カラーの配合その1
カラーの配合について書くって言ってからだいぶ日数経っちゃってすみませんね。なんせこれ文章で表現するのがやたら面倒くさいんだよね。
自分のサロンでマニュアル作る時にも感じたんだけど、これって薬剤見ながら実際に話した方が解りやすいんだよね。かえって頭が混乱したりするのさ。でも、「何でもDMで質問受付中」って言ってるから、質問頂いた以上応えないといけないからね。
なんで、もしかすると解りづらいかも知れないけどゴメンね。
それと、一度で完結するのは長くなって読むのも飽きちゃうので何回かに分けてアップすることにするね。
まずは特性の理解
まずは一応カラー剤の特性をおさらいしとこうか。
カラー剤はライトニングパワーと色で構成されてる(勿論もっと他の成分配合されてるけどここでは特性なんでね)。この両方のバランスでレベルと色相が決められてる。レベルが低ければライトニングパワーも低く、レベルが高ければライトニングパワーも高い。そして色。色は発色システムの違いで何種類か配合されてるんだけど考え方的には褐色(茶色ね)と原色系の有彩色とイメージしておくだけでいいと思う。んで、色はレベルが低いと濃くなって、レベルが高いと薄くなる。レベルが高いのに色が濃くなると結果レベルが下がるからね。レベルが低いと濃いのはメーカーによって違うんだけど、レベルが低いところを強調色(補色て呼んでたりもするね)として使っていたり、7LV以下を白髪染めに使ったりレベルダウンに使ったりするから。
当然メーカーによって違いがあるんだけど、何でも一つでやりたがる人が多いので、多くの場合9LV位までは一部の色を除いて褐色が配合されている。
だいぶ昔にカラーする事が当たり前になって、既染部のレベルダウンをする機会が増えたのでそれもあるね。実はこれがカラー剤の配合を複雑にしている。原色系の有彩色の表情をハッキリ出したいのに最初から褐色が入ってんだからそりゃ上手く表現されないよね。
一部のメーカーには褐色を極限まで減らしたカラーを発売していたりするのでこういったメーカーを探すのが実は最終的には仕事が楽にする近道だったりする。
それと、最初から100色超えるようなラインナップのメーカーを使っているサロンは、混ぜて使用しない事を強くオススメする!それだけのラインナップがあるならスタイリストのやりたいカラー、お客様の希望のカラー両方共用意されているカラーに寄せた方が効率的だし下手に混ぜる事で失敗する確率が高くなる。後で説明するけど、混ぜても色々やったわりにはよく分からないなんて事も当たり前にあるんでね。
カラー剤の色と実際の発色
メーカーによって色の名前の呼び方は様々だけど、基本となるのはレッド、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、紫の6色の純色だと思う。そこにある時期の流行りの色を入れていたり、何年かして廃番にしたりリニューアルしたりしてラインナップは構成されてる。
最初に上げた6色が最近はちょっと事情が違ってきている。褐色が残るレベルと褐色が残らないレベルで色を一段ずらしていたりする。褐色が残るレベルではレッドは褐色を配合させてもそんなに問題はないけど、褐色が残らない場合がちょっと問題になるみたいだね。
褐色が残らないと黄色に寄った状態にライトニングされるんだけど(最近の人達は特に。昔の人達はちょっと違う)、そこにレッドが染まると濃いオレンジになったりする。ブルーの場合グリーンになる。なので、褐色が残らないところまでライトニングされる場合、一つ隣の色が配合される事が多くなった。レッドなら紫を少し入れてイエローの性質を抑えてレッドを発色させるってわけだ。これはレベルによって色を加色しなくていいので楽だね。でもこれまた他の場合に面倒にさせる原因だったりする。さっきレッドとブルーを例に出したけど、オレンジやグリーンの場合どうなるかな?
オレンジはレッドより明るい。グリーンはブルーより明るい。さっきの例から考えると、オレンジにはレッド、グリーンにはブルーが少し配合されるって事だ。ん??オレンジはイエローとレッドの混ざった色だし、グリーンはブルーとイエローが混ざった色なのに、更にレッドやブルー足すの??って事になる。これやってるメーカーも多いんだけど、これやられるとオレンジやグリーンのクリア感が出づらくなる。理想はあまり加色されないでレベル毎に色の濃さだけが変化していく方が便利なんだけど、世の中には「レッドにしたいのにオレンジっぽくなった」とか「ブルーを強く出したかったのにコケみたいに緑になった」とか言っちゃう美容師がとてつもなく沢山いるのさ。そんな美容師のお声に応える為に、最初からメーカーが加色して簡単に使える様にしてるって事なんだよ。これが、またまたカラーを複雑にしちゃって何が何だか解らないってのがメーカーの本音だったりもする。
さて、ここで最初の方で書いた事を思い出すか読み返して欲しい。「9LV位までは褐色が配合されている」って書いたよね。レッドに少し紫が入って更に褐色が入って。もはや何色にしたいのか解らない、、、、
希望のカラーを表現する為に混ぜるって事は、こういう事を全て理解してコントロールしないといけないんだよね。だから、何でも混ぜるのがイイわけじゃなくて最初から似た色があるなら、混ぜる必要なんてない。
さて、次回はこれを理解してもらったうえで、もう少し実践にせまっていくよ。