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【詩】箱庭のパレード
箱庭に閉じ込められていた
ミニチュアの鉄格子が張り巡らされていて
人口の小川も流れているし
なんなら百合の花だって咲き乱れている
ひとりでに食事は用意されていた
カトラリーをカチャカチャ動かしながら
欲望のままに 食していったけど
満たされなかった 何度繰り返しても
開かずの間からはいつだって蓄音機のオルゴールが 流れてくる
どこかで聴き覚えのある 不思議なメロディー
でも 短調なのか 長調なのか よく分からないまま
気づいたら また最初からリピート再生
窓辺越しの三日月が私を嘲笑っていた
煩悩とかつての嫉妬が旋回していた
青い光と一緒に 無邪気で残酷な叫び声を上げながら
私はそれを 黒き曇りなき眼で 食い入るように見つめていた
箱庭に閉じ込められていた
錆びついた欲望の片鱗が 手招いている
乾ききった憧憬の片隅が 囁いている
こっちだよ
こっちだよ
あなたも一緒に 「永遠」の遊びをしよう?