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「はじめて」は、いつだってたのしい。


2016年の3月に卒業旅行でアイスランドへ行きました。詳しくは、こちらのマガジンにまとめているのですが、わたしの人生のなかで、この10日間はとてもとくべつな時間として記憶しています。

なぜとくべつなのかというと、たくさんの「チャレンジ」があったから。お恥ずかしいお話ですが、一生懸命たのしみすぎて、日本に降り立ったときにそれ以前の生活を思い出せなくなったほどでした。たった、10日しか経っていないはずなのに。

だからでしょうか、たとえ写真1枚だとしても、見返すたびに頬がゆるんでしまうんです。あの時の感動とひとつの失態を思い出してしまうから。

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はじめての、運転。はじめての、左車線。はじめての、雪国。

日本でも雪の深い地域を運転したことがないわたしは、事前にInstagramのハッシュタグ「#iceland」を追いながらヒヤヒヤしていました。どの写真を見ても、道路が雪で覆われていたから。

「ま、なんとかなるか」

と、出発直前はいつもの調子で笑ってましたけどね。

実際に訪れてみると、ほんとうに一面雪景色。「・・いまからここを運転するのか」と、ちょっとだけ腹を括りました。

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予約した宿を目的地に、いろんなまちを訪れながら、ただただリングロードを1周するだけの旅。大きな滝も、ポツンとある教会も、すこし足の短い馬たちも、なにもかもが新鮮で、どんどん旅にのめり込んでいきました。

真っ白の景色のなかに1本だけある道路を頼りに、車を走らせる。朝は道路が凍っているから ゆっくりスタートしてみたり、景色がきれいなところを見つけては 道路脇に車を止めて外の空気を吸ってみたり。とくべつなことはなにもしていないけれど、時間に追われることもなく、ただただ フロントガラス越しに飛び込んでくる光景を心底たのしんでいたんだと思います。


「もしかしたらここは、天国なのかもしれない」

ありきたりなことばかもしれないけど、ほんとうにそう思ってしまうくらい、とにかく美しかった。“地球が生きている” ということを、これほどまでに感じる国は訪れたことがなかったから。間欠泉や地上から沸き立つ蒸気、波のかたちをした氷河。ずっと鳥肌がたったまま、その時をすごしていました。

だからきっと 日本に帰って来たときに、それまでの生活を思い出せなくなってしまったんだと思います。

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やっぱり、訪れてみないとわからないことはいっぱいあるんだと改めて思う旅でした。訪れたひとにしか感じられない空気、出会えない光景、触れられないひとの生活がそこには必ずあるから。

いろんな「はじめて」にチャレンジしたあの国のことを思い出すたびに、自然と勇気が湧いてくる。そしてまたいつか、自分に勇気を与えてくれる旅に出るんだと 帰りの飛行機のなかで誓いました。


目を閉じると、あの時のつめたい、爽やかな風が頬をなでてくれる。

つぎの日程はまだ決められていないけれど、必ずやってくるその日のことが、いまからとてもたのしみです。

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anna namikawa
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