『小さなお葬式』
冷泉さんのグッドマネジメント
さまざまな葬儀のデータを大量に収集・集積させて価格が見える化できるようになれば良いと考えます。
介護や葬式のタイミングというのは絶対に来ますが、普通に生活していてそのことについてはあまり注意を向けないのが一般的ではないでしょうか。
なので、文化的にも「もっと皆さん備えましょう」という風潮へと向かわせることが重要です。そして、僕自身が『葬儀Chat GPT』のようなものを作るので、それに質問することで良い葬儀屋なのか悪い葬儀屋なのかデータベース検証させるようにします。
それ以外にも葬儀に際してこういうものを用意しましょうとか、こういうことに留意しましょうということを葬儀GPTが教えてくれるようになるのです。
葬儀場というのは自分たちにとって血縁が集うことのできる神聖な場所だと僕は考えています。そうした神聖な場所で暴利を取るような輩は人間ではないと感じます。
だから・・・、全部、ぶっ潰しに行こうと思いました。出過ぎた葬儀屋へ焼き打ちかけに行きます。
ロビンのグッドマネジメント
このネガティブですが、グッドマネジメント総合研究会随一のクソな案件だなと感じています。互助会が『小さなお葬式』を企業買収して、地域の葬儀業界を寡占状態に置こうとする事案を見ても葬儀業界というのはこんなに真っ黒なのかと反吐が出ます。
それでは市場原理も働かないし、価格コントロールも自由自在という状況です。
冷泉さんのように価格の見える化サービスで戦うのが唯一の戦い方ではないかと思います。しかし、急先鋒であった『小さなお葬式』はそうした既得権益を貪る互助会と直接向き合ったら潰されてしまったわけです。反吐が出る。
オレもこんな業界と戦うことは不可能だと感じるので、そうなると自分の考え方を変えるしかないわけです。
そのためには各人が自分が死んだときにはどうするかを明確に指示しておき、間違っても現在の葬儀業界に金を渡さないようにして、その業界を根絶やしにすることが大事です。自分自身でオペレーションが効きやすい生前葬のような形態もあります。
論理が飛躍しますが、今の自分の集約した思いをキチンと伝える場でありたいとオレは考えます。そういう意味でいうとグッドマネジメント総合研究会というイベント自体も葬儀のようなものだと言えます。
まとめると、今の葬儀業界にネガティブなイメージを抱いても勝負にならないので、自分が現在や明日からどう生きて周囲の人に苦労をかけないかを考えることでしかグッドマネジメントはなさそうです。
自分がイヤな思いをしてしまったことを後の世代に繋がないようにしていくことです。
仮面の男のグッドマネジメント
『小さなお葬式』って本当に素晴らしいビジネスモデルだと考えます。そもそも、新規ビジネスの斬り込み口は『情報の非対称性』というところの中に存在します。
要するに、AさんとBさんがいたと仮定します。Aさんはある商品やサービスにおいてどの価格が正しいのかわかっていない状態で、Bさんは適正価格がわかっている状態でのAB双方が保有する情報、つまるところ価格差のギャップです。
例えば、世の中のほとんどの人は葬儀で使用するベニヤの棺の適正価格が4万円なのか8万円なのかはたまた15万円なのかわかりません。
この会場内で適正価格がわかる人がいますか?いないですね。こういう知ってる人と知らない人の間にものすごく情報の量の非対称性が存在していた場合、そこがビジネスの切り込むチャンスです。
そういう不透明な部分を可視化していく。
中古車の世界でも同じようなことが言えます。走行距離1万kmのクラウンで登録3年後という車体価格が200万円なのか300円なのか一般ユーザーはわからないですよね。しかし、今の時代は大体みんなが相場は220万円ってわかります。
これ何でかといえば、ウェブ検索すると中古車に関するいろんな事例があるので比較検証が可能だからです。そうやって相場形成っていうのがされていくので、小さなお葬式や価格.comみたいなビジネスが生まれると情報の非対称性が減少し、顧客不利がなくなります。
最初に言いましたが、小さなお葬式というサービス自体は良いビジネスモデルだと考えます。
ただし、デメリットもあります。価格が相場形成されていくと、差益を抜きにくくなります。そうなると必然的に『デフレスパイラル』が起きやすい状況となります。
カンタンに説明すると、全ての値段が開示されるので、1ヶ所だけ価格が高いところがどんどん売れなくなります。そうなると際限ない低価格競争になっていく問題が発生する状態がデフレスパイラルです。
