【社説】経済成長のためには移民受け入れが不可欠だ
”日本経済の「失われた30年」が40年になろうとしているいま、経済成長の本質について考えるべきだ。”
元日銀政策委員を務めていた竜巻健士氏はこう語る。
大まかに言って経済成長は質✖︎量の二局面で見ることができる。質とは生産性の向上であり、量とは生産年齢人口である。
移民アレルギーが激しい我が国では労働の生産性向上ばかりが叫ばれ、量的側面については老人や女性を労働に参入させることが主軸になってきた。しかし、生産年齢人口が減っていく中でいくら生産性を増やせど、経済成長にはつながらないことは明白なのだ。
加えて、女性はともかく老人は身体機能や認知能力の衰えなどで、労働力として不十分である。
そこで考えるべきは移民である。東南アジアの若くて元気な労働者を日本に招き入れ、建設業や製造業といった現場仕事に従事してもらい、かつてのものづくり大国ニッポンを取り戻すべきだ。
ついでに言うと、それら移民は消費者として日本経済に寄与してくれるだろう。
過去最悪の円安(実質為替レートが1970年と同じ水準)になったいま、日本で働きたいと思う移民は少なくなってきている。無責任な政治家の小手先の金融緩和・財政出動でさらに円安・国の借金の増大が進めば先人の築いた日本経済の余力を食い潰してしまうだろう。
その前に、労働力を確保し、かつてのような実質的経済成長を成し遂げるべきだ。
移民の受け入れ、日本が復活する道はこのような痛みを伴う改革しかないのである。
記事 執筆者 竜巻健士氏
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