【ゲムマ2024秋】アンケート結果から見るゲームマーケット
本記事はゲームマーケット2024秋に弊サークルのブースにて実施したアンケートの結果の共有である。
サンプル数はN=113。2024秋ゲムマ全体の入場者数である26,000人を母集団とすると、許容誤差は10%、信頼区間は95%である。ちょっとサンプル数が少ないが、大まかな市場概要をつかむには必要十分かと思う。
ただし「弊サークルに来た」という属性がついていることには注意してほしい。
以下のスプレッドシートの1シート目に当日使用したアンケート用紙を、2シート目に結果を入れている。
個人は特定されないとはいえ、パーソナルデータを含むので一応ルールを設けておく。
アンケート結果は誰でも使用できる。営利、非営利を問わない。
アンケート結果について一切の誹謗中傷を認めない。アンケート項目や、サンプル番号1~113番のデータ以外に対する誹謗中傷は認めるものとする。
データ使用に際し、引用や参考文献等への記載は一切不要である。ただし、記載してもらえると私が喜ぶ。引用したことを教えてもらえるともっと喜ぶ。
以上3点。後は常識の範囲でどんどん使用してほしい。
さて、各アンケート結果について考察いきたい。
ただし、ここからの内容は集計の仕方やデータの見方に私のバイアスが入ってしまっている。アンケート結果という数値根拠付きの考察なので、かなりの説得力が生まれてしまっている。考察が180°真逆ということは無いだろうが、集計の仕方で若干のニュアンス違いは出るだろう。
折角、生データで共有しているのだ。自分でいうのもなんだが、アンケート結果の生データはそうそう公開されるものではない。まずは自分で色々集計してみることをおススメする。
初見は1回しかない。後でここに戻ってきて、私の考察と自分の考察を比較してみる方が面白いと思う。
好きなゲーム形式は?
この結果だけでもみんなに知ってほしいから一番上に書く。
ユーロゲームの傾向から直接攻撃は避けられがちだと言われているが、ゲムマシーンにおいては直接攻撃ありのゲーム方が好まれているという結果。
この結果かなり衝撃です。結構な人数の人が直接攻撃のあるゲームは避けられがちだと、のたまってたと思うけど、嘘やん。
ちなみに私もどこかでのたまってます。恥ずかしいので見ないでください。
作品を選ぶ決め手は?
ルールが多いのはまぁ。
どっちかというと、選択されていない項目のほうが重要な気がします。
「ルール」を選択していない人、結構いるんですよ。これアンケートの一番目の選択肢なんで強い意思を持って選択してないんでよね。
つまりルールを重要視しない層が一定数いるということです。
このデータのせいで生データでの公開にしています。ホントに空白に意味があります。1回、自分でアンケートに答えてみればわかります。
さて、弊サークルが試遊会に行っていないせいなのか「試遊会・前評判」を選択した人少ないっすね。
ただ、これを鵜呑みにしてはいけません。
試遊会はT.斎藤氏もおっしゃっているとおり重要です。
なぜなら他薦されるからです。(私出たことないんで予想になってしまいます。誰か、試遊会の重要性を言語化してもらえるとありがたいです。)
これ、一周廻ってそのうち言われ始めると思うので先に書いておきます。
同人ボードゲームという狭いコミュニティの他薦はそのうち問題が出ると思います。
個人的にはすでに出ているんですが、具体例を挙げると個人攻撃になってしまうんで自重します。
まぁ、今はフォアシュピも始まったばかりなので効果も絶大だし出るべきだと思いますけどね。
年齢
圧倒的に30代が多い。これはターゲティングとして有効ではないか。特に2次創作系ならその世代に受けるように作ると良さそう。例えば、ドラえもんのゲームなら、わさびえもんよりのぶ代えもんのパロディの方が受けそうとか色々使える気がする。
職業
これ結構面白いと個人的には思っているんですが、ゲムマって結構ニッチなのでフリーランスとかパートが多いのかなと思っていましたが、ほぼ会社勤めなんですね。
男性女性問わずそうなので、経済的に自立している方が多いってことです。
後述の「作品を選ぶ決め手」の項目と併せてみるとわかるが、決め手に「価格」を選ぶ人は少なく、家計が独立している人が多いということは低価格戦略は意味がないことがわかります。
え?今回の弊サークルの頒布物?低価格戦略だよ…。
普段何人でプレイする?
圧倒的4人。まぁ妥当。
3人までのゲームは忌避されそうな人数なのが面白いですね。1人余っちゃいますし。
5人以上の人も多い。5人以上で遊べる正体隠匿以外のゲームってあまりないのでブルーオーシャンかも。2割は5人以上なので需要はあるでしょう。
好きなプレイ時間は?
