大トリはまどかちゃん
世界バレエフェスティバル Bプロ 8/9
感想をつらつら。
クラシックも創作も(この区分はイマイチなのはわかっているが、分けようがないのでとりあえず)、始まって5秒でその世界に入れないとつらい。有名なクラシック作品なら、前奏の時点でわかる。わくわくする。それだけでクラシックは断然有利なのだ。有名な創作なら可能。音楽が助けてくれる。
音楽が助けてくれない場合、ダンサーにすべてがかかる。もちろん見る人によってその世界に入れるかどうかは異なる。
作品の世界へ入る手伝いをするべきなのがプログラムなのだと思うのだが、残念な点があった。ガラ公演だと作品の説明するのは難しいし、紙幅は限られているし、大変なのはわかる。それでも「オネーギンより第3幕のパ・ド・ドゥ」の説明はわかりやすい。「海賊」の説明はイマイチ。最悪なのは「ニーベルングの指環」。だって「ニーベルングの指環」の作品全体のストーリーの説明に終始し、舞台で誰が踊っているのかの説明がない。主催者がんばれよ。今度モーリス・ベジャール・バレエ団は来日するのに。
毎回踊る人がいるジュエルズより「ダイヤモンド」。ものすごく難しいのはわかる。でもこれはグランのアダジオにすぎない。今回永久メイ+キム・キミンだったのだけれど、この2人なら踊った後にバリエーションくらいかるーく踊れるでしょ?と思った。キム・キミンの見せ場がなくてつまらんかった。
今回、当日配られる配役表に「上演中の手拍子はお控えください」とあった。よいことだよ。グラン・フェッテに手拍子はダメだろ(全然分野は違うけれど、チャランポランタンも手拍子がない方が良いとの発言をしている。「チャラチャンラジオ195。リンクは貼らない)。「海賊」のマリアネラ・ヌニェス、「ドンキ」の菅井円加は安心して見ていられた。
まどかちゃん(頭の中の呼び方で呼ばせて)は所属するハンブルク・バレエ団の男性と2部で1曲踊った後、3部にダニール・シムキンと「ドンキ」。しかも大トリ。元気だよなあ。「ドンキ」は元気いっぱい。元気なシムキンを圧倒するほどの余裕。時代は菅井円加。「日本人が!しかも若い子が!2曲も踊って!大トリなんて!」なんて内心面白くないと思っていたかもしれないダンサーたちも、この踊りを見れば納得だろう。
繰り返す。時代は菅井円加。次回も2曲踊って。シムキンと海賊がいいな(がんばれシムキン)。
<敬称略>