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子どもを好きになれない話

昔から、どうも子どもが好きになれない。
特に子ども好きじゃないなあと思うような決定的な出来事があったわけではない。嫌い、まではいかない。大人から守られるべき存在なのはわかっているし、そうあるべきだと思う。でもどうも好きになれない。子どもといたり見つめられたりすると、何となく後ろめたい気持ちになるのはわたしだけだろうか。

数分にも満たないわずかな時間であるが、仕事でごくたまに小さい子どもと接するときがある。一人っ子、二人兄弟、まだおしゃべりできない子…そのときによって様々だが、子ども達の真っ直ぐな目でじっと見つめられるのがどうしても耐えられない。何も悪いことはしていないが。かわいい、よりも罪悪感のようなよくわからない感情が込み上げてくるのだ。まだ真っ直ぐで純粋で、未来があって、夢や希望に満ち溢れている存在に見つめられるのが、こわい。毎回、表情筋を無理矢理動かしハハ…と子どもに伝わらない愛想笑いをしてそそくさと立ち去る。もうアラサーなんだし、にこやかに笑ってバイバイとかしてあげればいいんだろうなとは思う。大人になってもできないことってあるよね、と脳内で言い訳したりして。

仕事仲間は9割女性で、ほとんどが子育てを終えて孫がいる人ばかり。自分の子どもや孫の話題になることも多く、独身アラサーゆえに結婚妊娠出産へのアドバイスという名のおせっかいを言われることもしばしば。子どもを見ても心が動かない、見つめられると気まずいと言ったら大笑いされた。自分の子どもはかわいいから大丈夫、とか
小さい時期なんてあっと言う間に過ぎるから、とか。そういうことではなくて、と思ったが黙っていた。きっとこの人達には一生理解してもらえない。

この何ともいえない罪悪感から開放されることはない気がする。