の後縁から起こり、両者合して前腕の中ごろから細い腱となり、豆状骨・第5中手骨底につきます。手関節の屈曲と内転(尺屈)に作用します。尺骨神経の支配を受けます。
(前腕屈筋群は基本的に正中神経支配ですが、尺側手根屈筋と深指屈筋尺骨半のみ尺骨神経支配です)

<前腕深層の屈筋群>

深指屈筋

深指屈筋(flexor digitorum profundus)

【起始】尺骨前面・前腕骨間膜
【停止】第2〜5末節骨底
【支配神経】橈側半は正中神経、尺骨半は尺骨神経
【作用】第2〜5指のDIP関節を屈曲


深指屈筋は尺骨前面および前腕骨間膜から起こり、4腱に分かれて第2~第5指末節骨底につきます。第2~第5指のDIP関節を屈曲します。橈側半は正中神経、尺側半は尺骨神経の支配をうけます。

長母指屈筋

長母指屈筋(flexor hallucis longus)

【起始】橈骨前面・前腕骨間膜
【停止】母指末節骨底
【支配神経】正中神経
【作用】母指のMP・IP関節を屈曲


長母指屈筋は橈骨前面と前腕骨間膜から起こり、母指の末節骨底につきます。母指MP、IP関節を屈曲させます。正中神経の支配をうけます。

方形回内筋

方形回内筋(pronator quadratus)

【起始】尺骨下部前面
【停止】橈骨下部前面
【支配神経】正中神経
【作用】前腕の回内


方形回内筋は尺骨下部前面から起こり外方に走り、橈骨下部前面につきます。前腕を回内します。正中神経の支配をうけます。

■ 前腕の伸筋群

<前腕浅層の伸筋群>

腕橈骨筋

腕橈骨筋(brachioradialis)

【起始】上腕骨下部外側縁
【停止】橈骨茎状突起
【支配神経】橈骨神経
【作用】肘関節 屈曲

腕橈骨筋は上腕骨下部外側縁から起こり、外前方に向かい、橈骨茎状突起につきます。肘関節を屈曲させます。橈骨神経の支配をうける。
(腕橈骨筋は腕橈骨筋は伸筋群に属していますが、作用は屈筋であることに注意が必要です)

長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋

長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋(extensor carpi radialis longus, extensor carpi radialis brevis)

長橈側手根伸筋
【起始】外側上顆
【停止】第2中手骨底
【支配神経】橈骨神経
【作用】手関節 伸展(背屈)と外転(橈屈)


長橈側手根伸筋は上腕骨の外側上顆から起こり、第2中手骨底の背面につきます。手関節 伸展(背屈)と外転(橈屈)に働きます。橈骨神経の支配をうけます。

短橈側手根伸筋
【起始】外側上顆
【停止】第3中手骨底
【支配神経】橈骨神経
【作用】手関節 伸展(背屈)と外転(橈屈)


短橈側手根伸筋は上腕骨外側上顆から起こり、第3中手骨底につきます。手関節 伸展(背屈)と外転(橈屈)に働きます。橈骨神経の支配をうけます。

総指伸筋、小指伸筋

総指伸筋、小指伸筋(extensor digitorum communis, extensor digiti minimi)

総指伸筋
【起始】外側上顆
【停止】第2〜5指の中節骨と末節骨
【支配神経】橈骨神経
【作用】手関節 伸展(背屈)と第2〜5指の伸展


総指伸筋は上腕骨外側上顆から起こり、4本の腱に分かれて手背に出て第2~第5指の中節骨と末節骨につく。第2~第5指を伸展させ、同時に手関節を伸展(背屈)させる。橈骨神経の支配を受けます。

小指伸筋
【起始】外側上顆
【停止】第5指の指伸筋腱
【支配神経】橈骨神経
【作用】第5指の伸展

小指伸筋は起始は総指伸筋と同じく外側上顆で、第5指の背面で指伸筋腱につく。第5指を伸展させる。橈骨神経の支配を受けます。

尺側手根伸筋

尺側手根伸筋(flexor carpi ulnaris)

【起始】外側上顆・尺骨後面
【停止】第5中手骨底
【支配神経】橈骨神経
【作用】手関節 伸展と内転(尺屈)


尺側手根伸筋は上腕骨の外側上顆、尺骨後面から起こり、第5中手骨底につきます。手関節の伸展と内転(尺屈)に作用します。橈骨神経の支配を受けます。

<前腕深層の伸筋群>

回外筋

回外筋(supinator)

【起始】外側上顆・尺骨回外筋稜
【停止】橈骨上部外側面
【支配神経】橈骨神経
【作用】前腕の回外


回外筋は上腕骨の外側上顆と尺骨の回外筋稜から起こり、前腕後面の深部を外下方に向かい、橈骨上端外側面につきます。前腕を回外します。橈骨神経の支配をうけます。

長母指外転筋

長母指外転筋(abductor pollicis longus)

