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KAMEzine vol.2

SNSを通して、 #亀岡#KAMEzine といった発信をしていると、ありがたいことにどこかで誰かが見てくれているんですね。

本日はTwitterを通してご連絡くださった、伝統工芸士の細井智之さんの元を訪れました。

細井智之(ほそい さとし)さん:京丹波町出身。京友禅伝統工芸士。京都伝統工芸大学校で教鞭を執る。京都市内で10年過ごし、結婚を機に現在は亀岡で工房兼自宅で暮らしている。

-先日はご連絡くださり、ありがとうございました。亀岡に京友禅をされている方がおられること、お恥ずかしながら初めて知りました。挿友禅について具体的に教えていただけますか?

細井さん:こんなにすぐに来てくださるとは思っていませんでした(笑) 私は、京友禅の製作工程の中でも挿友禅(※1)の部分を担当しています。

※1)挿友禅…手描き友禅の中で最も華やかであり、かつ重要な位置を占める工程。同じ図柄、模様であっても、描く色の組み合わせによって、仕上がりのイメージは全く異なる。(参照:京友禅協同組合連合会)

まず下絵を描き、輪郭部分に筒金で糊を置きます。

それから染料を挿していくんです。「手描き友禅」はこれを全て手作業で行います。ゴム糊の代わりに、もち米やぬかを原料とした糊で行うこともあるんですよ。

-はじめてこんなに間近で見させていただきました。本当に繊細な作業ですね。

Instagramを拝見したのですが、ミラノサローネにも出品されていたんですか? それから、他の作家さんとのコラボレーションもされているみたいで。

細井さん:そうですね。実はそんなこともしています(笑)

-失礼かもしれませんが、お会いするまで思い描いていた「職人さん」のイメージとは随分違いました。SNSも積極的に活用されていますよね。

細井さん:「職人」というイメージの脱却をしていきたくて。服装で言えば僕らは普段、着物ではなく洋服を着て作業をしていますしね。

それから「京友禅」というものをもっと身近に感じてほしいんです。だからまず、自ら歩み寄ることにしました。

▲染料を挿す「彩色」の際に、色を試し置きしている生地から生まれた作品。

-細井さんがこれから、手描き友禅を通して挑戦していきたいことは何ですか?

細井さん:京友禅は自分にとって昔から身近な存在でした。そういった背景から携わってきましたが、伝統工芸も苦しい時代になりました。

ただ、このご時世、下火で大変なのは他の業界でも一緒ではないかと思うんです。わたし自身、仕事が少なくなったことがきっかけに「やりたいことをやろう!」って思うようになったんですよね。

これまでは職人とお客さんが直接交わることはタブーとされてきました。でも今はそんなことも言ってられないじゃないですか。

楽しいから、おもしろいから、好きだからやっている。

ただそれだけ。そんな想いでやっていることを発信していきたいですね。

それから、伝統工芸をもっと身近なものにしていきたくて。

いつか “お店で手に取ったものがたまたま伝統工芸品だった!” というスタイルになることを目指しています。

また、「京友禅」をテキスタイルとして海外へ発信していきたいなと思っていて。実際に現地へ行ってみると、「何でこんなに布が高いの?」と言われることもあるんです。

そうした方々への理解を深めるために、仕事の工程や良い物を知ってもらいたくて。でも、文化の押し付けにはならないようにはしたいですね。

そうやって「着物」を知ってもらえるためのツールとして、様々なことに取り組めたらいいなと思っています。

-とってもステキです! 一緒に亀岡で何かができるよう、私も頑張りますね。今度、海外からの友人を連れて来てもいいですか?

細井さん:もちろんいいですよ(笑)

-細井さん、お話を聞かせてくださり、ありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いしますね。一緒に企んでいきましょう!

***

突然Twitterでご連絡をくださった細井さん。

他にも亀岡には絹糸を生産している場所があることも教えてくださりました。まだまだここには知らないことがたくさんありますね!

こうやって「亀岡」で文化や歴史、食など “ものづくり” に関わるお仕事をされている「かめ人」の皆さんと一緒に、Made in KAMEOKA をつくっていきたいなという想いがふつふつとこみ上げる夜でした。


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anna namikawa
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