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《木曜会が1周年を迎えるので》

僧になった冷泉とヒゲの男が週に一度の「木曜会」を開催して1年を迎えた。2人はコロマンサなる店、他とは一線を画す特異な雰囲気の店が作り出す、ゆるりとした集まりであれば会自体は長く続くだろうと考えていた。実際、そうだった。しかし、振り返ってみると会のスタートは順風満帆ではなかったようだ。

それは相手がコロマンサなる店の主人、版画家で狂人の柿坂万作だからだ。

もしかしたらですが、木曜会、コロマンサはアカンかもしれないです。

昨日、万作さんから木曜会を開催するのであれば「冷泉さんと阿守さんは木曜日はアルバイトということですな。ドリンクや、オムライス、食器洗いとか、やってもらいます」って話をされて、話が違うってなって。

揉めかけて。話が通じない様子で僕が怒りかけたのですが、話がわかる相手やと気を許してたらアカンですね。

冷泉からヒゲの男へのLINEより引用(2023.01.28 09:31)

入店したときの万作の雰囲気から、なんか痴漢みたいな目でこっち見るなあと感じてて、違和感ありました。

冷泉からのこの話しを聞いて、腑に落ちました。なるほど了解しました。

木曜会自体は走りだそうとしているので、場所については近日中に打ち合わせしましょう。

話しが通じない中、冷泉ありがとう

ヒゲの男から冷泉への返信LINEより引用(2023.01.28 10:52)

改めて1年前のLINEなどを読み返していると、木曜会がスタートする2月の直前まで場所を北浜のコロマンサにするかどうか悩んでいたようだ。

結局、この後にどういった話し合いがあり木曜会が開催できることになったのか時系列を追っていこうと考え、ヒゲの男はこの翌日のLINEでのやり取りを振り返る。

自らトラックに跳ねられに行かないように。なんでもかんでもはしないし。
回避することも大事に考えてます。体、鍛えてみますか?
チンポコも元気になります。

冷泉からヒゲの男へのLINEより引用(2023.01.29 21:14)

誘ってくれて、ありがとうございます。身体を鍛えるのは今は不要です

ヒゲの男から冷泉への返信LINEより引用(2023.01.29 22:04)

やり取りを見返しても大した話し合いはもたれていなかったようなので、ヒゲの男はアホらしくなってLINEを閉じた。案外、惰性でスタートしたのであろうとも思う。

さて、北浜にある猫のひたいのように小さな店コロマンサの『木曜会』には現れる頻度が極端に多いメンバーがいる。

冷泉、ヒゲの男、万作は常駐だが、ファラオとアラタメ堂のご主人と浦部君、そして店の常連の不思議な女だ。この不思議な女は木曜会とは関係なく単一の勢力としてコロマンサに来ていたが、いつからかなんとなく木曜会に吸収合併されたような気がする。

栄枯盛衰が猛スピードで繰り返される大阪市中央区にて、ここまで何も変わらないものがあるのは堺筋の東側ならではかも知れない。と思って、堺筋の西側の会社に私は属すこととなったが、先述した現象には東も西もないことを知った。

しかしながら、木曜会に顔を出してくれる多くの人たちと大いに飲み、大いに語り、歌い上げる夜が週に一度あるのは良いことだ。連日連夜ではないというのが、またありがたい。ヒゲの男がコロマンサを経営して連日連夜のように酩酊していた頃は、失っていく1日の日々に後ろめたい気持ちがあったように思う。

他人から2023年の木曜会で一番のトピックは何かと聞かれれば、忘れもしない『万作の鉄拳制裁事件』という抱腹絶倒のエピソードがあるのだが、これについては書けるようなことではないので控えよう。

コロマンサ:入口

この赤い階段を上がって
ふざけたボロいガラス戸を
押したら店内に入れます☻

ドリンクはキャッシュオンです💰

お店のオーナーは狂人なので
深く関わらない方が吉です。
よろしくお願いします☻

冷泉発信の木曜会の案内:定型文

ヒゲの男は冷泉が発信する上記の「木曜会の案内」の定型文が好きだ。
特に【深く関わらない方が吉です】という文言は秀逸。

冷泉はあらゆる人を呼び込み、今後はヒゲの男もあらゆる夜を曇りなき眼で記録していこうと考えている。今はそんな気持ちだ。狂人の定義をきちんと明確にして、このような夜があったのだと言語化・文書化して後世に警鐘を鳴らしておくのは自身の役目だと自負している。

木曜会なしでは、コロマンサは終わるのだそうだ。

万作は照れくさそうに冷泉とヒゲの男に向かって「お客さんが来て、お金をくれる木曜日が待ち遠しいんですわ」と口にしたことがあった。つくづく、おもしろいおっさんだなと感じる。

木曜会の日誌をお楽しみに。

ちなみにここに出てくる冷泉というのはこの人のことだ。今さらか。


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