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2024年ボカロPはじめました(一年生振り返り〜前編〜)

この記事は、ボカロP Advent Calendar 2024の23日目の記事です。

はじめに


皆さん こんにちは🐑ボカロP一年生のAmunik AKと申します。
私は今年2月22日のボカコレ2024冬に「ナースコール」という作品でニコニコデビューしました。

ボカロに挑戦してまだ一年経っていない新参者ですが、一年間の活動や各イベント、作品への想い等をセキララ☆に振り返ってみたいと思います。
本音と想いを全て書いていきますので恐らくとても長いnoteになります。
今後ボカロPにチャレンジしてみたい方や、ボカロPさんてどんな事を考えて活動しているの?という方、Amunik AKの熱烈なファン(募集中)などに読んでいただければ嬉しいです。

ただ私の考え方、やり方は他の方とは違うかもしれません。
ボカロPさんが10人いれば10のストーリーがあると思いますので、あくまでこんなPもいるんだな〜という感じで読み進めていただければと思います。

さて、まず最初に結論からお伝えすると
私のボカロP活動一年目 2024年は最高に楽しくハッピーな年でした☺️
音楽を始めたての頃と同じくらい夢中で活動できました。
今年関わって下さった皆様、ありがとうございました。
愛してるよエイドリアン。

と、幸せな一年でしたが、しかしボカロ始める前は心配も沢山ありました。
実は私、ボカロ活動以前にも長い期間音楽をやっており、それらは主にバンドでの音楽でした。
バンドを休止した後、新しい事を始めようとボカロ界に飛び込んだものの、当初は大きな恐れと不安がありました。


【挑戦前の恐れと不安】


①ボカロについてあまりにも無知。かつ流行の楽曲をあまり理解できない
②新参者だから他のボカロPさん達にいじめられるかもしれない
③そもそも私の作品をみんなに見てもらえないのではないか

結果的にこれらはすべて杞憂でした。一つずつ掘り下げて思い出していきます😌

①ボカロについてあまりにも無知。かつ流行の楽曲をあまり理解できない

私は当初本当にボカロ楽曲を知らず(もしかしたら10曲も知らなかったかもしれない。千本桜しか知らなかったかもしれない)それが不安で当時
「どれどれどんなものが流行っているのかな?」
と最初に視聴したのが原口沙輔さんの「人マニア」でした。
初めて「人マニア」を聴いた時、私はぶん殴られたような衝撃を受け
「え?こういう前衛的なのが流行っているのか…」
「私もこういうの作れないといけないのか..?」
と、うろたえました。脅えましたwというか正直普通の歌物バンドで育ってきた私には良さも全然分かりませんでした(原口さん、ファンの皆様申し訳ありません。今はちゃんと良さも分かりますし愛聴させていただいてます)

ボカロ楽曲に対する勝手なイメージで、キャラクターの絵柄の先入観からもっとアニソンやアイドル系の楽曲が主流だと思っていました。もちろんそういう系統の作品もあるけど、しかし当時はアグレッシブなEDM系のものが多く目につきました。

最近ではボカロ曲の知識も増え、様々な作品に触れた事で理解も深まりました。ボカロ曲は本当に多様性に溢れており前衛的なものも多く、JPOPやヒットチャートの音楽以上に幅広さや面白さを感じています。

何でもありのバーリトゥード感。異種格闘技感。これが最初の感想でした。
そんなボカロシーンの中、私自身の音楽も豊かになっていった気もします。
思い返すと挑戦前のあの頃、私はもう音楽に飽きていたのかもしれません。そんな私にとって、このフィールドは新鮮で刺激的なものでした。

例えるなら私は今まで野球を一生懸命やっていたのに、急に現れた相手チームはバットじゃなくて巨大ハンマーを持っていました。相手のキャッチャーの防具は剣道の防具を装備してやってきました。
そしてそのハンマーは私の脳天を打ち砕いたのですw
私も特大しゃもじで戦ってみたいという心構えになりました。

