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坂本龍一が遺したもの ~109シネマズプレミアム新宿での体験記~

2025年一発目の記事は、映画初めに相応しくかの有名な作曲家 坂本龍一氏 が音響を監修した映画館 109シネマズプレミアム新宿 へ訪れたときのことについて綴ろうと思う。

まず始めに、109シネマズプレミアム新宿について説明しよう。

-以下ホームページ引用-

“109シネマズプレミアムとは、これまでのシネコンと一線を画す鑑賞体験を提供する新ブランド。
上質な鑑賞環境とおもてなしを提供し、これまでの常識を覆す”感性を開く映画館”として、非日常世界への没入体験をお届けします。”

109シネマズプレミアム新宿公式サイトより

"圧巻の没入体験へ誘う、洗練された空間
全席プレミアムシート、ハイスペックな映写設備に加え、全シアターの音響を坂本龍一氏が監修。映画の世界に没入いただける環境をご用意しました。
また、全シアターに多様な演目に対応可能な舞台と照明・音響・配信設備を完備し、映画にとどまらない幅広いエンターテインメントコンテンツも提供します。"

109シネマズプレミアム新宿公式サイトより

当日、購入回の上映一時間前からラウンジを利用できるとのことで、利用開始時間に合わせて109シネマズプレミアム新宿に到着。
ホテルのようなコンシェルジュがお出迎え。
なんだかほんのり甘くて良い匂いがする。ルームフレグランスだろうか。
入場口にてチケットのQRをかざし、通路を抜けた先には広々としたラウンジが広がっていた。
ゆったりとした席が散らばっており、好きな席に着いて寛ぐことができる。
ラウンジは購入回の上映開始まで、ポップコーンとドリンクを好きなだけ戴ける。お代はチケットにインクルーシヴのため無料とのことだった。
メニューを見てみると、ポップコーンのラインナップは塩とキャラメルの2種類。しみチョコのようなお菓子をトッピングすることも可能。
ありがたいことにポップコーンを入れる容器のサイズがMかLでチョイスできるため、お腹や鑑賞する映画の内容によっても調整できる。(ちなみに食べ物持ち込みNGの上映作品もある)
ドリンクは、ペプシやジンジャエール、セブンアップなど、映画鑑賞にピッタリの炭酸からコーヒー、ほうじ茶まで幅広いラインナップ。

ちなみに、アイスティーはリプトン、烏龍茶はサントリーのサーバーが設置されていた。オレンジジュースのブランドは分からなかった。全部試しに飲んでみたいくらいだが、自らの膀胱と話し合ってラウンジでの一杯と上映中の一杯のみを頂くことに。
というわけで、カフェラテとほうじ茶を注文。
注文したポップコーンとドリンクを手に、ラウンジをうろちょろしていると、奥の方に2月上映の『名もなき者』の特設コーナーがあるのを発見し、迷わず着席。

ここから一時間ほどラウンジのソファにて寛いだ。
エスプレッソマシンで作るカフェラテはかなり濃厚で、冷めると酸味が目立つ印象の豆だった。ほうじ茶はかなり美味しかったのでオススメしたい。飲み切る頃には底に粉が溜まっていたので、茶葉から淹れていることが想像できる。おしぼりに至るまでこだわりが感じられ、肌触りが良い高級感のあるタイプのおしぼりだったので、すぐに捨ててしまうのがもったいないくらいだった。

ラウンジの空間についてだが、自分がポップコーンを咀嚼する音さえも耳障りになるほどの静けさ。お客様はポツポツと入っており、各々好きな席で寛いでいる。ラウンジでの過ごし方に関する事前注意やルールは無いが、みな修行のように静寂を保っている。さすが日本人である。おそらくだが、あまりの心地よさに空間に没頭してしまうのだろう。
教授によって計算され尽くし研ぎ澄まされたアンビエント音楽がラウンジを包み込む。ついさっきまで耳障りと思っていた咀嚼音までもが空間に飲まれて気にならなくなっていた。
上映一時間前からすでに極上の映画体験は始まっている。かつて、映画鑑賞のために準備をしたことなど無いが、これは映画鑑賞のための最適かつ至極の環境といって過言ではないだろう。

(20分に一回くらいの間隔で照明がダウンし音楽が流れる。なにかの合図だろうか?)

