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【詩】逃避行

後ろめたさや葛藤を背負い込んで
財布とケータイをリュックに押し込めて
ただただ歯を食いしばりながら
そっと家を抜け出した

片道切符しか買わなかった
カラカラな喉
滴る汗 
うるさすぎる胸の鼓動
耳を塞いでも 聞こえてくるノイズ
目を覆っても 見えてしまう戦慄を帯びた悪夢

たどり着く境地は
楽園か はたまた失楽園か
サイコロの示す目は堕天使にも分からなかった

歪み続ける常世の闇
躓いて転んで 膝に滲んだ血
鮮やかな赤色はやけに現実味がなくて

伸びた影との逃避行
輪郭はいつまで経ってもなぞれなかった
ああ そうか 君はいつもそこにいたんだったな




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