経済的デモクラシー
「社会信用論は、銀行経済を廃止して政府が通貨を発行することとベーシックインカムの実施を主張しますが、ダグラスはこれを「経済的デモクラシー」と呼んでいるわけです。この政策によって資本が広く社会全般に分散し、国民全てが経済力を持つことになる。そうなると、商品を買うといった庶民の経済活動自体が選挙で投票するのと同じような意義を持つようになる。経済活動生活そのものがデモクラシーの表現になる。一方に経済があって、他方に議会制民主主義国家があるのではなくて、経済そのものがデモクラシーの構造を持つとダグラスは主張しています」
「専制政治は権力の集中、デモクラシーは権力の分散を意味しています。社会信用論はこの権力の分散を富の分散で裏付けるものです」
経済の構造と政治の関係が、ダグラス、関さんの論を辿ることで明確になっていきますね。僕たちがめざす政治経済構造、そしてそれは文化社会構造とも一体で、それが貨幣制度変革とそれと一体のベーシックインカムによって実現できる。
関曠野『なぜヨーロッパで資本主義が生まれたのか』