書いてみたけどたいして上手い例えでもありませんでした。

②新参者だから他のボカロPさん達にいじめられるかもしれない

これは本当に杞憂で先輩ボカロP、活動者、リスナーさん、皆様とても優しく私を迎え入れて下さいました(心から感謝しています)。

今では活動者さんのお友達も増え、様々な交流から活動がより一層楽しめています。
それに加え、面白かったのは活動者の属性(年齢や職業等)がとても幅広いという点です。私はバンド時代から音楽活動の醍醐味の一つは「出逢えない人と出逢える事」だと思っていますが、ここではそれがより大きいです。
年齢ひとつ取っても中学生ボカロPさん、歌い手さんから ご高齢のPさんなどもいらっしゃいます。
職業もバラバラですが皆様精力的に活動されています。これにも刺激を受けました。多様性すごい😳
住んでいる地域も違えば環境も違う活動者さん達と触れ合う事は楽しく、私に刺激を与えてくれました。

また大きな特徴として作品の途中段階のもの(WIP<work in progress>という)をお互いに見せ合う文化も私には新鮮でした。
WIPの公開はボカロPの気の合う仲間同士でアドバイスや意見交換を求めて行われたりしますが、X(旧Twitter)上でポストする形で公開されている方もかなりの数いらっしゃって驚きました。
バンドの頃は、例え仲が良くても同じフィールド上の他のアーティストさんの公開前の作品を見たり、意見アドバイスする事がほぼ無かったため、これは面白い文化だと感じました。

※当初の不安「いじめられるかも…?アンチコメいっぱい来るかも?」

これらの事もあり私はこの一年、活動に孤独を感じる事がありませんでした。
バンド時代はメンバーもいたので、一人になったら活動はさぞ孤独だろうな..と予想していたのですが、実際はそんなことはありませんでした。
私は以前から動画も含めた作品、音楽に関しては詞・曲、全楽器の編曲、ボーカルディレクション、ミックスマスタリングなどを一人でも行っていましたので、バンド仲間や関係者からは「すごい」「天才」「チート」「キモい」などと言われたりもして(そんなに天狗👺になってもいないですが)そうか自分は結構すごいんだ。などと調子に乗ったことを思ったりしていました(恥ずかしい)。

一方、時々ふと少しだけそれを孤独に思う事もありました。

私もこれまで独学で全て覚えてきただけなので、何故みんなはもっと手を広げてみないのだろう?等と思った事もありました(←これは良くない独りよがり。みんな役割違うからね)。
私は本当はただ、歌や楽器、楽曲の事だけじゃなく動画制作や色んなアイデアをもっと仲間と話したかっただけなのかもしれません。

しかし飛び込んだ新しい世界では
そんな事 みんな当たり前にやっていました。

作詞作曲を行い編曲をし、ボーカルディレクション(ボカロの調声)、ミックス、マスタリングまで行う。
映像を作り(人によってはイラストも描く)宣伝、SNS運用、拡散のプランまで一人で考え遂行する。それがボカロPという生き物です。

そして私などが足元にも及ばないくらい、それら色々なタスクを上手に出来る方が沢山いて私の鼻をへし折ってくれました👺🔨
私はなんだかそれがとても居心地が良く、孤独は消え、気づけば音楽活動を始めた頃(高校生)のような気持ちで夢中で活動していました。

※誤解がないように補足しておくと、バンドはバンドでもちろん素晴らしいし楽しかったのですが、ここでは全員がほぼマルチかつプロデューサーであるという点が決定的に違う点でした。

③そもそも私の作品をみんなに見てもらえないのではないか

3つ目の心配ですが、これに関しては当初本当に自信がありませんでした。想像が出来なかったという方が正しいかもしれません。
おびただしい数の作品がある中、自分の作品が埋もれてしまうのではないか?そもそもボカロシーンのお口に合わないのではないか?…等
実は結構心配しました。ひとり悶々と考えていました😓

私の結論は、結局は良く分からないのだから(やってみないと答えは出ないし)自分の思う(こんなボカロ曲があったら良いなという想像で)作品を作るしかない。
ただ以下の事だけは守ろうと自分に誓いました。

