ミライノオトモニターNo.1「ミラクルは、不意に」
扉を開けると、新鮮な緑の香りが、ツンと鼻の奥をくすぐる。
この家に来て、数日が経つけれど、なぜだかもうずっと以前から住んでいるような気がしている。
例えば旅行に行ったりして、自宅とは違う天井を見て目覚めると、「あ、ここは家じゃないんだ」ってふと我に返ったりするけれど
この家に来て数日なのに、それが起こらない。
それどころかもう、見慣れた天井のように感じている。
隣に寝ているヨシちゃんの寝顔からは、安心した空気を感じる。
病院にいた時とはやはり、別人のようにも見えるその顔を眺め、体の方に目をやる。
以前のようなたくましさではないけれど、彼の体からは「生きるんだ」という力強い音が聞こえるようだし、何より、なんて言うんだろう。
今までにない、良い香りがするのだ。
複雑な香りで、なんと表現していいのか分からないのだけど・・・
ただ、その香りから感じることは、彼の決心。
どんな風であっても、自分を生きていく、という決心を感じる。
それは今までもそうだったけど、さらにさらに強く。
寝室を出て、リビングに入る。
昨日、庭で摘んできた花が、ほんのちょっと元気がなさそうだ。
花瓶の水を取り替えて、陽のあたる窓辺へと持って行った時に、輝かんばかりの笑顔が目に飛び込んだ。
「雅子、おはよう。今日もいい天気よ」
そう話しかけてくれた彼女は、この家に引っ越すことをサポートしてくれた人だ。
体の自由が以前より効かなくなってしまった夫のことを、私は方々で話をした。
それだけではない。
私たち夫婦が辿って来た道のりを、話してみる機会があったのだ。
最初は、たった一人。
そう、この笑顔の彼女だけだった。
ふとしたことで繋がった彼女とは、初めはあまり交流がなかった。
むしろ、「ちょっと苦手かも・・・」と思っていたのだ。
しかしその後、なぜか意気投合して、お互いのことを話す関係になった。
好奇心旺盛な彼女は、日本人である私が結婚してこの地にたどり着くまでのストーリーを、時には笑いながら時には涙しながら、興味深く聞いてくれた。
「雅子は、自分の人生の波に抗わずに乗って来たのね」
そうだろうか・・・とも思うことはあるけれど
普通の人が行き着かない場所にいる自分のことを振り返ると、そうかもしれない、とも思う。
この話にいたく感動してくれた彼女は、いろんなところに私を連れ回した。社交的で顔の広い彼女は、たくさんの場所に知り合いがいた。
ご近所主婦仲間から、仕事先や取引先の人たち、その奥様方・・・
名前を聞いたらびっくりするような会社のトップとの繋がりがあり、そんな人たちが集まるパーティに連れて行ってもらった時は、本当にいいのだろうか?なんて思ってしまったけれど。
どの場所でも彼女の笑顔は変わらず、周りにはいつも人が楽しそうに彼女を囲んでいて、そして必ず
「雅子!こっちに来て、あなたのミラクルストーリーを話してちょうだい」と、呼んでくれるのだ。
そして彼女は、何度も何度も聞いているはずの話を、たった今初めて聞いたかのように聞いてくれる。
今、私のクライアントは、彼女がこうして繋いでくれたおかげなのだ。今では、口コミでセッションをお申込みしてくださる方が、増え続けている。
「雅子、今日の予定は?」
「今日はね、ヨシちゃんを病院に送って行く日なの。
もう随分リハビリも進んできて、先生方もびっくりしてる。
こんなに早く回復するのは、見たことがないって」
「またあなたのミラクルが更新されたのね。
どんな魔法を使ったの?」
「どんな魔法・・・何かしら、わからないの。
気がついたら、こうなっているから」
「天性の魔法使いね。
いるだけで変化を起こしてしまう。
さすがよ、雅子。
またみんなに話すネタが増えるわね。
いや、増え続けていくしかないのかしら」
ぺろっと舌を出して肩をすくめる彼女のこの癖が出た時。
これはひとつのサインなんだと感じている。
いたずらっ子のように
目の前のことを全て楽しむように
嫌いなことは嫌いと言い
好きなことにはとことんのめり込む
誰の懐にも入るけど
誰のそばにもずっとはいない
ただ、今を生きていることを
し続けているだけ
そんな彼女のこの癖が出た時は
わたしもそのように生きてはどうですか?と
おススメされているような気になる。
「あら。お目覚めよ、あなたの大事なひと」
振り返ると、ヨシちゃんが立っていた。
杖をついて、娘に支えられて。
昨日までは叶わなかったことが、今目の前に起こっている。
いつだって、それはいきなりやってきていたんだわ。
ほんの少しの予兆とともに、未来の音を、香りを嗅いだあとに。
びっくりするようなミラクルストーリーを語るために。
遠くからは、キャッキャと遊ぶ子どもたちの声が。
目の前には2羽の蝶が、曲線を描きながら、近づいたり離れたりしながら、聞こえるはずのない羽の音を、きらきらと振り撒きながら、わたしたちが目指す空の下へと姿を消していく。
「ねえ、今日は何をして遊ぶ?」
どこからか聞こえた声は、茶目っ気たっぷりの薄いピンクの色と豊かな芳香を振り撒いた。
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「ミライノオト・モニターシリーズ」
MIERUKAアーティストAKARIが綴る、
お申込みくださった方の「勝手な未来の妄想ストーリー」
今回は、海外在住の方からのミライノオトをお届けしました。
ご希望のジャンルは、ご家族の体調の回復と、やりたいことができる豊かなお金のストーリーでした。
<追記>
本募集が始まりました!
小さな本のタイプと、動画タイプをお送りしています。
現在こちらで受け付けています。
https://resast.jp/inquiry/ZjI3OTgyNzQwM
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以下は、お申込みくださった方のご感想です。
・今回お申込みいただいたきっかけ、何にピンと来たかなどお知らせください。
AKARI ちゃんのエイプリル・フールのストーリーの臨場感溢れる展開、まさにその場に居合わせたような、ワクワク感を一緒に感じたので、是非お願いしたいと思いました。
※エイプリルフールのストーリーはこちらから
https://ameblo.jp/encle/entry-12665879394.html
・届いた妄想ストーリーのご感想をお願いいたします
私のこうありたい❣️ こんな風になったら嬉しい❣️が、 何倍にもバージョンアップされた上に、 既にそこにいて、そこに漂うお花の香りや、吐息までも感じるような、臨場感。。。
頑張ってたどり着くのではなく、 いつの間にか理想の世界の住人に移行したような、自然な変化を楽しんでいるような感じがします。
読み返す度に、笑顔になり、幸せな映像が浮かびます。
AKARI ちゃんの素敵な魔法にかかって、 少しずつ現実化する❣️と、自分を信頼します。
AKARI ちゃん、素晴らしいストーリーをありがとうございます。 折に触れ、読み返していきます。
感謝を込めて
・届いたアートのご感想をお願いいたします
とても心地よく、癒されながら、更に楽しく幸せな世界へ導かれるように感じます。 ありがとうございました。
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モニターのご参加ありがとうございました。
未来への一つのヒントとなりましたら幸いです!
MIERUKAアーティストAKARI