張凱夫(アリババ副社長)「アリババ越境ECで急速に進むAIを活用した中小ショップ向け支援」2024年7月16日
AIの力で中小ショップを支援:阿里国際が見せる未来
7月16日、阿里国際デジタル商業グループの副社長兼AI事業責任者である張凱夫氏は、AIテーマの交流会で「中小企業ほどAIの恩恵を受けやすい」と語った。
50万のショップと1億の商品がAIから得た恩恵
過去一年間、阿里国際のAIは40以上の場面でその能力をテストし、50万の中小ショップを支援、1億の商品を最適化した。ショップのAI需要は増加し続け、過去半年間のデータでは、平均して2ヶ月ごとにショップのAI利用量が倍増している。
中国のショップが商品を海外に販売するには、商品写真の撮影、広告素材の作成、海外ウェブサイトやソーシャルメディアでの広告投下、カスタマーサービスの配置、返品や拒否支払いなどのアフターサービス対応など、多くのプロセスを経る必要がある。これらすべては現地の言語で行わなければならない。さらに、フランス、スペイン、ブラジルなどの市場に販売するには、マイナー言語のスキルも必要である。
現在、阿里国際のAIチームは40以上のクロスボーダー電子商取引の重要な場面でAIテストを行い、商品テキストと画像、マーケティング、検索、広告投下、SEO、カスタマーサービス、返品、店舗のデザインなど、全てのプロセスをカバーしている。これにより、中小ショップが直面するこれらの課題を解決する手助けをしている。
テスト結果は、AIカスタマーサービスやマーケティングPushなどの場面で、AIが非常に優れた成果を上げていることを示している。これにより、転換率、クリック率、消費者満足度などの面で1〜30%の改善が見られる。
AI機能の急速な普及とその効果
これらのAI機能は、現在、速売通(AliExpress)、Lazada、Trendyolなどのプラットフォームで実際に利用されており、50万のショップと1億の商品をサポートしている。効果が現れるにつれ、ショップのAIに対する需要も急速に増加している。過去半年間、ショップの阿里国際AI機能の利用量は2ヶ月ごとに倍増し、最近の1日の平均利用量は5000万回を超えた。
中小企業にとってのAIの有用性
クロスボーダー電子商取引の課題に直面する際、大企業は専門チームを通じてこれらの問題を解決できるが、多くの中小企業は阿里国際のAI機能を使ってその「短所を補う」ことができる。
ケース1:AIカスタマーサービスロボット
AIカスタマーサービスの例を挙げると、阿里国際はそのクロスボーダー電子商取引プラットフォームである速売通(AliExpress)上のすべてのフルフィルメント、セミフルフィルメントの商品にAIカスタマーサービスを配備した。データによれば、6月にはAIカスタマーサービスを備えた商品での事前問い合わせの転換率が29%向上した。
ケース2:支払い拒否への対応エージェント
支払い拒否(チャージバック)の例を挙げると、これはクロスボーダーショップが直面するアフターサービスのトラブルである。以前は、ショップが支払い拒否に対して対応するには、各段階の資料や証拠を準備するのに数時間を要した。多くの中小企業は関連する経験が不足しており、支払い拒否のトラブルに直面した際には「運が悪かった」と諦めることが多かったが、現在、阿里国際のAI支払い拒否対応エージェントは、数分で全ての資料を整理し、自動的に証拠資料を生成して海外のクレジットカード機関に送信する。
テストデータは、AI支払い拒否対応エージェントが年間2000万元(4億3000万円)の損失を取り戻し、ショップの権益を保護できることを示している。
ケース3:スマート返品エージェント
最近、阿里国際はスマート返品エージェントを導入し、AIを通じてショップと消費者により柔軟な返品ソリューションを提供し、自動的に返品金額を計算する。これにより、ユーザー満足度を高めつつ、ショップのアフターサービスコストを最小限に抑えることができる。
ケース4:バーチャル試着
AIはアフターサービスやカスタマーサービスの分野だけでなく、商品の画像デザインの段階でも優れた成果を上げている。「バーチャル試着」機能により、ショップは商品画像を一枚送信するだけで、AIが自動的に商品属性を識別し、8秒でモデルが着用した効果を表示する。さらに、海外の異なる市場のスタイルに応じてモデルのスタイルを調整することも可能である。つまり、ショップは実際に商品を製造する前に、モデルの効果画像を得ることができる。
〔原文:“阿里国际AI进展:40多个电商场景服务50万商家,调用量每两个月翻一倍”〕