大きな衝撃と悲しみと、向き合う先にあるもの
とても悲しい出来事がありました。
兄の親友が、亡くなったのです。
彼は兄の一番の親友で、二人でヘアサロンを経営していました。
亡くなるひと月前に、そのサロンの1周年を記念したイベントを開いて、メンバー一丸となって、これからもっとお店を盛り上げて行こうと意気込んでいた矢先の出来事でした。
彼が店長として、店を引っ張っていました。
兄と彼は、美容専門学生の頃からの親友で、当時から家に頻繁に遊びにきていたし、大人になってからも変わらず仲がよく、兄の話にはいつも彼が登場していました。
私は昨年、二人のお店がオープンした時に、彼に初めて髪をカットしてもらいました。
その時に、お店がオープンするまでのことや、二人の友情の話や、これからの希望など、たくさんのお話を聞かせてもらいました。
彼はいつも面白いことを考えて、ワクワクしていて、サロンを良くしようと一生懸命でした。
私はその時に、こんなにも兄のことを理解してくれていて、想ってくれる友達がいることがとても羨ましいと思ったし、兄は本当に愛されているんだと思いました。
強い絆で結ばれていたことを知っているから、彼の死を聞いた時、兄のことをとても心配しました。
死因は突然死のようで、いつも通り仕事を終えて、帰る途中で倒れ、病院に運ばれ、そのまま息を引き取ったそうです。
自殺でも、殺されたわけでも、事件や事故に巻き込まれたわけでもなく、
まだ若い彼の身体が、自ら、突然に、その全ての機能を停止し、終わらせてしまった。
事前に何か異変があったわけでもなさそうで、
あまりにも突然で、誰もが信じられなかったと思います。
兄も、彼には2日前に会っていたし、前日もラインでやり取りしていたそうです。
嘘だ、、そんなはずがない、、、
事実を伝えられても、耳を疑い、理解できないようなことが
そんな恐ろしいことが、ある瞬間に、突然にやってくるなんて、、、
私はこの文章を書いていても、涙は出てくるんだけど、
まだ信じられなくて、
嘘の物語を書き連ねているような、
長い夢を見ているような感覚です。
明るくて、面白くて、優しくて、友情にあつくて、抜群にセンスがよくて、お洒落で、サーフィンやキャンプや自然が好きで、写真を撮ることが好きで、素晴らしい技術を持っていた、
あの彼が、、
楽しそうに髪を切ってくれたあの彼が、、
希望に満ちていたあの瞳が、、
あの笑い声が、、
なぜ、、突然に、、
神様、なぜ、連れて行かれたのですか、、
いのちを終えるにはまだ早すぎます、、
まだまだやりたいことがあったはずなのに。
残された兄や、サロンの仲間や、奥さんやご家族、
そんな人たちのことを思うと、ただただ涙が流れて苦しくなりますが、
きっと、彼だって、大切な人にお別れの言葉も伝えられないまま逝ってしまい、
悲しんでいるんじゃないかな、、と思います。
もっと仲間と働いて、もっと生きていたかったと、悔しんでいるんじゃないのかな、と思います。
私は、母からこのことを聞き、
とにかく兄のことが気になって、何を話せばいいのか分からないけど、すぐに兄に電話をしました。
母と私が知った時は、亡くなった日から既に三週間が経っていたので、
兄はもう落ち着いていて、
「おにいちゃん大丈夫?」という問いかけに、
「大丈夫やで」と答えました。
「いつまでも泣いてられへんから、スタッフのみんなもいてるし、前向いていかな」
「俺はもういっぱい泣いたから」と。
「わたしはまだ受け止められへんから、もうちょっと泣くわ。。。」
と鼻をズルズルさせながら私が言うと、「うん、じゃあ、またね」
と。
短い電話でしたが、兄の声を聞けて、兄がちゃんと生きていて、とてもホッとしました。
それでも私は、兄のことを思うし、
兄と彼がいつも二人でいたことを思うし、
彼と話したことや、思い出を思い出すし、
あまりに突然に命を断ち切られた彼は、今どこで何を思っているだろう、と思うし、
この世界では意味のないことは起きないと言うのなら、
彼の死にどんな意味があるのだろう、とか、
この世界の出来事は全てが必然的で、偶然なんて無いのなら、
なぜこんなことが起きる必要があったのか、、とか、
やっぱり一番思うことは、
とにかく、
『なぜ』
と言う答えの無い問いかけだけが、繰り返し、底の見えない深い闇の中へ
投げかけられていきます。
私はこの出来事から何を思うのだろう。
まだ、半分、驚き、衝撃で、頭の整理がつきませんが、
私はこの出来事を、「それが彼の運命だったんだね」
なんて、簡単にまとめられないし、
そんな風に思いたくないです。
ついこの間、「大好きです」の言葉とともに、サロンメンバーに囲まれた集合写真を彼のInstagramの投稿で見たばかりです。
彼の笑顔がこの目に焼き付いています。
この記事の締めくくり方が分からなくて、、
すみません。
生きないと。
私は、この命を、全うする。
その責任だけは、その緊張感だけは、
いつも持って生きようと、決めました。
亜実
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