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炭酸水と23時。

音が踊る。
グラスに氷と炭酸水、しゅわしゅわ、ぱちぱちと小さな音が踊る。

事務作業がたくさんあって
やっと帰れた22時。
大型案件が終わった23時。
上司にたっぷり怒られた21時。

炭酸水を飲む時間や状況や環境は、ばらばらだけど
私の心がずしっと重たく深く沈んでいるときに、私の心をすっと溶かしてくれるそんな存在。
昔はよく夏になると母が自家製の梅ソーダを作ってくれた。
自家製梅シロップと炭酸水があれば小さい私でも簡単に作れてそれが大好きだった。

あの、グラスに入った氷とソーダの音が踊る瞬間。ほのかに香る爽やかな梅シロップ。

扇風機の首がゆっくり回るのを、ぼーと眺めていた。
今でも炭酸水を、飲むとあのなんでもない時間に戻れる気がする。
子供の頃に戻れた私は次の朝にはちゃんと大人になって、仕事へ行く。
少しの子供時間を手に入れられる。

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