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この恋は三度目の正直? [後編]
起業家という道を経て、今は二作目の出版を目指している橋本なずなです。
声の印象からして “おじさん感” は否めなかった。
穏やかで、年齢以上の落ち着きを感じて、声も少し低いからかな。
正直LINEのアイコンもパッとしないし、良い人だなとは思いつつも、多くは期待していなかった。
そして、あっという間に初対面の日を迎える —————
( 前編はこちらから )
察しが良い人なら気が付いているかもしれないけれど、長髪の髭面、そして名前は “井口さん” 。
そう、当たり。
King Gnu の井口理に雰囲気が似ていると思ったから、そう呼んでたの。
待ち合わせをしている大阪駅へ向かう道中、私は女友達にLINEをした。
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17時40分を過ぎた頃、井口さんはやってきた。
『 あっ、どうも、お待たせしました…! 』
えっ・・・・・
いや いや いや、どこが井口やねん!!!!!
どっちかっていうと常田やないかい!!!!!
目の前に現れたのは、金髪の髪を少し立たせてフレームはシルバーの丸眼鏡を掛けたいぐch・・・いや、常田。
真っ白いトップスに映える細いシルバーのネックレス、少し厚手にも思えるベージュのブルゾンを羽織ったいgu・・・違う、つ・ね・た!!!
もう!誰だよ井口って言ったやつ!( ←私 )
全っ然、常田じゃん!ていうか井口みも確かにあるし “1人King Gnu” してるじゃん!!
なにこの色男!!こんな人が来るなんて聞いてない!!!
まるで、実物は写真以上にボリューミーなコメダ珈琲のような “逆詐欺感” 。
気が動転していることを悟られないように、私はとにかく話を振った。
一軒目は、私が行きたいと言った、雰囲気が良くて牡蠣が堪能できるコースがあるレストラン。
仕事やキャリアの話、前回の恋愛の話など、お互いの “今” を知るには過不足のないコミュニケーションを取っていた。
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時間が私たちの夜を許して、その後、場所を変えてお酒を飲み直した。
第2ビルにある大衆的な居酒屋。大学生やサラリーマンで賑わいを見せる中、私たちはこじんまりとした端の席で対話を続けた。
話の流れから、私は母の死と兄への復讐について口を開いた。
「 母が亡くなった時、兄が言ったんですよ。“なんや言うても家族なんやし” って 」
「 お前が言うなって。母のお葬式にも来ないような奴が、家族だなんて言うなって 」
「 私、それで ——— 」
今思い出しても鮮明に怒りが蘇る。
あの日の兄の言葉に、私はスーッと一本、涙を流さずにはいられなかった。
『 ——— あ… どうぞ、使って 』
井口さんはカバンの中からハンカチを取り出し、私に手渡した。
「 あぁ…ごめんなさい 」
「 ごめんなさい、ほんと。ハンカチ洗って返します 」
初対面にして家庭環境や性的虐待の経験について、そして今年は私にとってかなりつらい年であることを告白した。
終電より少し余裕がある頃に、私たちは駅へ向かった。
「 じゃあ、また! 」
『 はいっ、また! 』
『 切らないでくださいよ、僕のこと!! 』
「 ははっ、切らないですよ。また近いうちにご飯行きましょう 」
『 はい!ぜひ! 』
道順的に井口さんを先に見送った。
エスカレーターでホームへ登って行く背中を微笑みながら見つめる。
「 あっ 」
井口さんはエスカレーターに乗るとすぐに一度振り返って大きく手を振り、
「 あぁっ(笑) 」
すぐにまた振り返って手を振り、
「 ははっ、ばいばい 」
姿が見えなくなる頃にもう一度振り返って小さく手を振った。
「 もう、なにあれ… 」
10歳も年上なのに最後に向けられた視線はさながら無邪気な少年のようで、私はまんまと白旗を上げた。
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井口さんの見た目はかなり男性的でセクシーだけれど、キュートな面もあり ”沼” 確定。
外見的魅力に圧倒されているのは分かっていた。
その日は私の話をすることのほうが多くて、井口さんの人となりや過去には深く触れられなかったし。
だから次に会う時は、井口さんの話をもっと聞きたい。
中身をよく知らないのに、勢いや衝動で関係を進めたりしない。
今年はもう既に二度、私は恋を終わらせているのだから。
その深夜 ——— 数時間前に会っていたというのに、私たちは2時間の電話をしてから眠った。
その頃には敬語も敬称も取っ払って。
けれども冷静さは失わないで。
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