不便なイタリアのバス
今回は滞在先がフィレンツェ郊外だったのでよくバスに乗った
あとはイタリア国内旅行でもいく先々の都市でバスを利用したのだが、とうとう「罰金」を課せられることに・・・・
☆そもそもが
イタリア語がわからないので時刻表の見方がわからない(笑
休日と平日とかはわかるけど、時刻表を見ても自分が乗車する場所のバス停の表示がない(どうやら主だったバス停名しか記載されていない)
バス停の時刻表は見てもよくわからないので、私はもっぱらスマホアプリ活用していた GPSで近くの停留所を探すこともできるし、乗る場所と行く先の停留所を入力すれば何時のバスが来るか確認することができる
☆便利なスマホアプリ
使っていたスマホアプリは「at(AUTOLINEE TOSCANE)」というトスカーナ州を走るバスの会社のもの
アプリがあればアプリ上でフィレンツェなどの都市の各市バス(autobus)と都市間、もしくは都市と田舎の町を結ぶ長距離バス(Pullman)、フィレンツェを走るトラムのチケットを購入できる
使用方法はいたって簡単で、乗車の際にチケットを使用する開始ボタンをクリックするだけ
開始ボタンをクリックすると有効な残り時間が表示される
検札が回ってきた際にこちらの画面を見せただけだった
ちなみに、チケットは1回90分利用が可能でバスもトラムもその間は乗り放題となる(都市によって若干違いがある)
スマホアプリのチケットではなく、従来の紙のチケットを使用する場合は必ず乗車の際にチケットに刻印をしないと検札の際に罰金を支払わされるので要注意(昔よりも厳しくなっている印象、観光客でも容赦ない)
☆スマホアプリは便利だけれども
スマホアプリがどんなに便利でもバスに関して何度か失敗した(笑 Novellaたちに聞いても普段バスを使わない人にとってはイタリア語がわかってもわからない。という現実も(笑
◆失敗1:バスは遅れてやってくるものと思え
同じトスカーナ州のシエナ県に住む日本人の友人宅を訪れた時のこと
友人と何度もやりとりしてバス停、時間を確認して当日朝はNovellaに通勤経路を遠回りしてもらってバス停に降ろしてもらう
「ここで待つのよ!」と車を下ろされてバス停の表示板を見るが印字が薄くてよく見えない Google mapで確認してもここであってはいるようだ
イタリアのバスは10分、15分遅れてやってくるのはデフォルト
自分の乗車するバスの時間に乗る予定の131番のバスがやってきた
友人から「同じ131番でもordinarioとsiena rapidaがあってどちらもシエナには行くけど、ordinarioじゃないとうちの街には停まらない」と言われていたので運転手に友人の住む街のバス停に停まるか訊ねたら「No」と言われる
「まぁ時間通りに来るわけないか」と待つこと15分
またまた131番のバスが来て運転手に訊ねるも「このバスは停まらない」とのこと
20分待っても来ず
Googl mapの経路案内を見ると乗る予定のバスは地図上ですでにこの停留所を通り過ぎていた
「え?ひょっとして私の発音が悪くて運転手に通じなかったのかも?」
友人の街行きのバスは1時間に1本なので、仕方なく一つ手前の停留所前にある大型スーパーで次のバスを待つことに
今度は乗り損ねないようにと予定時刻の10分前から停留所でスタンバイ、定時ちょっとすぎて131番が来たがこれはダメなやつ、次を待つ
待って待って定刻15分すぎた(ここまではほぼデフォルトだ、心配ない)
さらに5分(本当に大丈夫か?)
Google map上では乗るはずのバスはとっくに過ぎているが、さらに5分すぎたところでお目当てのバスが来た!
