ありがとうの形容詞
起業家という道を経て、今は作家を夢見て執筆活動に明け暮れる橋本なずなです。
——— 壁に掛けられたピンクゴールドの時計の針は25時を過ぎた頃だった。
「 あっつい… 」
私は身体にこもった熱とともに目を覚ました。
昨夕 カフェで『 子供時代が無い私は、歪で奇妙な未完成品 』を書いてから帰宅した私は、夕飯を食べて、Netflixでアニメを観ているうちに眠ってしまったようだ。
円形のカーペットの上に転がるYogiboは、私が横たわっていたところだけがぽっかりと凹んでいる。
私はスマホを開くと、意味のないSNSチェックをはじめる。
たった数時間しか経っていないのに、続々と更新されているポストや投稿に 置いてけぼり を感じるのはネット社会の闇の深さを象徴している。
Instagramを開くとDMに通知ドットが付いていた。
〈 2件の新着メッセージ 〉—— 送り主はリサさんだ。
彼女は一つ年上の高校の先輩で地元も同じ。
一つ年上で同郷ということは、私の兄を知っているということでもある。
( なっ、なが…! )
DMを開くと長文のメッセージが送られていて、全文を読むには大幅なスクロールが3回ほど必要な長さだった。
何だ何だ、と思いつつスマホを持ったままトイレに向かう。
私は便座に腰かけて、太ももに頬杖をつきながらDMを読み進めた。
一畳のトイレの床にポツポツと音を立てて落ちたのは、私の涙だった。
その小さな世界では鼻をすする音さえも大きく響いていた。
彼女に、心に触れられた気がした。
彼女の言葉に、抱き締められた気がした。
彼女には私が書く文字の羅列だけでなく、文字が作る陰とその深淵が見えているのだと思った。
救われた、「お疲れ様」と言ってもらえて。
ドキッとした、「未発表の文章に 本心 や らしさ があるような気がする」と言われて。
嬉しかった、「ペンネームで書いて本屋で偶然読んでも、なずなちゃんやと分かる自信がある」なんて。
文章を書く人間にとって、これほどに嬉しい言葉が他にあるだろうか。
実は昨日のnoteには、下書きには書いたけれど投稿時に消した文章がある。
私の中だけで消えたはずの叫びが、彼女には届いていたのだろうか。
その後、私は彼女からのDMを何度も何度も読み返した。
飼っている二羽のうさぎ達を撫でながら、お風呂が溜まるのを待ちながら、そして眠る前にももう一度。
何と返事をしようかと迷ったけれど、この喜びと感謝を「 ありがとう 」という言葉で形容するには事足りないと感じた。
だったら私にできることは、やっぱり文章を書くことだ。
noteに書こう。簡単なメッセージにまとめるよりも、noteを一つ書くほうが “私らしい” 気がする。
——— 深い青に染まった夜が明け、カーテンの隙間からは陽が差した。
私は簡単に身支度をしてカフェに出掛ける。
馴染みの店の窓辺のカウンター席で、私はこれを書いている。
リサさん、ありがとう。
私はきっと彼女にもらった言葉をずっと忘れないだろうし、
これからも私は、私の書きたい文章を書いて行けば良いんだって一つの道標を立ててもらったように思う。
自己表現の為の、意思表示の為の、自分らしさを認める為の私の文章。
今日もまた「書く」という花に水をやる。
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