見出し画像

【5-2 (1)】泌尿器系 - 尿管・膀胱・尿道 解説

↑ 解剖学マガジン記事一覧(目次)

■ 第5章 消化器系 資料配付ページ(プリント・スライド)
<5-1  腎臓>
【5-1(1)】腎臓 解説
【5-1(2)】腎臓 一問一答
【5-1(3)】腎臓 国試過去問
<5-2 尿管・膀胱・尿道>
【5-2(1)】尿管・膀胱・尿道 解説
【5-2(2)】尿管・膀胱・尿道 一問一答
【5-2(3)】尿管・膀胱・尿道 国試過去問

💡かずひろ先生の解剖生理メルマガ💡
毎日届く国試過去問解説や勉強法、オンライン講座情報などお届け


▶ 泌尿器系の全体像

泌尿器系の全体像

■ 1. 尿管

泌尿器系-52-尿管の構造-SQ-図

尿管は、腎臓から膀胱へ尿を運ぶ30cmほどの管で、粘膜・筋層・外層の3層よりなります。
・粘膜は移行上皮
(腎杯・腎盂・尿管・膀胱は移行上皮
・尿管の筋層は内縦、外輪(消化管と逆)。
1分間に4〜5回の周期的な蠕動運動により尿を膀胱に送ります。

▶ 尿管の生理的狭搾部位

尿管の生理的狭搾部位

・尿管には3カ所の狭搾部位があります。
 - 第1狭窄部位 腎盂尿管移行部
 - 第2狭窄部位 総腸骨動脈交叉部
 - 第3狭窄部位 膀胱壁貫通部 

・尿管結石がつまりやすい場所として大切です。
 (3つなので国試にも出やすいです)
・交叉するものの「前」か「後ろ」かも気にしてください
 大腰筋の前 → 精巣・卵巣動脈の後ろ → 総腸骨動脈の前 を通ります

■ 2. 膀胱

膀胱

膀胱恥骨結合の後方の骨盤腔にあり、男性では直腸の前方女性では子宮、膣の前方に位置します。
膀胱容量は300〜500㎖ほど。膀胱は膀胱尖、膀胱体、膀胱底の3部に分けられます。(あはき解剖教科書では700㎖と記載、生理では300〜500㎖)
・膀胱の粘膜上皮は移行上皮で、伸縮性に富んでいます。
・膀胱尖より正中臍索というヒモが臍に向かっています。これは胎生期の尿膜管が閉鎖したものです。

▶ 膀胱三角

膀胱三角

・膀胱内腔の底部では、左右の尿管の開口部と尿道の出口の3点が膀胱三角をつくります。
・この部位は膀胱壁の他の部分と異なり粘膜にヒダがなく膀胱が充満しても伸展しません。

▶ 膀胱後面(前立腺・精嚢・精管膨大部)(男性)

膀胱後面(前立腺・精嚢・精管膨大部)(男性)

男性膀胱の後面には左右一対の精嚢が存在します。
・鼠径管より腹腔内へと入った精管は膀胱の後面で精管膨大部となります。
・精管と精嚢の導管は前立腺内で合流し射精管となり、尿道前立腺部に左右別々に開口します。

ここから先は

1,131字 / 7画像
この大変な時代に医療従事者を目指す方々へ。時代は変化していますが、いつの時代でも大切なことは不変です。それは勉強を続けること。今日という日、今という時間を大切にすること。解剖学は医学の最も基礎となる学問です。

あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師をはじめ、柔道整復師、理学療法士・作業療法士や看護師、医師を目指す方々の解剖学国家試験対策のマガジ…

私の知識やスキルなどが、どこかの誰かのお役に立てることはとても嬉しいことです。ありがとうございます。