上映前にお手洗いへ。
ひとつひとつの個室は広々としており、手洗い場にはマウスウォッシュとハンドクリームが置いてあった。窓に面して開放的なパウダールームにはメガネ拭きと綿棒、油取り紙まで常備されている。細部にわたっておもてなしの心がうかがえる。

定刻になり、シアター5へ入場。
今回はClass Sの座席を購入した。座席位置はいつもの如くど真ん中の座席。着席すると右横にリクライニングボタンを発見。ボタンひとつで絶妙な加減でリクライニングが可能。好みの位置を見つけて準備ヨシッ!
包まれるようなフカフカのリクライニング付き貴族シートと坂本龍一氏監修の至上の音響設備は、私を極上の映画体験へと誘ってくれた。
この上ない環境で、2014年に開催されたコンサート『ryuichi sakamoto playing the orchestra 2014』を鑑賞するというなんとも贅沢な120分であった。
映画本編のレビューをたっぷり書きたいところだが、ネタバレになってはいけないので控えさせていただく。
映画館の環境を体験した感想を簡潔に述べると、"音の解像度"がとんでもなく高い。
微かな息づかいや絶妙な音の強弱、スピーカーからきこえてくるひとつひとつの音が、オーケストラが演奏している映像を併せることによって、どのパートがこの音を奏でているのか詳細に理解することができた気がする。心と身体に反響した音楽が私の魂をふるわす感覚。Class Sという最も高額な席に座ることができるチケットを購入したが、とても格安に感じる体験であった。

上映後は、ラウンジに併設されているTHE BARにて、気になっていたクリームティーセットを注文し喫食。紅茶1杯+月島で作られている大きなスコーン、さらに本場のクロテッドクリーム「ロダス」と1瓶に半分ものいちごを使用した濃厚なチップトリーのストロベリージャムが贅沢に1パッケージずつ付いて1,750円はお得な気がする。(?)
いや、6,500円の座席を購入している時点で、既に金銭感覚がおバグり散らかしているだけかもしれない…
その他にも気になるサイドメニューが盛りだくさんで一度では堪能しきれない。また来るしかない…

今回購入したClass Sのチケットは、鑑賞後にOvertureというプレミアムラウンジで好きなだけ寛げる。ウェルカムドリンクを一杯頂けるということで、さっそくOvertureへ。
こちらも好きな席で寛いで良いとのことで、一脚だけフカフカのオットマン付きシングルソファを見つけて、迷わず着席。1,400円のスパークリングワイン(セグラヴューダス ブルート・レゼルバ ベビーボトル)を注文すると、あたたかいおしぼりとGODIVAのチョコレートがサービスで付いて来た。

*がついているメニューも差額課金で戴けるとの説明があった。残念ながらメニューはHPには掲載されていなかった為、実際に足を運んで見て頂きたい。ちなみに、ジャパニーズウイスキーが充実したラインナップだった。

プレミアムラウンジに流れているのは、やはり坂本龍一の音楽。先ほど鑑賞したコンサートでも演奏された曲のようだ。
新宿のビルの海と下を走る電車の走行音を聞きながら、鑑賞後もどっぷりと映画の余韻に浸ることができた。この記事を書き始めて一時間が経とうとしているが、もはや帰りたくないとまで感じるほどの居心地の良さ。

鑑賞一時間前から鑑賞後に至るまでの極上の映画体験を保証してくれる109シネマズプレミアム新宿。
映画にしては些か高額だが、コンサートの上映や音楽系映画の鑑賞にはお安いくらいだと感じる圧倒的な音響設備だった。
ぜひ奮発して、109シネマズプレミアム新宿のClass Sで、非日常の極上の映画体験をしてみてはいかがだろうか?

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