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教室がいつも綺麗な教員

でありたいと思う。私は、そこに多少なりのこだわりをもっている。
学校の実態は、玄関にある「傘立て」と「靴箱」を見ればだいたいわかると言われている。
同じように教室も「ごみ箱」と「ロッカー」を見ればわかると私は考えている。ごみ箱にごみがパンパンだと、整備されていな不衛生な印象。
(教室の場合は、物が多いので厳密には観点がもう少しある
 例:本棚、放課後の机の並び方、床など)

 自分の心が乱れていると、自然と周りのものも乱れていく。服装の乱れは心の乱れのように、心と環境は常に鏡だと捉えている。よって、心の成長や発達は人的環境(友達や先生とのかかわり)が大きく左右するのは言うまでもないが、私は物的環境も心を育むのに重要な役割だと考えている。

教室が綺麗とはどういう状態?

 私が思う綺麗な教室というのは主にこの3つが日常的に整えられている教室である。そしてそれが、子どもたち自身の手によってつくられる状態というのが非常に重要である。

  1. 個人で使用するもの(机やロッカーなど)

  2. みんなで使用するもの(棚や掃除用具、ごみ箱、床など)

  3. 壁についているもの(黒板(消し方大事!)、掲示物など)

 目に見えるところを綺麗にするのは比較的容易だが、目に見えない場所を綺麗にするのは、難しい。例えば机の中のお道具箱やロッカーだ。自分だけが使うのだし、汚くても見えない。それ以前に整理整頓が苦手な子どもは汚い状態であることにも気づいていない。使えるので困っていない。

必要感がないとやらない

 何事においてもそうだが、人は必要感に駆られなければ動かない。困っていないのなら、面倒なことはやりたくない。
綺麗な教室にするためにはまず一人一人に「綺麗にしたい!」という意欲を芽生えさせることが第一歩である。

指導には根気と時間がいる

 実態を見ながらいろいろなアプローチの仕方があるが、私は年度が始まって少し落ち着き始めてきたころに整理整頓についてじっくり話をする時間を設けている。

 まずは現状の把握から。放課後の教室全体やロッカー、本棚、靴箱など写真を撮っておく。それを何枚か子どもに見せて、自分たちのものの使い方を振り返らせる。自分たちが作っている環境を客観視できる。

そこから、この状態だとどんなことがまずいのか?ということを子どもと一緒に考えていく。ここで重要なのは子どもに考えさせること。ものが整えられていない状態で起こるあらゆる事態を想定させる。

そうすると
・どこに何があるかわからなくなる
・ものをなくしやすくなる
・ロッカーから紐が出ていると誰かがつまずいて危ない
(実際の転倒事故もある)
・本の並びがぐちゃちゃで次に読む人が使いづらい

などたくさん出てくる。落とし物が多い理由も分かってくる。
みんなで使う物は「安全のため」「次に使う人のため」と分かりやすく子どもの中に落ちていく。なので、「綺麗にしなくちゃ!」という気持ちが芽生えやすい。比較的その後の定着も早い。

難しいのは個人の持ち物。中には整理整頓が本当に苦手な子どももいる。お道具箱の中身なんて毎日確認できないし、本人がそれでよいならいいのでは?と思うこともあるが、放置すると本人が困ることもあるので、励ましていく必要がある。

整理整頓が苦手な子どもでよくあるパターン
・色鉛筆が全色揃っていない 
・消しゴムなくしは当たり前
・大事なプリントが机の奥にぐちゃぐちゃになって入っている
 →保護者に連絡が伝わらず、本人が忘れ物する事態

整理整頓のコツは「使ったら元の場所に戻すこと」
それが習慣になれば、汚くなってから整理整頓しなくて済む。
それが、とっても難しいことなのだけど、やらせないとできるようにはならない。

整理・・・必要ないものを取り除く
整頓・・・きれいな状態に整える
なので、まず①必要ないものを捨てるところから始まる。
必要なものだけにしてから、②使いやすい場所に配置を整えていく。

一度の指導では定着は難しいので日常的な声掛けが必須である。
「わあ!本棚がきれい!みんなが向きを揃えてしまっているね」
「靴箱のかかとが揃えられていました」
と、認め、励ます声掛けや、実際に写真を撮って以前の自分たちと比較、学級通信などで知らせるなどあらゆる方法で綺麗な教室は素晴らしいという価値づけをしていく。
汚い教室は絶対に心が荒れるので、気持ちのよい教室を目指したい。

自然にできるようになってくると綺麗な状態が当たり前になる。何も言わなくても、子どもが綺麗にしてくれる。最初は大変だけど、そうなってくれればこっちのもんだ。

教員の美意識も大切

 職員室の机と教室の状態はだいたい同じ。机が綺麗な先生の教室は綺麗だ。
私は、自分の机にはパソコン以外置いて帰らないようにしている。
片付いていないと気が済まないから・・・
忙しい時や余裕がない時は身の回りが乱れやすい。「あ、今自分に余裕ないんだな」と冷静になれる。物の管理は心の状態の指標になる。

口うるさいおばさんにはならないように

 もちろん教室環境を整えることはみんなが心地よく安全に生活できるために必要な指導であるが、そこに教員自身のこだわりや性格が乗っかってきてしまうと、押し付けになってしまう。
子どもたちが、綺麗にする意味を理解して、自発的に動けるようにしたい。この記事は、自戒を込めている。明日も、美しい教室づくりのために精進していこう。

【余談】「黒板が教室の印象を決める」
 黒板は教室の前方の大半を占めているため、黒板が綺麗に消されているだけでも、その教室全体が綺麗に見える、という話。本に書いてあった。確かに、そうかもしれない。


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