ここで気づいた、、、
Google map上のバスはGPSでリアル情報ではなくて、単に定刻で表示されているってことに
ということは、最初に乗り遅れたと思ったバスもあのあとちゃんと来たんだな。。。
日本は電車にしろバスにしろ時間がとても正確
電車の場合、少しでも送れようものなら「お詫びのアナウンス」が流れるがイタリアでは「遅れるのはデフォルト」なのでここはもう不安にならずに待つしかないのだと学んだ
◆失敗2:チケットは行く先に合わせて種類を確認して買うべし
実はいまだにわかってないのだが、スマホでチケットを購入する際に種類を選ぶことになる
Novellaの家に週に2度やってくるハウスキーパーのMariがバス通勤なので聞いたら「フィレンツェ中心を走ってるバスと同じチケットでOKよ」と言われていたので滞在先とフィレンツェ中心の往復はそちらを選択して使用していた 検札がきた時も画面を見せて大丈夫だった
それで友人宅に行く時もそのチケットで行けるのかな?と思ってそのまま使用して乗車
しかし、バス車内の定期とチケットの料金表を見ると距離に応じて価格が違うことに気づいて友人にメッセージしたら間違っていた(汗
「そりゃそうか、県を跨ぐ距離をフィレンツェ内を走る料金で乗れるわけない」
友人が普段使っているバスアプリと私の使っているものが違うため、彼女に聞いても詳細が分からず「もうそのまま知らん顔して乗ってたら?多分検札来ないよ」と言われたが、「そういう時に限って」ということがあるのでなんとしても正しいチケットを入手したい
アプリ内をくまなく見てようやくちゃんとしたチケットを買うことができた
私が最初使ったチケットは1回1.7€、友人宅までのチケットはなんと6.9€だった
1.7€分損をしたと思えば損をしたけど、万が一、検札にあってたら何倍もの罰金を払うことになったかもしれないのでほっとした
当たり前だが、チケットの種類はちゃんと確認して買うべし・・・
(その確認がイタリア語力が足りなくて手こずるんだが)
◆失敗3:バスの時刻表はちゃんと確認しておくこと
これもまた当たり前なんだが
友人の街とフィレンツェを行き来するバスの時刻表をさっと見て「あっ、1時間に1本ね」と思い込んでいたら、バスのない時間帯があって友人にバス停まで送ってもらってから気づいて1時間、時間潰しする羽目になった(笑
天気も良くて写真を撮り歩いていればすぐ1時間はすぎたけど、時刻表はちゃんと見ておこう(笑
☆紙のチケットの刻印は必須!
バスも列車も電子チケットも使えるようになったが、相変わらず従来の紙のチケットもあるのでバス・列車利用の際イタリアでは紙のチケットは「刻印必須」だ
これは1995年に初めてイタリアに来た時から変わらない
今回、トリノとラヴェンナでもバス利用したのだが、トリノのバスチケットは刻印式ではなくて、バス内の機器にチケットをかざすタイプだった
10年前までのイタリア旅行でバス利用した際に検札にあったことは皆無だった
とはいえ、「刻印必須」は重々心得ているので刻印はしていた
が、今回のイタリア滞在中は本当によく検札にあった
そのたび、「ちゃんと刻印(アプリならスタートボタンクリック)してるもんね」と胸張って見せてきた
それなのに、、、、ラヴェンナでバスを利用した時のこと
1時間近く乗車する距離のバスだったので行きと帰りのチケットを駅のキオスクで購入してバスに乗った
もちろんバスに乗る際に運転手席脇にある刻印機にチケットを通した
通したのだが。。。。
☆まさかの罰金!