【起始】橈骨および尺骨の中央部後面・前腕骨間膜
【停止】第1中手骨底
【支配神経】橈骨神経
【作用】母指の外転


長母指外転筋は尺骨および橈骨の中央部後面、前腕骨間膜から起こり、第1中手骨底につきます。母指を外転させます。橈骨神経の支配を受けます。

短母指伸筋、長母指伸筋

短母指伸筋、長母指伸筋(extensor hallucis brevis,extensor pollicis longus)

短母指伸筋
【起始】橈骨下部後面・前腕骨間膜
【停止】母指基節骨底
【支配神経】橈骨神経
【作用】母指のMP関節の伸展


短母指伸筋は橈骨下部後面と前腕骨間膜から起こり、母指基節骨底につきます。母指のMP関節を伸展させます。橈骨神経の支配を受けます。

長母指伸筋
【起始】尺骨後面・前腕骨間膜
【停止】母指末節骨底
【支配神経】橈骨神経
【作用】母指のIP関節の伸展


長母指伸筋は尺骨後面と前腕骨間膜から起こり、母指末節骨底につきます。母指のIP関節を伸展させます。橈骨神経の支配を受けます。

示指伸筋

示指伸筋(extensor indicis)

【起始】尺骨下部後面・前腕骨間膜
【停止】第2指の背側腱膜
【支配神経】橈骨神経
【作用】示指の伸展

示指伸筋は尺骨下部後面と前腕骨間膜から起こり、示指(第2指)の背側腱膜に移行します。示指(第2指)を伸展させます。橈骨神経の支配を受けます。

4 手の筋

■ 母指球筋

短母指外転筋

短母指外転筋(abductor pollicis brevis)

【起始】舟状骨・屈筋支帯
【停止】母指基節骨底
【支配神経】正中神経
【作用】母指の外転


短母指外転筋は母指球の最も橈側に位置しています。舟状骨・屈筋支帯から起こり、母指基節骨底につきます。母指を外転して手掌より遠ざけます。正中神経の支配をうけます。

母指対立筋

母指対立筋(opponens pollicis)

【起始】大菱形骨・屈筋支帯
【停止】第1中手骨体の橈側縁
【支配神経】正中神経
【作用】母指の対立運動


母指対立筋は短母指外転筋の深層にある筋で、母指の対立運動を行います。物を握る、つまむ場合など、手の機能においてきわめて重要な働きを担っています。正中神経の支配をうけます。

短母指屈筋

短母指屈筋(flexor pollicis brevis)

【起始】浅頭:屈筋支帯, 深頭;大・小菱形骨・第2中手骨底
【停止】母指基節骨底
【支配神経】浅頭は正中神経、深頭は尺骨神経
【作用】母指のMP関節の屈曲


短母指屈筋は母指球の尺側半分を占める筋で、浅頭と深頭に分かれます。浅頭は屈筋支帯、深頭は大・小菱形骨・第2中手骨底より起こり、母指基節骨底に停止します。浅頭と深頭の間には長母指屈筋腱が通っています。母指のMP関節を屈曲させます。浅頭は正中神経、深頭は尺骨神経の支配を受けます。

母指内転筋

母指内転筋(adductor pollicis)

【起始】横頭:第3中手骨手掌面, 斜頭:有頭骨
【停止】母指基節骨底
【支配神経】尺骨神経
【作用】母指の内転


母指内転筋は第3中手骨掌側面から起こる横頭と、有頭骨から起始する斜頭からなり、これらの2頭は母指の基節骨につきます。母指を内転して手掌に近づけ作用があります尺骨神経の支配を受けます。

■ 小指球筋

短掌筋

短掌筋(palmaris brevis)

【起始】手掌腱膜の尺側縁
【停止】小指球の皮膚
【支配神経】尺骨神経
【作用】小指球の尺側縁の皮膚の緊張


短掌筋は小指球筋のうち最も表層にあります。手掌腱膜から小指球表面の皮膚につく皮筋です。小指球の皮膚を緊張させ、手掌のくぼみを深くする働きがあります。ボールをつかんだり、手のひらで水を飲んだりするときに良く働きます。尺骨神経により支配されます。

小指外転筋

小指外転筋(abductor digiti minimi)

【起始】豆状骨・屈筋支帯
【停止】小指基節骨底
【支配神経】尺骨神経
【作用】小指の外転


小指外転筋は小指球の最も尺側に位置しています。豆状骨と屈筋支帯から起こり、小指基節骨底につきます。小指を外転させる働きがあります。尺骨神経の支配をうけます。

短小指屈筋

短小指屈筋(flexor degiti minimi brevis)

【起始】有鉤骨・屈筋支帯
【停止】小指基節骨底
【支配神経】尺骨神経
【作用】小指のMP関節の屈曲


短小指屈筋は有鉤骨と屈筋支帯から起こり、小指基節骨底につきます。小指のMP関節を屈曲させる働きがあります。尺骨神経の支配をうけます。

小指対立筋

小指対立筋(opponens digiti minimi)

