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全てを含み溶かして調和する力

82日目(6月24日)

熊野から戻ってきての朝。
熊野の体験からなのか、大神神社を登拝したからか、身体にいつもと違う強いエネルギーが満ちている感覚で目が覚めた。

"blend" という言葉が浮かんだ。
混ぜ合わせる、混ざり合う、溶け合って調和する、溶け合って一体になる、融合する、面と面の境界線で滑らかに繋がるようにすること。
ドレッシングを混ぜるときの感じがイメージされた。激しく振ると、分離している酢と油が混ざり合い、ドロっと乳化した感じになる。

熊野の地にも多くの戦いの歴史があって、それらの魂と魂を鎮魂して、分断を長い長い年月をかけて、一つに還す。魔と化した魂も苔むして今は木漏れ日の中で穏やかにゆらめいている。

熊野の自然には、きっとそういう力があるのだろう。
異質なものを飲み込んで混在させ溶け合わせて調和させる。
大馬神社の滝、水の激しいエネルギーが教えてくれた。
ドロドロと渦巻く念も数千年の時を経ると今や渾然一体、光となる。

熊野から近隣へ抜ける高速道路もなく鉄道もほとんどなく、今でも守られているような場所。聖地というには、人間くささもあり、少しちがう感覚。

それが、私の初めて熊野の地を体験した印象。
熊野はどの範囲をいうのか、私には明確では無いが、今回の旅は、三重県熊野市駅から西の山側に入った辺りで過ごした。

今回は水をテーマに、水、感情、多様性を入り口にして熊野を体験したので、次は火かな。



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