葬儀業界でも人材不足は深刻な問題だと想像できます。おしゃれなインテリア家具を作りたかったけれども、生活のために仕方なく棺を作っているという職人も必然的に存在するでしょう。しかし、そういう人たちが価格競争に巻き込まれていくと働けど働けどラクにならずの流れとなります。
『小さなお葬式』のようなビジネスには常に功罪が存在しています。
私自身『小さなお葬式』ができたとき「天才的なビジネスモデルだな」と感嘆しました。ただ、悲しいかなそうしたスタートアップ企業が既得権益を保有する既存の企業に買収された結果、結局のところ広告集客装置の1つでしかなくなっている現状です。
現状では、本来のサービスの意図と実態が違うものになっており、誰にも何の利便性も生み出さないものになってしまった悲劇だと捉えています。
なので、ユニクエストの社長さんにお伝えしたいのは、もう一度『小さなお葬式 Part.2』みたいな、市場に相場を作るために情報の非対称性を潰すという事業を再装備して、改めて葬儀業界にイノベーションを起こすとともに、価格競争になりすぎるのではなく、葬儀業界のプロフェッショナルな人たちがちゃんと適切な付加価値を取れるような市場相場を作り上げていただけると、全員がハッピーになるのではないかと提案します。
また業界自体の成熟性の問題もあります。タブーゾーンに誰もこれまで切り込んで来なかったので相場形成ができあがりにくくなっていたと想定します。それは、未だに僧侶に支払う戒名のお布施相場がわからないことからも読み取れます。
ここで、冷泉さんにお願いがあります。『葬儀価格.com』のようなサービスを作って相場を比較できたり、皆で適正価格について自由に討論できるマーケットプレイスを提供していただきたいです。
竹下さんのグッドマネジメント
このネガティブを発信したNさんは、しめやかなお葬式を出そうと『小さなお葬式』に申し込んだのだと考えます。
ところが故人の開いた目を閉じるだけで何万円も追加で支払わされたりと、予想しなかった支払いが増えていくという事態に陥っています。
これと似たようなシステムに結婚式があります。結婚式も追加でどんどんお金が加算されていきます。なので、『小さなお葬式』というサービス名ながらも顧客を絞って、めちゃくちゃなお葬式をしたい人に門戸を拓くのはどうかと考えました。
見方として「何をするにも金がかかる」のではなく、「お金さえ出せば何でもやってくれる葬儀屋」に方向転換すればいいのです。
つまり、どういうことかと説明すると、葬儀中、唐突にフラッシュモブが始まるとか、ドラムマシーンを導入してレイブパーティのような雰囲気になり、木魚がリズムに合わせて叩かれたり、あとは火葬場の炉の中にカメラを仕込んでライブ配信するなどです。
最後のお骨拾いのときには、骨ソムリエなる人物がやって来て、「この喉仏は見事ですね」と遺体の各部位を品評したりする演出も含まれます。
仮面の男:
僕、先日の祖母の葬儀のとき喉仏のこと言われました。
司会者:
あれ、何を根拠にして言うてるんでしょうね。
竹下さん:
どこかに喉仏の基準があるのかも知れませんね。
仮面の男:
竹ちゃん、それめちゃくちゃ良いね。ブランド化していくんですよね『おもろいお葬式』とか『コスパ最強お葬式』とか、私、おかげさまで今アイデアに溢れてちょっとこの業界に参画したくなっています。
途中経過:グッドマネジメントポイント
冷泉さん :11.05点
ロビンさん :11.35点
仮面の男さん :11.15点
竹下さん :12.06点 【暫定 1位】
いよいよ次回は最終戦です。
提案後のフリーディスカッション
仮面の男:
ちょっとだけいいですか。皆さんのお話しを聞いていて僕自身としても葬儀自体はアップデートされるべきだと思いました。そして以前、阿守さんのお父さんの葬儀に行ったときのことを思い出しました。
葬儀会館の音響システムをハイジャックして、夜通しライブ会場みたいに爆音でヘビメタが流れて、遺体が安置されてる壇上の照明もあおりまくって皆でヘッドバンギングしてました。葬儀当日にお坊さんが使用する大きい木魚を灰皿にしたりめちゃくちゃでした。
でも、その光景を見てた近所の田舎のお爺さんお婆さんたちから「これは故人も寂しくないわ」とか「お前らもっと朝まで騒げよ」と言っていただいて、すごく素敵な葬儀だったなと思います。
何が言いたいのかというと、形式ばかりに捉われるのではなく、そういったことに理解を示して許してくれるプロフェッショナルな葬儀屋があれば、葬儀という儀式に感動が起きるし、葬儀という文化も悪くないと感じるようになるのではないでしょうか。
冷泉さん:
介護と葬儀は本当にみんなで今のうちに勉強しておきましょう。それで解決する問題だと思います。