闘病戦線異常なし 2024年7月22日 冷麺

急に冷麺が食べたくなった。

冷麺とは朝鮮北部の食べ物で、文字通り北朝鮮の平壌(ピョンヤン)や咸興(ハムン)の名物で、平壌冷麺やら咸興冷麺と言ったりするが、韓国では水冷麺、ビピン冷麺という。でも私には地名を名乗った方が美味しく感じる。古くは高句麗の時代から食べられたとか聞く。

2018年の南北首脳会談の折に、金正恩第一書記が当時の文在寅大統領に名店「玉流館」の料理人を伴って、本場の平壌冷麺を供したという報道があったのを思い出した。日本だって関東と関西だと食文化が変わるだろう。それと同様に考えて欲しい。ラーメンも札幌ラーメンと博多ラーメンとでは全く異なるのと同じという訳だ。韓国では冷麺をハサミで切るが、北朝鮮ではそんな事はしない。

冷麺は暑い夏の食べ物かと思いきや、寒い朝鮮半島北部でオンドルでガンガン効かせて食べるのが、本場の食べ方らしい。

私も流石に本場の平壌冷麺は食べたことはない。中国遼寧省瀋陽市の北朝鮮レストランで冷麺を食べた位だ。しかしながら、真冬に中国と北朝鮮の国境の都市延吉で名物の延吉冷麺を食べたことがある。ひどく美味かったのを覚えている。外は零下20度というのに、地元民が無心に冷麺をすする。やはり国境で中国朝鮮族(=朝鮮系中国人)が食べるので朝鮮北部の食べ物というのは間違いないようだ。

ここで、面白いのは冷麺にも松竹梅があり、冷麺に8元、12元、25元といちいちあるのだ。それが、それぞれの価格で味が変わるのならいざ知らず、そうではない。エビがトッピングされてて豪華だ、とか言う理由で値段がかくも変わるらしい。

この辺はわれわれ日本人からしたら、感覚がちょっと異なると思う。ラーメン一杯食べるのに、他の人とはそんなに大して変わらないのに、「俺は25元の冷麺を食べるんだぜ」等と考えながらだろうか。そこは「見栄による消費」だろう。それは文化の違いなんじゃないかと思う。麺とスープの基本さえ押さえておけば変わらない!

神戸市長田区には日本最古の冷麺店「元祖平壌冷麺屋」がある。むかし東京都台東区柳橋にサンムーンという本場平壌の老舗「玉流館」で修行した料理人のいる店があったが、残念ながら訪れることなく閉店してしまった。

また日本風にアレンジされた岩手県の盛岡冷麺や大分県の別府冷麺もある。別府では冬に冷麺を食べようとも暖かい温泉で身体がポカポカになるから何の問題もないという訳だ。

私は盛岡冷麺は食べたことはない。しかしながら岩手県のアンテナショップで冷麺のセットが売っていた。盛岡市を舞台とした2007年のNHK朝ドラ「どんと晴れ」でじゃじゃ麺、わんこそばと並んで盛岡三大麺として登場していた。

別府冷麺は朝鮮冷麺というよりも和風ダシだったので、最初食べた時はちょっと違和感を感じたけど、食べ慣れると美味しい、ハマってしまう。別府市内には、釜の上に製麺機がありオーダーするとトコロテン式にいちいち作ってくれるのだ。全くたまったもんじゃないぜ!大分に行くとよく食べたものだ。別府や大分市内では焼肉店で別府冷麺セットがあり1人でも入りやすい。

大分では夏季限定で別府冷麺が販売されていた。ローソンでも九州地区限定で夏メニューとして販売されていた。

いつぞやか咸興冷麺(ビピン冷麺)を作ってみた。麺はKALDIで「きねうち冷麺」という商品が売ってある。業務スーパーにも冷麺が売っていた。

鍋の上に製麺機がある
別府冷麺。どこの店か失念した。
春香苑の別府冷麺
店内の朝鮮画が見事だった。金剛山か。
乃木坂46の衛藤美彩が来ていた
大分のセブイレブンで夏季限定販売の別府冷麺
自作した咸興冷麺(ビピン冷麺)


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