ラヴェンナへは日本人の知人と2人旅だった
彼も私もバスに乗車の際にチケットは刻印機に通した
でも、乗車してしばらくしてからチケットを目にするとどこにも日時の刻印がされていない
◆トリノのチケットが仇となる
ここで再度刻印をしに行けばよかったのにトリノのバスチケットがかざすタイプだったことが仇と
「トリノはかざすだけだったし、二人とも刻印機に通して何も刻印がないのだから、きっとかざすタイプなんだね」と思ってしまったのだ
その上、行きたい方向と反対周りのバスに乗ってしまっていて再びラヴェンナ駅前に戻ってきてしまった
チケットは60分有効なのでまだ使える
だからそのまま行く方向周りとなったバスに乗車していたが、15分ほど走ったところで検札が乗り込んできた
2人とも刻印機に通して刻印がないわけで、2人が2人とも間違うとも思ってないし、トリノのようにかざすタイプ(機器を通せば目に見えない仕組みで刻印がされていると)だと思い込んでいた2人は検札に自信たっぷりにチケットを見せた
◆「刻印がされてませんね」
無惨にも「刻印がされていませんね。罰金を支払ってください」と言われる
乗車時に刻印機にチケットを通したのは確かなのでもちろん2人とも黙ってはいない 知人は英語で私はイタリア語で事情を説明する
私たちの言い分はこうだ
「行き帰りのチケットをちゃんと購入している」
「刻印機に通したのに刻印されてないのは機器の故障じゃないのか?」
「私たちは観光客で刻印機の使い方がわからないこともある」
などなど話したが、彼らの答えは
「No 支払ってください」
「見逃してあげたいけど私たちの仕事は刻印されていない人から罰金を徴収することだ」
「1人見逃したら他も見逃さないといけなくなる」
話は堂々巡り、「刻印機の故障かもしれないじゃないか」と知人が言い、チケットに刻印させてみたが、なんとちゃんと刻印された
◆結局罰金を支払うことに
「私は日本が好きで日本のアニメも好きだし、日本に行きたいと思っている だから個人的にはあなた達を見逃してあげたい でも仕事なのでごめんなさい」と言われた時に私は
「それもそうだなぁ」と思ったので気持ちを切り替えて「支払うなら気持ちよく支払おう!これも旅の思い出」と支払った
その額、67€!日本円で約11,000円だ・・・
円安の今、それだけのお金があったら何が買える?食べられた?と考えたら悔しいのだが、これも勉強だ!とまだ検札と交渉している知人を横目に支払ったのだった
1.5€(約247円)のバスチケットに刻印ができなかっただけで67€(約11,000円)の罰金を払ったのだ
この罰金を支払ったことについては、その後にも話が続くのだがちょっと「スピリチュアル」な内容になるので別途書きたいと思う
◆ありがたいようなありがたくないような
最後まで知人は粘ったが終着かつ目的地のバス停に着いてしまったので結局彼も支払うことに
私はとっくの昔に気持ちを切り替えて「旅の記念」と思っていたので検札の彼らに「記念写真撮ろう!」といって写真を撮った
この写真だけ見たらただ楽しそうな写真で手に持っているのが罰金のチケットとは思うまい(笑 しかもこのチケットは1日バス乗り放題になる(67€払ってるから)
ただ私たちは行き帰りのバスチケットを購入しており、ラヴェンナには今度いつくるかわからないので自分たちが購入したチケットが無駄になる 罰金のチケットで1日乗り放題になるのはありがたいようでありがたくない
それでどうしたかというと、悔しいので帰りのバスで全部のチケットに刻印したのだった その際、再び刻印がされなくてそれに気づいた運転手が刻印機へのチケットの挿入方向について説明してくれた
「来る時の運転手も教えてくれたらよかったのに」と知人は言っていたけど、まぁこれで何かもっと大きな難を逃れたんだろうと思う
☆最後に
最初に書き忘れたが、イタリアのバスと日本のバスの違いは「遅延が当たり前」意外に以下の点が注意だ
車内アナウンスがない
停留所案内の車内掲示板がない
降車ボタンが各席にない
定刻時間より早く停留所に来ても時間調整せず、そのまま走り去る
日本のバスがデフォルトの私たち日本人にとっては「不便極まりない」イタリアのバスである
⇨⇨次回へ続く