【起始】有鉤骨・屈筋支帯
【停止】第5中手骨の尺側縁
【支配神経】尺骨神経
【作用】小指が母指と向かい合うのを助ける

小指対立筋は有鉤骨と屈筋支帯から起こり、第5中手骨の尺側縁につきます。小指が母指と向かい合うのを助ける働きがあります。尺骨神経の支配をうけます。

■ 中手筋

虫様筋

虫様筋(lumbricalis)

【起始】4個の円柱状の小筋で、深指屈筋の腱から起こる。第1, 第2は第2, 第3指に至る腱の橈側から、第3, 第4はそれぞれ2頭をもって第3〜第5指に至る腱の相対する側から起こる
【停止】扁平な腱となり、それぞれ第2〜5指基節骨底の橈側から指背腱膜に加わって終わる
【支配神経】第1,2は正中神経, 第3,4は尺骨神経
【作用】第2〜5指のMP関節を屈曲させ、IP関節の伸展を助ける


虫様筋は4個の円柱状の小筋で、深指屈筋の腱から起こります。第1, 第2は第2, 第3指に至る腱の橈側から、第3, 第4はそれぞれ2頭をもって第3〜第5指に至る腱の相対する側から起こり、扁平な腱となりMP関節より遠位でそれぞれ第2〜5指基節骨底の橈側から指背腱膜に加わって終わります。4本の深指屈筋腱には、それぞれ1つずつ虫様筋がつきます。第2〜5指のMP関節を屈曲させ、IP関節の伸展に作用します。第1・2虫様筋は正中神経支配、第3・4虫様筋は尺骨神経支配を受けます。

掌側骨間筋

掌側骨間筋(palmar interossei)

【起始】3個あり、第2中手骨の尺側と第4・5中手骨の橈側
【停止】指背腱膜に加わり、それぞれ第2指の基節骨底尺側と第4・5指の基節骨底橈側に終わる
【支配神経】尺骨神経
【作用】第3指に全ての指を近づける(指の内転)


掌側骨間筋は3個あります。第1掌側骨間筋は第2中手骨の尺側より起こり、第2指の基節骨底尺側に終わります。第2・第3掌側骨間筋はそれぞれ第4・第5中手骨の橈側より起こり、第4・第5指の基節骨底橈側に終わります。第3指に全ての指を近づける動き(指の内転)を行ないます。尺骨神経の支配を受けます。

背側骨間筋

背側骨間筋(dorsal interossei)

【起始】4個あり、2頭をもって第1〜5中手骨の対向面より起こる
【停止】第1・2背側骨間筋はそれぞれ第2・3指基節骨底の橈側に、第3・4背側骨間筋はそれぞれ第3・4指基節骨の尺側に終わる
【支配神経】尺骨神経
【作用】第3指を中心に指を開く(指の外転)


背側骨間筋は4個あります。2頭をもって第1〜5中手骨の対向面より起こり、第1・2背側骨間筋はそれぞれ第2・3指基節骨底の橈側に、第3・4背側骨間筋はそれぞれ第3・4指基節骨の尺側に終わります。第3指を中心に指を開く動き(指の外転)を行ないます。尺骨神経の支配を受けます。

Ankiデッキ 上肢の筋

自動復習機能が便利なAnkiをつかった筋肉学習カードを作成しました。ぜひご利用ください。

https://www.anatomy.tokyo/anki/Upper_limb_muscles.apkg

(↓コピペ用リンク無し)
https://www.anatomy.tokyo/anki/Upper_limb_muscles.apkg

<デッキ構造>
筋肉
 2 上肢の筋
  1 上肢帯の筋
  2 上腕の筋
   ・上腕の屈筋群
   ・上腕の伸筋群
  3 前腕の筋
   ・前腕の屈筋群
    ・前腕浅層の屈筋群
    ・前腕深層の屈筋群
   ・前腕の伸筋群
    ・前腕浅層の伸筋群
    ・前腕深層の伸筋群
  4 手の筋(手内筋)
   ・母指球筋
   ・小指球筋
   ・中手筋

Ankiの使い方について

筋肉カードを例にして、記事にしてあります。
上肢の筋肉カードを無料ダウンロードできますので、ぜひ使ってみてください。

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この大変な時代に医療従事者を目指す方々へ。時代は変化していますが、いつの時代でも大切なことは不変です。それは勉強を続けること。今日という日、今という時間を大切にすること。解剖学は医学の最も基礎となる学問です。

あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師をはじめ、柔道整復師、理学療法士・作業療法士や看護師、医師を目指す方々の解剖学国家試験対策のマガジ…

私の知識やスキルなどが、どこかの誰かのお役に立てることはとても嬉しいことです。ありがとうございます。