やはり、重ゲー好きはマイノリティです。ただ、30分以内の超軽ゲー好きが少ないことも読み取れる。
ただ、ゲムマ頒布作品のプレイ時間とは相関がなさそうなんだよなぁ。たぶん同人ゲームはアイスブレイクに使われていることが多いと思うんで、難しいところですな。
中量級以上のその日やるメインゲームになりえるものを頒布したいなら参考になりそう。
リプレイ派?
リプレイ派多いっすね。まぁウチのゲーム会でもリプレイ派が多いので納得です。
残念ながら私がノンリプレイ派なので私のゲーム会は今後もノンリプレイです。主催サイコー。
情報収集を始める時期
早く広報始める分には問題ないと思うんですけど、どこから本腰入れないといけないのかわかりやすいですね。
新作発表タイミングは色々な戦略があると思うので、情報収集時期とリンクはしないのでしょうけど。
AIイラストを使った作品をどう思うか
この結果は、回答者の理解度と心理を考える必要があるので非常に難しいです。
一見、「どうも思わない人」が多く、次いでネガティブよりの意見が多くなっています。では、ポジティブ寄りの人の割合は少ないのでAIイラストの使用は全体でみるとマイナスなのでしょうか?
違います。
どうも思わないとは、AIイラストだろうがイラストレーターの作品だろうが美麗な方がいいという人です。つまり、AIイラストに忌避感がない、もしくはAIイラストだと判断できない人が大多数だということです。この結果をどう使うかはあなた次第です。
ただ、ネガティブよりの3割はクリエイター寄りなのを忘れてはいけません。あと、3割って結構でかいですよ。
私はAIイラスト反対派なんで、この結果を持ってもAIイラストは使いません。クリエイターたるもの他のクリエイターをないがしろにしていいとは思ってないんで。著作権法がどうとかじゃないんだよね。つーか、法的にセーフなら何してもいいと思ってる方が問題だと思うけどね。
自薦
考察したくねぇぇぇ。グラフも出したくねぇぇぇぇ。
そっ、そうだよな・・・見たくない事実から逃げてもいいよな・・・
私はマインドが小学生男子のため、ダセェことしない主義なので今後も自薦しません。
広報
どこかの反省でゲムマ公式は広報効果が薄いみたいなこと書いてましたけど、2割は公式ですよ?SNSと違い反応がないゲムマ公式は手ごたえを感じにくいだけです。主観ってホントあてにならないです。皆さん気を付けましょう。
あと、きたこし店長ありがとうございます!
きたこしちゃんねるで知っていただいた方が15%もいます。
きたこしちゃんねるでの紹介には1時間かからず申し込み終わりますし、作業時間当たりの効果は一番だと思います。
びーている氏にも指摘されているが、弊サークルの広報は質・量とも最底辺です。
今回の広報はアンケートに合わせて、ハッシュタグキャンペーンやプレゼントキャンペーン、ブログ等での紹介キャンペーン等への参加は一切行わないようにした。これはアンケートの結果を極力ブレさせないためである。なにやってんだろ、俺…
今後新規にゲムマ出展をする場合、だれでも簡単にできる「X」「公式サイト」「きたこしちゃんねる」だけやっても8割方認識いただけるということである。
また、ソートしていただければわかるが、会場で初めて知っていただいた方のうち14名が購入している(アンケートに答えてない人もいるのでこれ以上の人数ではあるが)。
新規出展にあたり広報のハードルは結構高いと感じると思うが、上記3つだけでもこの結果であるし、会場で初めて見て買っていただける方も少なくない。
いくらなら買う?
2,500円でも買うんだって。700円違えば110個頒布してんだから約8万じゃねーか。牛丼何杯食えるんだよ...
やっぱり、低価格戦略は意味ないっすね。
また、このレベルのコンポーネントとルールだと2,500円くらいが妥当だとわかっただけでも良しとしよう...
ダンピング、ダメ、絶対。
Drop Inkの感想をSNSで投稿いただけますか?(以下、SNS割)
この取り組み、最高です。すでに6件ほどの感想いただいています。ゲムマ後の休日を待たずにですよ?!
300円で遊んだ感想を購入できるなら私的には破格です。別に儲けたくてゲーム作ってませんし。
よく、「製作者は感想を欲しがっているので是非つぶやきましょう」とかXで見かけますが、購入者だって感想を書く時間をわざわざ割かなければいけないわけで、製作者も身銭を切りましょうよ身銭を。
ゲムマ特価とかいって二重価格表示するくらいならおススメです、SNS割。
ただしフォローさせようとしてくるのはクソなんでダメです。
最後に
新規でゲムマに出展しようかなと考えている方にとって、アンケート結果という比較的バイアスのかかっていないニュートラルな情報は貴重だと思う。今後の同人ボードゲームシーンのために各々ご活用いただきたい。
アンケートに参加いただいた多くの方々、ご協力ありがとうございました。
今後とも、徹夜朗読会をよろしくお願いいたします。