新卒でブラック企業に入った彼氏の話。
初めて会った時、彼は22歳の冬だった。
年末の喧騒の中で待ち合わせをして早々
「卒論を印刷したいんで、
プリンターのインクを買いたいんです。」
と、言った。
家電量販店にてダサい鞄にインクを
購入しサッサと詰めた彼と夜の街を歩き出す
「大学を卒業したらどうするの?」と
私は訊いた。
内定は出ていて就職するとの事だったが
どんな会社で何をするのか聞いても
何だかハッキリしない。
「う~ん?大丈夫かな?何か変だぞ?」
と他人事ながら嫌な予感…
少し心配になったが
自分の時とは