誓いその1
「出来上がった作品は一切の手直しが必要ないと自信をもって言い切れるまで最後までやる」

※以前の活動では「この曲はいつかもっと良いプロ環境でレコーディングして..」「かっこいいMVもいつか作って..」等と考えていました。そういう考えは全て捨てました。
これが完成品でありこの曲の最終形態です!!というところまで徹底してやり切ること。シンプルに言うと一切の未練を残さないという事です。

▲楽曲の最終形態イメージ

誓いその2
「一つの作品に100万円のコストをかける」

※これは若干大げさな数字ですが、自分自身の工数も数字に入れています(まあ、ほぼ自分の工数なんだけど..それを惜しまないという姿勢)
そして良い作品を作るためには自分の力量だけでは補えない部分が絶対に出てくるので必要に応じて外注も積極的に取り入れていく(以前は外注に消極的で全て自分でやっていた)。
つまり実際に現金100万円を投入!ということではなく(Amunik AKは富裕層Pではありません😢)時間を含めてコストを惜しまないという意味です。

※例を挙げると恐らく最初の作品「ナースコール」は私の制作時間だけで(音楽+動画など)300時間くらいはかかってると思います(かけ過ぎw)。
これを時給2,000円で計算すると60万円になります。
プラス宣伝にかける時間や労力も
【私の時給】X【時間】= で 20万円くらい使ってるはず。
さらに必要なプラグインの購入費用の他、一部MIX等での外注などもありますので感覚としては100万円使っている!みたいな形です💵💵💵
(私の仕事が遅いだけとか言わないでw丁寧仕上げなんです)。

▲時間がかかったナースコールの戦闘シーン。ホウタイマンの名前考えるのにも2時間は必要。

誓い3
「世界に一つだけのアイデアがある」

上にも書いた通りボカロ楽曲をあまり知らなかったので、当初それが不安であったものの、いっそ割り切って逆にそれならそれで人と違う作品が作れるかもよ?と思うようにしました。

独創的なものが作りたいという志向が元々強いのもあり、私は実は元々リファレンスというものを一切使った事がありませんでした。
自然と耳に入ってくる音楽からどのみち影響は受けるので、もうここは我が道を行こう、見本は一切使わないぞと腹を括りました。

その上で「世界に一つだけのアイデアがある」と思えるかどうかを考えて作るようにしました。それは音楽でも良いし動画でも良い。本当に探せば世界のどこかにはあるのかもしれない。ただ少なくとも自分自身が「これは無いのでは?」と思える要素を作ろうと思いました(音楽である以上メロディーは恐らく完全一致は無いので世界に一つですがメロディー以外で..という意味です)。
大それた事ではなく、例えば「ナースコール」であれば映像ですが歌詞をクイズゲーム形式で出してくるMVというものはあまり無いかな?と思いチャレンジしてみました。
二作目に発表した「夕映えアフタースクール」では、楽曲の中にずっと学校のチャイムのメロディーを鳴らし続けてみる。というアイデアにチャレンジしています。
その程度の事でも、何かひとつでも独自の要素を入れていこうよという誓いです。

以上の3つの誓い。
これらは作品がウケるためだけではありません(ウケるためでもあるw)。
私自身がその作品を宝物だと心から愛するために必要な事なんです。

【初陣】ボカコレ2024冬「ナースコール」


さて、これらの誓いを胸に作った作品「ナースコール」を携え、ついに私は2月22日ボカコレ2024冬ルーキー部門(P活動開始二年以内が参加資格)にエントリーしました。

この作品を簡単に説明すると…
楽曲は8bitチップチューン風のディスコソングで物語の舞台は病院。
MVは可愛いナースさん達がたくさん出てくる架空の恋愛シミュレーションゲーム風の映像。しかし途中から超展開 分岐ルート「ゾンビ編」に突入、壮絶なバトルにより主人公死亡!しかし神様の慈悲により復活の呪文で復活!復讐を胸に誓う。

と、自分でも書いていて何でこんな事になったのだろうと今となっては理解に苦しむ内容です..

