長谷川夕

あまり書かない作家

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プロフィール・既刊【随時更新】

<プロフィール> PN:長谷川夕(はせがわゆう) 三重県出身 女性 2015年度集英社ノベル大賞準大賞 受賞 <集英社オレンジ文庫> 僕は君を殺せない 2015年12月刊 受賞作「亡霊」改稿、Cobalt掲載「Aさん」、書き下ろし「春の遺書」 おにんぎょうさまがた 2017年1月刊 書き下ろし どうか、天国に届きませんように 2017年 書き下ろし 七不思議のつくりかた 2018年 書き下ろし 月の汀に啼く鵺は 巷説山埜風土夜話の相続人 2021年4月刊 書き下

    • 【短編小説】となりのマリエちゃん【ホラー/サスペンス】

       マリエちゃんには、秘密がある。 「このきったねえ人形、捨ててなかったのかよ、直子!」  ドアを開けた瞬間、奥から、怒声がした。隣室への挨拶を済ませてきたわたしは、雑然とした奥の部屋の、段ボールを開いていた彼に、睨まれた。マリエちゃんが、彼の指先に服をつままれ、ぶら下げられている。 「あー……うん」  マリエちゃんは、おもちゃの人形だ。未就学の女児用で、身体は、赤ん坊より一回り小さい程度。拳大の、丸い洋顔。茶髪でオカッパ。くりっとこげ茶色の双眸。関節が可動する。黄ばんだブラ

      • 【短編小説】忘れごとの神様【ホラー/サスペンス】

         あたしの住む町には、忘れごとの神さまがいる。  願いが叶ったような気がした。あたしは顔を上げた。あたしたちは境内へと続く長い石段の中腹に立ち止まっている。三段上ったところに慶くん。五段上がったところに小夜子ちゃん。ふたりがあたしを振り返っていた。慶くんがいつもの笑顔で、小さく首を傾げた。 「どうしたの、マミ」  どうしたんだろう。あたしも変に思う。なんだか、ずっと上り続けているみたいな感覚。ううん、ちょっと違う。もう上ったはずなのに、また上ってる、みたいな、まるで一度攻略

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