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【論文&レポート】1年次の教育学レポート~おとぎ話の効用~

 大学1年次で最も面白かった講義は何?と問われたとしたら、「教育学」と答えるだろう。講義内では、子どもの発達や家庭・学校における「教育」の役割について、文化の伝承における教育的意義、童話と絵本の効用について、などなど多岐にわたることを学んだ。

 この科目では期日までに最終期末レポートを提出することになっており、word文書で、A4 2枚程度執筆する必要があった。まだ1年生だったということもあり、レポート作成に馴れておらず手探り状態で書き進めていった。しかし、「講義内容に即していれば自由にテーマを設定して良い」ということだったので、少し楽しみながら内容をまとめることができた。ちょっぴり恥ずかしいが、以下に当時のレポート内容を晒そうと思う。あたたかい目でお読みください。(↓不自然な部分は少しだけ修正しました↓)

 
教育学 期末レポート』

 教育学の講義内で特に印象に残っているテーマは、『おとぎ話の効用』である。受講時に、絵本に込められたメッセージや子どもへの教育的配慮について学んだ。何故このテーマを選んだかというと、絵本と子どもへの教育の間にどのような関係性や効果があるのかというのを講義で学び、面白いと感じ、『もっと学び、知識を深めたい』と思ったからだ。講義の中でも、先生が複数回絵本の読み聞かせをしてくれた。絵本を読むのは、小学生の時以来だったがとても楽しめた。絵本は、大人も子どもも年齢関係なく誰もが楽しむことができると学ぶことができた。また、子どもは絵本を読むことを通して、想像力を働かせることができる。現実ではできないことでも、絵本を通して様々な体験ができることを再確認できた。更に、子供は絵本の物語だけでなく、親が自分のために読み聞かせをしてくれているという時間を楽しみ、それを通して親の愛を感じていることも知った。絵本を介して親と子供のコミュニケーションを互いに楽しめるということが分かり、とても素晴らしいと感じた。

      絵本の役割には様々な側面がある。中でも取り上げたいのは、絵本が親と子どもがコミュニケーションをする機会を提供する側面についてだ。子どもは親に絵本の読み聞かせをせがみ、読み終わった後もすぐさま『もう一回』と要求することがある。絵本の内容は変わることはなく、また同じ展開の繰り返しだ。それなのに、何故子どもは幾度も読み聞かせをせがむのだろうか。―いまではわたしの子どもが絵本を持ってくる。…絵本を読み終わると、たいていすぐに「もう一回」という。どうして、いま聞いたばかりの話をまた聞きたがるのか不思議だった。―(『絵本から「子ども福祉」を考える』P213 コラム4『コミュニケーション媒体としての絵本』)川合伸幸)私が抱いたのと同じ疑問を筆者の川合さんも記述していた。その理由として、子どもは親が自分に集中して読み聞かせをするその姿や、その場の空気、また、絵本を通してコミュニケーションを楽しんでいることにあると思う。
 子どもたちにとって、コミュニケーション力を培うことは重要な意味をもつ。学校教育でも、アクティブラーニングやグループワーク、ディスカッションの授業が設けられ、コミュニケーション力を育む多様な機会が提供されている。だが、コミュニケーションの難しさに誰もが直面することがあると思う。相手の意図を汲み取れなかったり、言いたいことを的確に伝えられなかったりする。良いコミュニケーションをするには、相手の気持ちを考える想像力や共感力が求められる。絵本はそのような力を育ませる手助けになるだろう。絵本の登場人物の気持ちを考え、一緒に悲しんだり喜んだりする。更に、『もし自分がこの場にいたら、どうするだろう』とか『私が主人公の立場だったらこんな気持ちなる』など想像力を培うことに繋がる。そういった体験を幼い頃から継続することで、現実世界でも相手の気持ちに寄り添うことの大切さを学ぶことができる。

 また、読み手と聞き手が同じ空間と時間を共有しているという状況も子供の心を育む要素の一つと言えるだろう。一つの作品の読み聞かせを通して、親と子が交流することで子供の心は豊かに育まれる。―読み手と聞き手がいる読書行為にふさわしい絵本は、双方向で時間と空間を共有する。その共有する時間と空間は読み語る読書行為を実践したものなら誰でも知る充実感とすばらしさに満ちているコミュニティである。だから、絵本や子どもの本がコミュニケーション能力を養うメディアの役割をいくらかなりと果たせるのではないかと僕は考えるのである。―(『絵本講師の本棚から―私の心のなかにある絵本たち―』P7序に変えて)と筆者の飫肥さんは語っている。絵本は一人でも読むこと出来るが、やはりその醍醐味は誰かと一緒に読み、楽しむことにあると思わされた。絵本の読み聞かせは親子のコミュニケーションの時間を豊かにし、子どもに『自分は愛されている』と思う気持ちをもたらしてくれる。結果、自己肯定感も養われる。

 このレポート課題を通して、絵本と子どもの教育的関係やそれがもたらす効果をより深く知ることができた。幼い頃から絵本や本を読む環境で育ってきたが、絵本に対する考え方や見方が大きく変わった。思考力やコミュニケーション力を向上させ、現実ではできない経験の補填を絵本はもたらしてくれる。最近は全然絵本を読んでいないが、図書館等を利用して絵本の楽しさを再び味わってみたいと思った。

 
 【参考文献】
『絵本から「子ども福祉」を考える』
編著者:青木文美
発行所:春風社
発行年:2016年7月29日(初版発行)

『絵本講師の本棚から―わたしの心のなかにある絵本たち―』
編者:絵本講師の会
発行所:NPO法人「絵本で子育て」センター
発行年:2011年5月10日(第一刷発行)

 字数:1856字

 ※大学で同様の科目を履修している方へ。剽窃(コピペ)はお止めください。参考程度に留めてください。※

 

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