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沈まない太陽のある夏と森の中で過ごすかのようなあたりまえでスローライフな日常
スウェーデンの夏は始まったばかりです。
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毎年の夏至祭は
6月24日(聖ヨハネの日)に定められて、
24日に一番近い週末の土曜日と決められています。
Midsommar
スウェーデン語で真夏という意味です。
でも長い国土で北の地方はまだまだ夏は訪れてはいませんが、
太陽だけは冷たい光を放って空に滞在し続けます。
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人々は、夏至の間は田舎を目指して休暇を楽しみ、
ストックホルムの住人はほとんどいなくなります。
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夏至祭で、
全国的に名の知られている地方が幾つかあります。
その一つにダーラナ地方があります。
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私が初めて訪れたスウェーデンの小さな村
テルベリーもここにあります。
その当時は、初めての日本人の私は
珍しさも伴って、私を探すことはいたって簡単でした。
Keikoはあの店にいた!あのパン屋にいた!と...
スウェーデン語の話せない私と、
英語の話せなかったスウェーデン人との日常は、
困惑と孤独感に襲われた日々でした。
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でもこの地方は、
スウェーデンの心 と言われるほどの避暑地であり、
手工芸の発祥の地でもあります。
その村を築いたサンドベリー女史は、
私を受け入れてくれた、
スウェーデン手工芸を拡げた人でした。
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その隣にある大きな町の
手工芸協会スウェーデンヘムスロイドの招きで今年、
私は10月1日から2週間個展をします。
本当は今、もうそこにいて発表するはずでしたが、
コロナ禍故に選ばれたスウェーデン作家とは、
別々の個展になってしまいました。
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夏至祭りの言い伝え
花や葉っぱで飾った十字架の形をした
ミッドソマール ストング夏至柱は、
どんな村や町の広場にも立てられます。
その周りで民族衣装を着た住民も、
観光客も手を繋いで、民族音楽に合わせて踊り祝います。
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スウェーデンのすてきな言い伝えがあります。
夏至祭には魔法の力が働くのです。
夏至祭の露を小瓶に集めることが出来たら、
それで病気が治せるのです...
野に咲く7種類の花を集めて
枕の下に敷いて眠ると
すてきな伴侶に巡り会えると...
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スローライフな日常
この国には、
日本と違った時間が流れているような気がします。
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スウェーデンの人々には、ごく当たり前の日常ですが。
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スローと言う単語の訳自体は
ゆっくり、速度を緩めると言う意味ですが、
スローライフとは、
自分なりの日々を豊かに過ごすこと
時の流れのクオリティライフ(生活の質)を
意味しているのだと思います。
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長い休暇を持てるスウェーデンの人々は
自然の懐の中で過ごし、自然と対話するかのように、
自分自身も自然体で、生活を大切にすることなのです。
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そんな日常を送ることができる背景には、
豊かな福祉政策と共に
環境や経済対策があるからに他なりません。
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豊かさとは...
物が溢れ、おいしい食事が食べられても、
時間に追われ大量消費と廃棄を繰り返したツケは
地球温暖化を引き起こし
自然破壊がじわじわと押し寄せています。
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本当の豊かさとは...
私たち人間に突きつけられた自然界の叫びを
一人ひとり考えて行かねばなりません。
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スウェーデンに似た森は日本にも沢山あります。
もっと便数が多くなって、
行き来が平和を取り戻すまで、
時間を作って日本の森を歩いて見ませんか。
自然の森はあなた自身を守ってくれること請け負います。
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スウェーデンの夏至祭料理
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酢漬けのニシン
新鮮な国ハーブ、ディルと茹でたじゃがいも
摘みたての苺たっぷりのデザート
これがベースの食卓です。
勿論、ウォッカ付き!
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