サーベイ1.霞ヶ関キャピタル株式会社(3498)
“その課題を、価値へ。”を経営理念を掲げる霞ヶ関キャピタル株式会社。
同社は、社会課題の解決を軸にした不動産コンサルティング事業として、物流施設開発、ホテル開発、ヘルスケア施設開発、海外事業を展開しています。
社会財産である不動産の有効活用や開発、ファンド組成やアセットマネジメント等、様々な投資家の多岐にわたるニーズに対応したソリューションが強みになっています。
▶︎沿革
・2011年9月に創業
・2018年11月東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)へ上場
・2023年10月東京証券取引所プライム市場に上場市場区分変更。
・2025年1月時点の時価総額が1,406億円
▶︎ビジネスモデル
・下記の不動産コンサルティング事業のビジネスモデルを展開して、4つの収益ポイント(土地売却益、プロジェクトマネジメント報酬、売却成果報酬、アセットマネジメント報酬)を確保
・同社はプロジェクトの開発企画期間中のみ開発用地を保有し、その期間中のみ開発用地の保有リスクを負う(開発ステージに応じて開発オーナーが変更・継承されることがあり、開発投資家が開発リスクを負う)
・竣工後の物件は開発投資家から不動産投資家に売却され、物件の運営リスクは不動産投資家が負い、同社は不動産投資家からの委託を受けアセットマネジメント業務を請け負う
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①物流施設開発事業
└賃貸型の冷凍冷蔵倉庫が主
└首都圏、関西圏、湾岸エリア等が主たるエリアで、物流に2024年問題直近を商機と捉え、東京・大阪などをつなぐ中継輸送拠点となる中部圏でも開発を進行
└フロン規制や冷凍食品の需要が増加している市場の変化を捉え、業界特性として自家用の冷凍冷蔵倉庫が多い中、賃貸型冷凍冷蔵倉庫の開発に参入
└ 冷凍冷蔵倉庫の自動化の開発も進めて労働力不足や労働環境改善といった物流業界の社会的課題に対して貢献
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2024年8⽉期通期 決算説明資料より
②ホテル開発事業
└需給ギャップのある多人数向けの部屋をメインとした、4~8人のグループステイ向け中長期滞在型のホテルを中心に展開
└低い稼働率でも収益を生み出せる収益構造を少人数オペレーションやDX化で実現
└インバウンド需要に対応すべく、リゾートモデルやサウナ等の付加価値のある施設の組み込みを開発
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2024年8⽉期通期 決算説明資料より
③ヘルスケア施設開発
└ホスピス住宅の開発に注力
└これまでホテル開発等で培ってきたノウハウを活かした差別化
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2024年8⽉期通期 決算説明資料より
④海外事業
└ドバイ首長国を中心に展開し、日本の投資家がドバイ首長国に投資できる環境づくりを目標にノウハウ、ネットワーク、実績作りを進めている
▶︎組織体制
・金融や不動産の専門知識や資格を有する人財を確保
・社長直下でAI lab部門を有し、ホテル運用管理やトリップコンシェルジュ、ダイナミックプライシング、不動産査定などを推進
・財務本部を管理本部から独立し、事業開発を包括
・ドバイなど海外に対応できる人財を確保するためにGlabal Talent Acquisition部門を設立
・事業ごとに本部体制を敷き、本部内に事業戦略や新規事業を設立
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2024年8⽉期通期 決算説明資料より
▶︎財務分析
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同業他社と比較して、収益性が特別に高くはないものの、市場のニーズを捉えた事業展開を実現することで売上高成長率が高く、時価総額も高くなっています。
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2024年8⽉期通期 決算説明資料より
▶︎まとめ
・他社との差別化および先端的な事業開発を手掛けるための組織体制を構築することで、高い売上高成長率を実現
・収益性を高められるテクノロジーの活用を推進中