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『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』日テレの「ザ・世界仰天ニュース」でやってたアノ話か、と思い出したが、ちょっと奇妙な青春映画って感じで後味さわやか
作家ローラ・アルバートの創作した、自身を「J・T・リロイ」という少年作家という設定にして出版したら、マドンナやウィノナ・ライダー、トム・ウェイツら有名セレブたちが大絶賛して大売れ。
そこで、実際にJ・T・リロイをメディア登場させる必要が出てきて、その役を自身の義理の妹サヴァンナ・クヌープに担わせて、映画まで製作したって内容を、サヴァンナの原作本を元に映画化したもの。
この時期に公開となったのは、やっぱりアカデミー助演女優賞のローラ・ダーンがローラ・アルバート役を演じているからか等とは考えるのは、ごく自然なこと。
確かにローラ・アルバートにしか見えてこないほどだったし、感服ものでもあったが、原作者の視点と感情がメインの作品なのでサヴァンナ役クリステン・スチュアートのピュアな感じの演技が全てを支えている映画だ。
この事件、TV番組で再現映像を観た記憶があるのだが、まさかこんな風に映画化されるとは思わなかった。
アメリカ・イギリス・カナダ合作で制作者が山ほどいて、予算がほぼ役者代ではないかと思われるほどの低予算。
英語圏では、それほどまでにJ・T・リロイが強い影響を与えているんだろうね。
なんだかなーっていう題材のようだが、端々に生き抜きにくい社会に対するメッセージも含まれているように思われる。
ローラ・アルバートの夫、ジェレミーが映画化を進めていた相手がワインスタイン・カンパニーだったが、セクハラ問題から頓挫したのだろうか。
ジャスティン・ケリーという監督の着実な演出が、後味爽やか感を見事に描いていた。
これは、実録物というよりも青春映画のひとつとして観た方がいいかも。
エンド・タイトル・ロールに流れるのはJ・T・リロイの友人(と公式ページにある)であり、出演者であり、ロック・ミュージシャンでもあるコートニー・ラブのグランジだったりするのは、ちょっとニヤリとしてしまったわ。