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『リチャード・ジュエル』イーストウッド監督の新作は、まだまだイケてる

1996年7月27日に発生したアトランタ五輪での爆発事件については記憶の端に残っているが、今までこのひどいマスコミの報道被害について取り上げられる頻度はそれほど高くなかっただろう。

真犯人が2003年に逮捕されて終身刑になったとか、FBIからリークされた情報を基にスクープした報道各社を名誉毀損の提訴から和解に至っている事情なども絡んでいるのだろうか。

ここんところのイーストウッド作品は実録物が続いているが、やっと本領発揮といったところか。

キャストもみんな素晴らしい。

キャシー・ベイツとサム・ロックウェルが特にいい。

皆がイーストウッドの映画にきっちり向き合っているように自然に見えるし、ドキュメンタリーよりもピントが合っていてブレてない

スクープを物にしたアトランタ・ジャーナルの女性記者役オリヴィア・ワイルドの終盤の演技には故人に対する心使いがあったのかもしれない。

日本のケースでは、やはり「松本サリン事件」を想起させられる。

エンドロールまで、いい音楽で締めてくれるのがイーストウッドの映画なので、最後まで余韻とともにじっくりと味わい尽くそう。

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