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母性神話と3歳児神話と母乳神話と…ことごとく神話に逆らった育児をしている

母性神話
良妻賢母の政策を推し進めるために、明治時代の政府によって流布された考え方らしい。男は仕事、女は家事育児といった役割分担の家族戦略。
女性には元から母性本能が備わっており、育児は母親が担当するのは自然で当然。

いやいやいや ちがうちがうちがう
子どもへの愛情は、子育てをする中で育つもの
学生時代に発達心理学で学んだにもかかわらず、産後の私は赤ちゃんを見ながら、少なくとも1か月は「まぁ小さいので理性では守るべき対象として捉えるが、自分の命と引き換えに守れるかと問われると、何とも言えない。自分の命を優先したとしても世間の目が怖いから、命を捧げるかもしれないが。」なんて、ありもしない状況を考えては、母性皆無で母親失格だなぁと自己嫌悪に浸っていた。昭和終盤生まれの私は、見事にマインドコントロールを受けていたのだ!
子どもへの愛情は子育てをする中で育つもの…私は生後2~3か月頃に母乳をきっぱり辞めてミルク育児に切り替えたタイミングでこのフレーズを思い出した。ミルクにしたことで私の精神的負担が軽減したのか、自分の子がだんだん可愛く思えてきた。
そこで私は、可愛く思えてきた事象をこう考察した。
こんだけ長時間衣食住を共にしているからこそ、可愛く思えてくるのではないか。可愛く思えないと生きることが苦痛になってくるから、生存本能的に脳が許容しようとしているのではないか。ということは、自分が産んだ子ではなくても、共同生活を通して殆どの子を愛でるようになるのではないか。なるほど、里親が成立するわけだ。
赤ちゃんといると、にこ~と笑うような表情を見せることがある。生理的微笑と言われ、子どもが養育者の愛情をゲットするための戦略なのだ。心で嬉しいとか楽しいと感じているわけではないのだ。それを知っていたうえであっても、子どもが生理的微笑として笑顔を見せてくれると親の私は嬉しいし可愛いと思えるようになっていくのだ。そうして、親の私も笑った赤ちゃんに笑顔返ししたり高い声で「ニコニコいいね~」と声をかける。次第に赤ちゃんはヒトの顔を見ると笑顔を見せるようになり、社会的微笑スキルをゲットするのだ。そうして、愛着関係を築いていく。父親も同様だ。

3歳児神話
・3歳までは母の手で育てるのが子どもにとって1番良いという雰囲気
・イギリスの精神医学者ボウルビィ曰く、
乳幼児と母親との人間関係が、親密かつ継続的で、両者が満足と幸福感に満たされるような状態が構築できると、母親に対する愛着が築かれる。その愛着(母親)は子どもにとっての安全基地となり、様々な困難や課題に対処でき、情緒的にも安定した人へと成長する。つまり、母子の絆はその後の性格や人格の原型となるという考え。
施設で育っている児は、このような望ましい母子関係の欠如により、心身の発達障害を引き起こしていると考えた。

産後1年、職場復帰するために、我が子を保育園に預ける時がやってきた。
はい、私の頭にも3歳児神話がよぎります。
周囲に「保育園かわいそう」「子どもより仕事をとるの?」なんて言うような親戚も友達もいませんでしたが、そんな世論が聞こえる気がするのだ。

いやいやいや ちがうちがうちがう
幼少期から保育園で育つ子どもは、母親への愛着だけでなく、それと平行してほぼ同時に保育士にも安定した愛着を示す。
(また、複数の愛着を持つ子の方が母親単一の場合よりも後の発達にプラスに作用することが研究で明らかにされた。) 研究結果を受けて、日本政府1998年の厚生白書で、3歳児神話に合理的な根拠は認められないと発表した。
私は仕事が好きなんだし、保育園に子どもを預けても良いんだってばと思いなおした。それに、家事は元々好きではないし、育児でベッタリもしんどいと感じるのだから、私の場合は仕事復帰で間違いないはず。しかも、産前産後・育児休暇をいただいたのに、辞めますなんて言えるはずがない。
1歳の子を園に預けることに対して、私は何が引っかかるのか…
●子どもはことばを十分にしゃべれる年齢ではない
=園での出来事は保育園側からの情報提供を信じるしかない
●親の自分が8時間フルタイムで働く場合、子どもはそれ以上の時間を園で過ごすことになる。集団生活を経験することは、核家族である我が子には良い経験であるはずだが、長時間保育の負担はどのくらいなのか?

長時間保育がもたらす子どもへの精神的・体力的負担の程度は調べても、コレといった情報は見つからなかった。自分に都合が良い調べ方しかしていないので、当然かもしれない。また、ストレス耐性やキャパ量は個々によって異なるため、我が子を見計らうしかないのだ。
だが、少し興味深い内容を見つけた。
何の文献だか本だか忘れた。日本での実験ではなかったと思う。
毎日通っている保育園であったとしても、乳児は強いストレスを感じているらしい。朝7時から夕方6時まで預けられている乳児に、登園後の1時間、10分おきにおしゃぶりを口に入れて、おしゃぶりについた唾液中の副腎ホルモン量を調べた。不安や恐怖を感じた際に、体内から副腎ホルモンが供給されることで和らげる。慣れているはずの保育園であっても、登園1時間は不安を強く感じていることが分かったのだ。
だから、保育園には慣らし保育というシステムがあるのだろう。
子どもの不安感を少しでも和らげるために、親も一緒に保育室に入り過ごす時期を設ける。それから、保育室で過ごす時間を減らしたり、迎えの時間を遅くしたりする。本来であれば、個々の子どもの不安の強さによって柔軟に対応できるとベストだが、当時一般会社員の私には”復帰日”という決まりがあった。子どもが不安そうだろうがなんだろうが、慣らし保育期間は終了させなければならない。それにどんなに慣れた保育園であっても、ヒトは不安を感じるんだから、仕方がないと割り切るしかない。
今後の人生だって、ストレスゼロで生きていけるわけがない。何らかのストレスとうまく付き合いながら生きていくのだから、登園時の不安や恐怖はあるものだとして受け入れよう。
私たち夫婦が保育園に通う子どもに対してできることは、
・朝は出来るだけ穏やかに過ごして家を出発する
・出発前は笑顔でハグや抱っこなどスキンシップをとる
・付き添いが母親の私だと、保育室前で分離不安が強まるので、父親に送ってもらう
・みな家を出るタイミングを同じにして、途中まで一緒の方向で車を走らせる。特に意味はないが、”家は空っぽで誰もいないから自分は保育園で過ごすんだ”と自分の居場所理解につながるかと。
・迎えの際には、出来るだけ子どもの要求に応じる。少しの寄り道は許容する覚悟を持つ。
・体力も気力も時間もお金も余裕はないものの、夕食キットで済ませる日も持つ。
・できるだけ、同じパターンで日々過ごす。(生活リズムを整える)
時間は少々ずれて良い。大事なのは、生活の流れ順番だ。うちの場合は、帰宅後に手洗いうがい→夕食&テレビ→入浴→絵本や遊び→就寝がセオリーだ。家庭生活の流れがバラバラより一定の方が、見通しを持ちやすく安心感につながる。

母乳神話
これは神話とは言い切れないところもあるが…
私はこの神話に対しても歯向かった。
私の場合は、今の時代の育児で良かったんだろうなと思う。



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