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平和を願う絵本作家の生き方に感銘を受けて
先日、「絵本で何ができるか」という
テーマの講演会に参加し
絵本作家・田島征彦さんのお話を伺いました。
この講演会は
沖縄県子どもの本研究会が主催したもので、
田島さんご自身が
絵本の読み聞かせをしてくださる、
貴重な機会でした。
田島征彦さんといえば、
代表作『じごくのそうべえ』で
知られる絵本作家ですが、
沖縄を題材にした『なきむしせいとく』や
『そうべえときじむなー』など、
戦争と平和をテーマにした
作品も多く手掛けていらっしゃいます。
特に、沖縄戦を描いた
『てっぽうをもったキジムナー』と
『なきむし せいとく』の2冊は
沖縄の歴史と平和への願いが
込められた作品です。
沖縄戦と私のルーツ
沖縄は日本で唯一、地上戦が行われた場所。
戦争によって沖縄県民の4人に1人が
命を落とし、多くの家族が
悲しみに包まれました。
私自身、母方の祖父が戦争で亡くなり、
白梅の塔に祀られています。
そのため、
田島さんの話を聞きながら、
戦争の悲惨さが決して
遠い過去の出来事ではなく、
私たちに今もなお影響を
与え続けていることを
改めて実感しました。
型染めの絵が生み出す平和のメッセージ
田島さんの作品の特徴の一つは、
型染めによる独特の表現です。
戦争という重いテーマを扱いながらも、
その染め上げられた色彩は、
残酷な場面を和らげ、
絵本としての魅力を失わないよう
工夫されています。
これは、田島さんが
「戦争の恐ろしさを伝えるだけでなく、
平和の尊さや未来への感動を
どうすれば伝えられるか」を
何度も自問自答しながら作品を
生み出しているからこそ
実現できた表現なのでしょう。
85歳を迎えても挑戦し続ける生き方
田島さんは、
85歳という年齢を感じさせないほど
精力的に制作活動を続けています。
沖縄戦の取材を重ね、
戦争体験者の手記を読み、
試行錯誤を繰り返しながら
絵本を作り上げるその姿勢に、
心を打たれました。
「納得のいくまでこだわる」
「平和のメッセージを次世代へ伝える」
その情熱は、
まさに生涯現役の精神そのものです。
私もできることを考え、実践していく
私は沖縄出身であることに
誇りを持っています。
今もなお、
基地問題など多くの課題を
抱える沖縄ですが、
田島征彦さんのように、
沖縄に思いを寄せて平和を
発信し続ける方がいることに、
とても勇気をもらいました。
田島さんの講演会を通じて、
改めて「私にできることは何か」を
考えるきっかけをいただきました。
私は、田島さんの絵本を
子ども達に読み聞かせ、
平和の尊さを伝えていきたいと思います。
2025年は、戦後80年という節目の年。
田島さんの次回作は「対馬丸」についての
作品になるそうです。
今後の作品も楽しみにしながら、
田島さんがこれからも
元気に創作を続けられることを
心から願っています。