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なんかめちゃめちゃ寂しい日曜日

 なんかめちゃめちゃ寂しい。寂しさを紛らわせるために街に出たくなるけど、今日は日曜日。外にでても人、人、人、人の群れ。今年はカメムシが大量発生して、なんと例年の34倍らしい。ビカビカした緑の臭い虫。まぁ人間に気持ち悪がられている訳だが、わたしにとっては人の群れも同じだ。ニコニコしている奴らの内側からは隠しきれない悪臭が漂っている。それは歩き方一つとっても分かることだ。なにがそんなに楽しいんですか?わたしはどちらかというとカメムシだ。
 だから家にいるのが好きだ。だけど今日は、今日だけはなんかめちゃめちゃ寂しい。誰かと喋りたいわけじゃない、認められたいわけじゃない、セックスしたいわけじゃない、ただ愛されたいだけ。消えない愛が欲しい。
 愛なんてものは無いという気持ちと、全ては愛だという気持ちが交差する。いつも交互に訪れる。波が美しく浮き沈みするように、わたしの愛も浮き沈みする。幸せなときに愛は遠ざかり、苦しいときこそ愛は訪れる。いつだって傲岸不遜。座右の銘にするか?
 そもそも愛とは何なのだろう?LOVE?辞書を引いてみた。

価値あるものを大切にしたいと思う、人間本来の温かい心。(明鏡国語辞典)

 ならば価値あるものとは?温かい心とは?わたしにはわからない。わたしにとって価値のあるものが、世間の人々には価値がなかったりする。道端に転がっている石ころに美を見出す人は少ない。
 わたしにとって温かい心の表現であったが、あの人にとっては自己中心的な芸術の押し付けだったりもした。
 今日はめちゃめちゃ寂しい。白い壁、白い天井、青色の空。今日は気色悪いくらい天気がいい。こんなにも天気がいいのに何もやることがないし、やる気もない。不動、びくともしない。書くこともない。ここから何処かに行きたい。もちろん精神的なものだから、結局は行く場所なんてない。そんなのはわかってるって? 日々、自問自答だ。
 日曜日、くだらねえ日曜日。数年前に【日曜日】って曲を作ったことを思い出した。数年ぶりに聞いてみる。まともな人間なら反吐が出るような曲だったが、自分的には歌詞を通して過去にこんな事を考えてたのかと、なかなか興味深かった。
 最初のAメロでは、日曜日はいろいろなことができて楽しいですよね、あなたと過ごせて幸せです。みたいな歌詞だが、サビで一転、それは男の妄想、日曜日の妄想だったとわかる。男は別に悲しくないと強がる、ただ何もすることがなくて日曜日が終わるのだと歌う。以下、歌詞の一部

「日曜日の妄想おれ いま一人で まだここでうつむいて 別に悲しくはない 何もなくて ただ一日が終わるだけ 日曜 日曜 日曜」
(作詞作曲:おれ)

 なんということだ、今のわたしそのものではないか、何も変わっていない。何も成長していない。そんな時代もあったんだねと、隣で愛する人が笑ってくれてたら良かったのに。現実は厳しい。
 若いときは脳みそにどばどば言葉が溢れてきて止まらなかった。言葉が邪魔してイライラした。眠れなかった。いまはこんな文章を書くにも朝の便所で糞をひねり出すかのように、無理やり押し出さなければならない。何故だ。これが老化か。それなら下痢便は?バズーカ砲、発射!!!もっと気軽に書きたいものだ。腹痛の先の快楽。今は書いても書いても苦痛。ドストエフスキーが作品を書き終えたときに快楽はあったのだろうか?締め切りに間に合ったという、芸術のキャピタリズム的見解ではなく、もっとこう、脳がとろけるオーガズム的な見解でだ。どちらにせよカラマーゾフの兄弟はいつだって偉大だ。例えロシアが未来において、全世界を支配する悪の帝国になったとしても。

 わたしは男だから射精を基準で話すことしかできないが、射精よりも上等なオーガズム的快楽を知っている人間は幸せだ。その「快楽」、「好き」に全集中力を注げば、現代だと何かしら食っていけるんじゃないかとすら思う。
 勿論、女子高生が言う「かわいい」程度の「好き」では駄目だ。射精を超えなければならない。女を超える。あのおっきくてぷりぷりした尻を超えるってことだ。そんな対象がある人間はとても幸せだ。何をしているかわからないけどたんまりお金持ってますよと、馬鹿みたいにSNS上でアピールしてる詐欺師まがいの奴らよりも何倍も良い。仮に年収180万でもわたしは羨ましく思うし尊敬する。そしてそんな人間が表現しているものにわたしはお金を払いたい。
 ただ悲しいことにわたしの文章が女の尻を超えることはない。射精以下のゴミだ。ずっとゴミのことを考えてるようなもんだ。頭がおかしくなってくる。頭が痛くなってきた。
 しかたないからわたしは出かける。最悪の日曜日だが出かけてやる。税金もそろそろ払わなきゃならないしな。催促の封筒手紙が床に散らかっているので、一つ拾い上げる。見知らぬ番号からの電話を無視する。うるせーよ。
 
このクソみたいな世界に一歩踏み出すことにしよう。もうあとはどうなろうと知ったこっちゃない。


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