見出し画像

オレンジのビー玉

前回までのお話↓


日本での生活が始まった。
「ありがとう」とか「おいしい」ぐらいしか日本語が分からない中で毎日毎日学校へ行く。みんなが色々話しかけてくれるけど何も分からなくてごめんなさいって感じ。

授業も全然分からないので学力も下がっていく。たまに別室で英語が出来る先生が一対一で教えてくれてた。勿論全部の科目ではないので、毎日付いていくのがやっと。
それでも落ち込んだりした記憶はなぜかそんなにない。
どうしても分からない時はノートに落書きしたりして気を紛らわせたり、漢字の形が面白くて色々書いてみたり。
単語をちょっとずつテレビとかアニメで覚えたり。

別室で英語で教えてくれていた先生とのやりとりで唯一覚えているのは、国語かなんかのやつで、
「おばあちゃんの口ぐせ」ってどういう意味だと思う?って聞かれて、
「おばあちゃんの口がクサイってこと?」って答えたらめっちゃ笑ってくれたこと。

体育の授業も面白かった。
体育といえばドッチボール。
なぜか自分にボールが渡るとみんなが、
「逃げろー!」
とか言って一斉に逃げる。

外国人ってだけで相当強いボールを投げられるって思われてた。
勿論そんなことはなく、ごく標準的な強さだった。

体育で唯一イヤだったのが水泳の時間。
なんであんなにピチピチの水着をはかせられるのか意味が分からなかった。
普通に恥ずかしい。
でもみんなは普通にはしゃいでたから、自意識過剰だったんだなぁと思う。

みんなは恥ずかしくなかったですか?

ここから先は

1,162字 / 3画像

¥ 300

みなさまからのたくさんのサポートや愛にとても感謝しています!