【8】INFERNO (インフェルノ)
赤い悪魔を引き取らないように、カードを出していくカードゲーム。
ハンドマネジメント。
小箱ボードゲーム界に衝撃を与える面白さ!!
クニツィア先生のハンドマネジメントゲームの最高峰。
かなり大事なことなので初めに言うが、このゲームは複数ラウンドで行うことが望ましい。つまりは、全5ラウンドを行なって失点数を合計し、その合計値で戦うということ。これはマスト。複数ラウンド行ってその合計した失点数で競って遊びましょう。ほんとに大事なことなので2回言いました。
UNOに近いというレビューが多いが、遊びごたえとしては全くUNOではない。同じクニツィア先生のエスカレーションがゲーム感としては近い。
UNOの進化系というレビューは絶妙に的外れな気がする。まず、運ゲーではないからだ。
だからUNOの進化系というレビューはやめにしよう。
手番では、カードを手札から一枚出すだけ。出す時には一番最初に誰かが場に出したカードの「数字」か「色」と同じである必要がある。カードが出せなくなった時、そこまで全プレイヤーが出してきたカードを全て受け取る。
基本的には受け取ったカードは1枚につき−1点。赤い悪魔が描かれたカードだけは、そこに書かれた数字がそのまま減点になる(赤の4は−4点になる)。つまりは赤い悪魔が溜まったときは引き取らないようにしたい。
このゲームの最大のポイントは「引き取る」というアクションにある。パスがない代わりにこのゲームでは失点をあえて引き取るということができる。
ここにどれだけのジレンマが詰まっていることか。クニツィアジレンマを最も味わえるボードゲームではないだろうか。
この「引き取る」アクションにより、戦術が生まれてくる。相手が出した有利な場のカードをリセットさせ、新たなカードを最初の1枚として出すことができるのだ。勝負に出るのか、降りるのか、これだけシンプルな選択肢でここまで悩ましいゲームは他にない。
また、エスカレーションと違って、カードの強い/弱いがハッキリしていない点も良い。どのカードも平等の強さであり、どちらかというとカードの組み合わせが重要となる。
いわゆる引き運に左右されるエスカレーションと異なり、カードを出すタイミングや引き取るタイミングといったハンドリングが重要な役割を持つ。
手札の補充もないので、見通しも良い。素晴らしい。
また、3〜7人という遊べる人数幅の広さも評価したい。6人の壁を越える作品はグッと少なくなるので貴重度が高い。3人でも十分盛り上がったので、最大人数でも遊んでみたい。
アートワークが際どいのでそこの賛否が分かれるようだが、ゲーム性としての完成度が美しくて個人的にはあまり気にならなかった。
ただ、子どもも一緒に遊ぶことを考えるともう少し親しみやすいアートワークにできなかったのかなとは思う。だからといって評価がガクッと落ちることはない。
盛り上がるところもしっかりあって楽しい。
クニツィア先生、さすが。
評価は【8】点。
(運3:7戦術)