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「特注の部屋87」 DELTA 3way (七色仮面)ディスクリートラインアンプ+VPEQパッシブ イコライザ


この3wayラインアンプはサウンドの異なるステレオ3系統のアンプを7タイプの構成で聴くことができる…+バイパス時の音

組合せた時のサウンドはEQ等では作れないし、其々に特色がある。これにVPEQパッシブイコライザ(デュアルモノ)を搭載している。
1960-Limゲインブロック(オリジナル ディスクリート オペアンプ)搭載

信号系は全て'60 WE、電源系は非メッキ撚り線

PSU 別筐体(同サイズの2U)トランス及び電源基板とも6個の各アンプ独立電源
このラインアンプだけ製作してるのなら6ヶ月程で上がるが、他の幾つかの製作もあるため1年越しで完成した。

◆当工房のラインアンプは 音に 透明感、躍動感、奥行き感、アナログ感、厚み等を付加し   上位機種では更に多様なサウンドを得ることが出来ます。オーディオ再生や音源制作に 重宝します

◆以下、着当日にお聴きになったレビュー◆

「全体の印象を言いますと、すっきりとしているのに音に濃さがあり全く力みがありません。そして特にはエッジを感じさせ無いのにだるさも感じません。

低音も他のラインアンプがズン、といったところ、ズウウンといった感じで強調感は無いのですが重くも無く軽くもないといった感じです。

音の空間も凄く広いのですが、密度感が有り、余りそうは感じさせ無いんですね

全てに余裕があり自然といいますか、次元の違いを感じました。

次に3つのラインアンプの音ですが、1番アンプは明るく切れが有り艶は控えめ、芯が太い感じです。

2番は明るく艶やかで音に伸びがあり、生き生きしていてノリが良いです。

躍動感があります。

3番はこれが難しく、1960-Hタイプに似ている感じがするのですが、そこまで重さを感じません。
艶っぽさもあるのですが、少しほの暗さを感じぐっと落ち着きます。大人の渋さを感じます。

次に連結です。

3連ですが、まず濃さがあり、押し出しがあります。艶も有りながら少し落ち着きがあり、でも暗くはないですね。最初に聴いたのですが判断が1番難しい音でした。分かりやすい特徴が無く、その後其々のアンプを聴いてなるほどこうなるのか、と後から知ることになります。

1番2番の連結ですが、明るくて音の厚みを増しながら、艶っぽさもあり、そこに躍動感が加わる感じです。

1番3番の連結ですが、まず少し艶っぽさが控えめで、落ち着いた音でありながら芯が益々太くなり、これが1番実在感が強い音かもしれません。

2番3番の連結ですが、躍動感と艶やかさを感じさせながらも少し暗さを感じ、ノリが良いのに大人の音になります。

こうしてみると其々の音にハッキリとした違いがあり、連結でそれぞれの特徴がミックスされ、少しずつその配分がされるといった感じに思います。

これは連結する事でまた新しいゲインブロックの音が生まれたと言って良いかもしれません。

連結するからこその、それぞれ絶妙な音のバリエーションだと思います。

どの音も素晴らしかったです。

◆マーク レビンソン No26Lとの比較レビュー◆
2024.11.3
3wayでは 空気が一気に変わり、音像が引き締まってピントがピタッと合うような感覚になります。透明度も上がって細かいディテールが埋もれません。繊細さと勢いが両立しています。改造ラインアンプからそこは一段、二段、上がる感じです。
レビンソンはもっと向かってくる勢いがありますし、解像力は流石にありますが、繊細かというと? ですね。

3way は音の和というのを思い知らされますね。上から下まで音の其々の輪郭、響き、重なりが協調し合う。
それと一つ一つの音の階調といいますか、グラデーションが豊かです。低音一つ取ってみてもズンではなく、ズウウンツ 
言葉で表現するのが難しいですが。それが全体に渡っているんですね。
レビンソンが全く無いとは言いません。意外としなやかだなあ、と感心する部分もあります。ただ基本的には入力された信号を、そのまま余すことなく全てエネルギッシュに出しきろう、といったコンセプトなんだと思います。ですから聴いていると駆り立てられるような高揚感を感じます。
ただ危険な音だなあ、とも思います。コントラストが強いのか、レビンソンを聴いた後に改造ラインアンプを聴くと色が薄く感じ、物足りなくなっているのに驚きます。耳の感覚がやがて戻ってくると何時もの安定感のある音になるのですが。3way の後に改造ラインアンプを聴いてもそんなことはありませんでした。
3way はそこが違うのでしょう。レビンソンには無い部分、普通の音の様に感じさせながらも何気ない凄みがありますが、音【曲?】に寄り添う感じです。
レビンソンはこの音を聴いてみろ、という感じで、3way はこの音を聴いて欲しい、という感じでしょうか。

◆この3wayラインアンプは直列多段構成で3台の2chラインアンプが入っている。
ほぼアーカイブとなったブログ「アナログ道場」に5年前になるが構想として記事を書いていたことを今回の依頼者に言われるまでスッカリ忘れていた…それまで全く反応がなかったからね。

往年のアナログコンソールで考えてみると…各CHモジュールはマイクプリが入ったHA(ヘッドアンプ)、EQセクション、ダイナミクスセクション、センドPOT…等で構成されている。ミキサーが付く辺りにセンターセクション、スプリットコンソールならこの他にモニターセクションが別に在り、インライン/スプリットとも大きな面積を持つパッチベイが付いていて、パッチコードでHAだけ抜き出して使ったり(マイクプリ→レコーダ直)隣のchのEQを拝借して直列2段EQにしたり等色々な使い方が出来る。
マイクプリから直にレコーダの音とコンソール全段通し→レコーダの音は同じではない…
前置きが長くなったが、直列多段の構想はコンソールから生まれたということ…2chを2chで出しているのでサミングはないが。

3wayの最終調整は先ずトータルバランスとして①②③の3段直列で聴き、次に①だけ、②だけ、③だけと順次聴き、次は①②、②③、①③と繰り返し聴きながら各アンプに4か所の調整ポイントを変えながら決めていった…この作業はあたかも音楽をミックスする時、ある楽器をソロで聴いたり、幾つかの楽器だけにしたり、全ての楽器を聴いたりをしながら局所的及び全体的に調整して1つの形に仕上げていくのと同じで、ミックスをしている感覚で行なった。

最後に、特注仕様のゲインブロック1960-Lim(特注仕様)も3タイプ作ったのでアンプ毎に挿し替えればまた異なる組み合わせを作ることが可能です。

今回の製作は製作者 私の理想とするサウンドでとの依頼なので上がりの音についてのご希望は頂いておりませんが、「陰と陽」を併せ持った ラインアンプとして 作りました。



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