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夏が終わると暗く長い冬の季節がほとんどを占める国だから美しいシンプルなデザインが生まれます。
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そこで生まれたデザインに魅せられて
ながい時間を室内で過ごすスウェーデンの日常生活に、
ほとんどの人々は、
少しでも心地よい空間を持とうとします。
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それはテーブルや椅子であったり、
カーテンや絨毯、食卓のお皿やナイフやフォークにまで気を配ります。
豪華さを求めるのではなく、
自分達の生活に合う心地よいことが重要で、
最大の豪華な生活感なのです。
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飾る物としてではなく、
使うものとして無駄を省き、使いやすいということを考えて、
あのシンプルなデザインが生まれているのでしょう。
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街を歩くと自分に調和するデザインの物たちが、
いたるところで見つかります。
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50年前に生まれたユーモアも交えて、
デザインされたコンピュータのマウス、
ペーパークリップやテトラパックなどの
日常品以外にも無駄のない、
でも使いやすいデザインも有名です。
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昔、私の学んだテキスタイルデザイン
(布を用いた作品や商品、織物、刺繍、染色、プリントなど)の
技術とデザインは、
スウェーデンの一般生活に身近に手に入ります。
そして現在は若者の夢を担う職業でもあるのです。
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私の学校には経営学の教授もいて授業もあるくらい、
国の産業としての位置につけて大切にされています。
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しかしスウェーデンは芸大であっても、
特別なデザイン授業があるわけではなく、
個人にデザインは委ねられています。
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現在は、
圧倒的に幾何学的模様が好まれていますが、
長い伝統を持つ私の所属する学校は、
以前からの精神を受け継いだデザイン授業を、
私に求めています。
それは心の筆で自然な表現を用いること、
デザインに生かすことです。
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若い学生にとっては驚きの中で、
自分への自信さえ見つけられると言います。
そのデザインを技術に載せて、
個性豊かなデザインが引き継がれて行きます。
デザインが出来上がると、
今度はそのデザインを活かす技術専門の先生に繋ぎます。
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それからそれをどのようにして市場に出すのか、
方法を経営学教授の下で学び、自立して行きます。
多くの有名なテキスタイルデザイナーを輩出するこの学校は、
3年待ちも余儀なくされています。
そんな学生のランチタイムは豪華な食卓では全くありません。
でも必ず存在するものがあります。
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それはキャンドルです。
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温かなぬくもりを貧しい食卓であっても、
シンプルなやさしい光のデザインがそこには常にあるのです。
若い学生時代と何ひとつ変わることなく続いている安堵感、
木の床を歩く音、その床の傷もそのままに残されて、
この揺らぐ光の豪華さも、
貧しかった記憶の勲章のように心豊かにしてくれるのは
一体何なのでしょうか。
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苦学生だった私は材料が少ししか買えず、
いつも10cm四方ほどの作品でした。
同級生がそれぞれ織った残り糸を、
そっと私の籠の中に入れてくれました。
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それはうれしくて、勿論使って織りました。
先生は激怒、人真似したとみなされて落第点でした。
アパートに貰った糸を持ち帰り、
毛糸を全部綿状に解き、黒綿と青綿を混ぜて再度毛糸を紡いで、
新たな色の糸にして作品を仕上げました。
私の初めての大きなタペストリーの完成でした。
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織上がった作品のハガキ
貧しさゆえに得た技術は、
私の仕事人生を支えてくれました。
教授は私が苦学生であることを知っていたと聞きました。
厳しい方で口もきけませんでしたが、
愛情に満ちた先生でした。
今も心から感謝して、会いたいなあと、、、
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最近の栄養たっぷりのデザートです。
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スウェーデンのスウィーツではありませんが
生チョコのチョコレートな代わりに使うのがきな粉です!
きな粉は大さじ2で、
一日のタンパク質の摂取量の半分は取れます。
生きな粉
生クリーム 200ml
砂糖 40g
青きな粉 60〜80g
黄、黒きな粉までも可
作り方:
1.生クリームに砂糖を加えてしっかり泡立てる
2.きな粉を入れてゆっくり混ぜ合わせる
3.約1時間ほど冷蔵庫で冷やす