バニラ・レディキラー [前編]
“表現者” で在りたい橋本なずなです。
( ↑ 冒頭の挨拶、模索中です)
早歩きでトイレに駆け込む。
「 耐えろぉ、耐えろよぉ私…!」
——— 私の気持ちをかき乱すのは、2年ぶりに会った男の子。
彼とは友人の紹介で出会い、私が運営しているサービス Bloste(ブロステ)の撮影のお手伝いに来てくれたのが最初だった。
それ以降にも一度顔を合わせていたり、SNSでのコミュニケーションは普段から交わしていたこともあって、近況はなんとなく知っていた。
少し前のお盆休みの時期、
彼がニューヨークへ旅行に行っているストーリーが上がっていて、私は大阪の下町から おぉ✨ と声が出た。
当時18歳、高校を卒業した私はニューヨークの語学学校へ留学して、半年と少しの間向こうで生活をしていた。
コンクリートジャングルなマンハッタンの街並み、メトロポリタン美術館やMoMA、ウォール街の牛の銅像も、馴染みのある景色の数々に懐かしさを感じていた。
【 お土産欲しい人はいいねして! 】次に彼が投稿したストーリーにはそう書かれてあった。
普段は極力人との関わりを持たない私だが、これにはつい指が動いていた。
そして先日、お土産をいただくとともに、色々話したいなと思った私はお茶をしようと誘った。
『 なずなさん…!お久しぶりです! 』
黒縁眼鏡のブリッジ部分がシルバーに光る。
シックな雰囲気でまとめたファッションは、知性的な彼を上手く体現されている。
男性から香るものとは思えない、バニラのような甘い匂いが鼻をくすぐる。
「 わぁ、久しぶり!元気やった? 」
他愛のない会話を交わしてカフェに入ると、アイスコーヒーを二つと、半分こしようとチーズケーキを一つ頼む。
『 早速ですけど これ… 』
どうぞ、と差し出された白い紙袋の中には、KINDのプロテインバーとうさぎの形をしたクッキーが入っていた。
『 なずなさん、ジム通ってるじゃないですか、なのでプロテインバーで 』
『 あと、なずなさんと言えば “うさぎ” って感じだったのでそれを 』
「 えぇぇ、ありがとう!」と素直に喜んだ。
相手を考えて選ばれたお土産に “シゴデキ” なことが伺えて、相変わらず素敵な人だなぁと感心する。
相変わらず、が意味するものは、これまで誰にも言ったことのない私の秘密に由来する。
——— それは遡ること2年ほど前、冒頭で話した Bloste(ブロステ)の撮影が行われた日のことだった。
宣材用のカウンセリング風景の写真を撮ろうと、モデル役で集まってくれた人たちの中に彼が居た。
彼は私の友人の大学の後輩ということで、軽く挨拶をして撮影は始まった。
この時の私は、3つの精神疾患を抱えながら起業していたこともあり、どこに行くにも当時交際していたパートナーの付き添いがあった。
当然この日もパートナーが側に居て、私の仕事を支えてくれていた。
だから それ は、私の心にだけ留めておくことにした。
本当は彼を一目見て かっこいい… と思ってしまったその気持ちを。
——— 『 お、美味しいですね、このチーズケーキ 』
当時の私にそんな気持ちがあったとは彼はきっとつゆ知らず、チーズケーキを食べて、おしゃべりにも花が咲く。
彼は私のnoteをよく読んでくれているようで、何かと話が早かった。
だから今ここに、あの時の気持ちを書くことは、彼や当時のパートナーなど多方面に向けて読まれるとマズい気もするのだが、2年前ということで時効にして欲しい。
それに彼には長く付き合っている彼女さんが居て、私はパートナーが居ると分かると、即座にガチ恋スイッチがオフになるようにできている。
叶わぬ恋に沼らない、それだけで幾分か問題を回避できている気がする。
1時間ほどおしゃべりしたところで、そろそろ出ようかと提案した。
『 この後って予定ありますか? 』
『 もし無ければ、もう一軒カフェでもどうですか? 』
彼の思わぬ提案に一瞬フリーズをしてしまった。
「 あーーー… 予定は無いよ 」
「 カフェというよりは・・・お酒でも飲む? 」
そうしてカフェを後にした私たちは、近くのバルへ訪れた。
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