52日目(5月25日)
今日で東京も緊急事態宣言が解除になった。
よかったという気持ちよりも、少し残念な感じ。
こういうことを言いにくい雰囲気があるが、楽しかった夏休みが終わってしまうような、そんな感覚に近い。
正直、以前と同じようには戻らなければいいのに、と思う部分もある。
毎日、同じ場所(会社)に通うために、息を潜めなければならないほどすし詰めな電車に乗ったり、朝早くから出て行って、帰りは24時くらいまで働いていたり、食事は家族バラバラになっていたり、夜遅くまで飲み歩いていたり。
外出自粛の期間、本当に久しぶりに家族全員で食卓を囲んだり、ゆっくりと母と散歩をして会話をしたり、普段は足早に通り過ぎて気づくことのなかった近隣を歩いて回って、地元の良さを再発見したり。夜の時間は本を読んだり、文章を書いたり、身体のケアをしたり。身体面では7kgの減量に成功して、大好きな人たちとオンラインで語り合ったりもした。
イラストを描き始めたり、朗読を始めたり、家でカラオケをしたり。自家製塩麹を作ったり、ライム塩を仕込んだり、バラの鉢植えを育て始めたり。
これまで、やりたいと思っていて、なかなかできなかったことが一気に実現しつづけている。
これからも、この状態を続けていくことができないわけではない。
なのに、何か不安を感じる。
それは、また経済活動が始まっていくと、より成長や拡大、効率性を求めて、何かをやらなければならないという、目に見えない圧力に晒されて、このこと自体に喜びを感じれなくなってしまうのではないかと感じているからだ。
社会的に認められる何かをやらなくては価値がないと自分を駆り立てるような感覚に戻ってしまうのではないか、と恐れているのだ。
もともとの世界には刺激がある、アドレナリンが出続けるような、眠らせないような。その刺激は中毒性があって、気づかぬうちにはまっていってしまう。
薄々わかっている。
その世界が戻ったとしても、少し違う世界になったとしても、
それに影響を受けない自分でいることが大事なんだと。
影響を受けるのではなく、乗りこなす、活用する、遊ぶ、そういう対象にすることなんだと、。
この2ヶ月はそのための準備をしてきたのかも、と捉えることもできる。
どんなときも、自分が最も大事だと思えることにエネルギーを注げる状態になっていこうと思う。