変な自販機たちとの出会い

秋葉原駅から岩本町方面に10分ほど歩くと、薄暗く異様な雰囲気を漂わせてる町の一角に出会う。
そこには、おでん缶だけじゃない様々な思いが売られていた。

薄汚れた自動販売機が10台ほどごちゃごちゃと並んでいる。
売っているものはジュース まむしドリンク ポップコーン パンダがプリントされた蒸しパン缶 おでん缶 乾パン 鈴 シャボン玉 昆虫のフィギュア 謎の箱

どれもこれも一貫性の無い変な物々
あれもこれもあまり惹かれない変な物々

僕は友人と一緒におでん缶を買った。しかし、箸は付いておらず、近くのファミリーマートで箸を貰いにお茶を買った。
おでんを食べるだけならファミリーマートで買えばいいけど、どうしてもおでん缶が食べたかった。
そしてもう一度箸があるか確認したけど、やっぱりなかった。
そういえば変な自販機たちにもお茶は売っていた

ふと、気づいた
僕らが惹かれがちなのは、綺麗な外装や液晶とAI、健全な健康的な飲み物にキャッシュレス決済可能かどうか。
便利なものについつい縋ってしまうと僕らは、きっと不便を許容できなくなってしまうかもしれない。
けど、今はこの不便さが楽しかった。

きっと以前の購入者も、箸が無くて困っただろう。
幸い僕らには箸を探す時間があった。

自販機たちの横でおでん缶を開けた。
道路の端で食べるおでんは美味しく
そしてぬるかった。

僕らは思い出を買ったんだ。

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