見出し画像

アラバマ物語を観て考えた。

以前あなぽこ社の写真絵本の人、小寺くんからそのオープニングの素晴らしさを聞き、お薦めされていた映画「アラバマ物語」を観ました。料理探検家の人浦木明子さんも、もう既に観ていたので映画を観て考えたことを書いてみようと思います。

映画のあらすじをWikipediaから引っ張ってくると、「1962年製作のアメリカ映画。人種差別が根強く残る1930年代のアメリカ南部で、白人女性への性的暴行容疑で逮捕された黒人青年の事件を担当する弁護士アティカス フィンチの物語。当時の出来事を後に成長した娘のスカウトが回想するという形式をとっている。」
付け足しておきますと、この映画には原作の小説がありまして原題を「To kill a mockingbird 」といいます。
訳すと、「ものまね鳥(マネツグミ)を殺す事」と言ったような意味です。何か訳すと凄いタイトルですが、これは物語の中心線だと思います。「美しく鳴くものまね鳥(マネツグミ)は殺してはいけない」というようなセリフが出てきます。あと、弁護士アティカス フィンチの物語とありますが、どちらかというとその息子ジェム、娘スカウトの三人家族の話だと思います。それと隣に住む謎の人物ブーが大切な役割として出てきます。

オープニングの素晴らしさは小寺くんに譲るとして 笑、ほぼ全編セットだと思うのですが、家の庭とか、隣の家の寂れた感じ、裁判所、黒人で容疑者トムの家の感じ、その凝り方も見せ方も凄いと思います。

また、貧しい農夫一家の様子、裁判所では二階席が黒人、一階が白人と分けられている、もちろん陪審員は全員白人、とかフィンチ家のお手伝いさんは黒人の女性で息子、娘は白人であろうが躾けはしっかりされるとか、裁判所で白人である子供たちはあっさり二階席に座れるとか、事件があった時にお手伝いさんはそのまま家にいるようあっさり言われちゃうとか1930年代当時の時代背景が分かります。映画製作が1962年で、ちょうど黒人の選挙権を巡る公民権運動の時代です。

優れた作品は映画に限らずどれもそうなのだとは思いますが、この映画もそうで、色々な事を考えさせられます。アメリカで大きな問題となって今現在も続く人種差別の問題。裁判という制度の問題。「罪」とは、とかマネツグミは殺しちゃダメだけど、カケスはいいのか、それって優生思想にならないか?とか簡単には答えのでない「問い」を残してくれます。そのモヤモヤを抱きながら、「こうなのかな?いや、こうなのか?」と考えていく事が大切なんだと思います。

さて、お二人はどう考えたのか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?