とにかく!!!これが勝負曲!!!投稿!!!ぽちっとな。
ボーカロイド最大の祭典!Vocaloid Collection(ボカコレ)!!!
これが私の初陣 -THE UIJING- となったのです!
いざ出陣じゃ🐚ホラガイ<ぶろろーん♪

応募総数は全体7,000曲オーバー、ルーキー部門だけで4,000曲オーバーでした。私はビビリ散らかしました。😢<噂に聞いてたより多いじゃん
しかもランキングは100位までしか発表されない(上位2.5%以内)という地獄設定👹)。
さすがに初投稿&まだまだXなどのSNS拡散力も無い私には到底無理な壁。
このランキングにいつか入りたいものの、私の当時の参加目標は「まずは初回は空気感を掴む」というものでした(実はこの時は次回2025夏でのランクインを目標に設定していた)。

ところが…

初回毎時ランキング(ボカコレは毎時人気動画のランキング発表がある)
99位..。
ギリギリ入っていたw 首の皮一枚…
「あれ..これ?もしかして最終ランキングもいけるんじゃ?」
欲が出てしまいました。
そしてそれ以上に驚いたのがニコニコ名物、例の流れる弾幕コメントです。
私の動画に沢山の嬉しいコメントがついていました。
この弾幕に私は鳥肌が立ちました。🐓🐓🐓感動しました。
😭<エイドリアーン!!!

そして..
「あ〜!これニコニコで見たことあるやつだ〜弾幕楽しすぎる!嬉しすぎる!」

そして..
「アー。アウ〜。ありがたいな〜😭」

そして..
「これもっと欲しいなw🤤じゅる(←もはや欲の権化)」


そして..
宣伝手段はXしか無いので、ポストでの宣伝を一生懸命行い
「ボカロPさん自薦お願いします」というポストにはリプで楽曲を紹介、営業し着々とコメントも増えて行きました。ホクホク☺️
※後で知った話ではランキング集計にはコメントはそんなにポイント加算にならない?らしいのですが、しかしとにかく私はコメントが欲しく、皆さんのコメで映像を彩ってもらうことが楽しかった(今までの私には無い文化だったので斬新だった)。

ランキングは期間中(4日間)毎日夜遅くまで起きて見ていました。夜遅くというか朝5時とかになっていました(楽しくて無我夢中w)。乗ったり乗らなかったり上がったり下がったり乱高下。上がれば喜び、ランキングから消えれば悲しい。(ボカコレの魔のランキングにいたぶられるAmunik AK💥🐏💥)

一方、Xでも少しずつ作品が広まり、私の作品を気に入って下さった方からの引用ポスト、感想での通知がだんだん増えて来る(嬉しい感想もまたアドレナリンが出るものです🤤)。
私の心も急上昇。さらにハイになっていく。ハイを超えてハイヤー、ハイヤーを超えてハイエストになっていく。

▲最終的に600近くもの嬉しいコメントをいただきました!

そして最終結果…

なんと52位という大変光栄な順位でランクイン!!🥳🥳

▲上位2.5%しか入れないランキングサバイバルは地獄か天国か。

こうして初のボカコレ楽曲「ナースコール」は私の思い出に残る作品になったのです。それはそれは嬉しかったものです。

めでたい! ϵ( 'Θ' )϶
めでたい! ϵ( 'Θ' )϶

めでたいが!!!!

がががのが!!!

ボカコレ最終日の翌日である2月26日私は人間ドックでした。

▲検査前日なのに最終結果に興奮で明け方まで寝れなかった人+ちょっとお酒も飲んだw

そして..検査結果
「脈が早すぎるよ君。普通の人の2倍くらいの速度あるよ」

アミュ「え?」

再(精密)検査決定!!!!w

ボカコレで色々無茶しすぎたせい。心揺さぶられた影響かも..
ドキドキしちゃったもんな〜…ときめいちゃったもんな〜
(しかしそれは先生には言えない)

こうして私のボカロPとしてのキャリアは再検査通知とともに始まったのでした(実話)。

「ナースコール」だけにな!!!!!!

つづく…かも(?)

※本当は2024年一年の参加イベント全てを書くつもりでいましたが、さすがに長くなりすぎますので、これにて前編終了とさせていただきます。

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