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イケア、DIYの食料自給栽培システム図面を無料公開

コロナ禍で、イケアが2017年に発表した自家栽培システムThe Growroomが注目を集めている。DIYで安価に組み立てられ、都市部でも近隣に開かれた形で自家栽培ができるデザインが設計図も含めて無料公開されている。
オンラインメディアのEarth Without Povertyに寄せられた記事をもとに、日本語訳を組み立てた。読みやすさを考えて、章立て等は変えてある。
ライター: Hemley Gonzalez
原文: https://tinyurl.com/ycmjglpa (2020年4月24日公開)

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私たちは、ほぼなんでも自分たちで作れる

コロナ危機において、イケアが2017年に発表した製品に再び注目が集まっている。「グロールーム」はユーザー自らが組み立てられる食料栽培のための装置だ。住環境や近隣地域の状況に応じて、持続可能な食料自給を続けるためのシステムとして、デザイナーチームのSPACE10によって開発された。

もともとこの製品は、イケア内の建築コンペ応募作品の一つだった。社内の企画デザイン担当チームのひとつ、SPACE 10所属の建築家のSine LindholmMads-Ulrik Husumtoinによって考案された。

大きさは2.8メートル× 2.5メートルで、都市の平均的な住宅所有者が組み立てて管理できるように設計されている。レイヤー構造なので、どの層でも水と光を取り入れる仕組みだ。材料はベニヤ板、ねじ、ハンマーのみとシンプルで、安価に組み立てられる。木工場や材料などは、利用・入手しづらい地域もあるかもしれない。しかし3D印刷やレーザー切断ツールなどを備えた施設は、だいたいの主要都市にはあるはずだ。


小さな地産地消は、教育や議論の発展につながる

イケアは2017年のプレスリリースで、「グロールーム」について「理論的にはすべての人が、作りたいものを作れる」とした上で、そのコンセプトをこう伝えた。

私たちは、いままでグローバルな物流に依存して、地球資源を浪費してきました。グロールームの利用は、グローバルな食料モデルから脱却する上で重要なとりくみです。いままで農村部でしか栽培できなかった作物であっても、都市で持続的に自家栽培が可能になります。グローバルな物流に頼らないことで、環境に対する負荷は減るでしょう。また、子どもたちに食べ物がどこから来たかを教えることもできます。栄養価の高いオーガニックの野菜は、おいしく豊かな食生活を約束してくれます。
自分の食べる農産物を充分に栽培できるという選択肢は、健康不安、アレルギーなどのある人にとっても、生活改善への糸口となるでしょう。最も重要なのは、人口増加に伴う食料需要の増加にも対応できることです。

SPACE 10がグロールームによって提示している未来はふたつ。私たち自身の手で、地域に食べ物を育てられることと、その過程に生まれてくるであろう地球再生に向けた活発な議論だ。

グロールームの図面は以下のリンクから無料公開中
https://github.com/space10-community/the-growroom

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